第二話
「そうそう!さっき湊が週末皆でどっか行こうって言ってたよ」
飲んでいたジュースのストローから口を離し、あたしは言った。
「週末〜?俺と創は空いてっけど、聡なんか用事があんじゃなかったっけ?」
「えっ、そうなの?」
「ん」
月守・・・来れないの・・・?
面倒くさがりで、時々嫌味を言うような奴だけど・・・あたしにとってはかけがえのない一人な訳で・・・。
「どうしても来れない!?1時間でも30分でもいいから!」
「・・・樋口、どうしたの?」
「はー君・・・別にどうもしないけど、やっぱり一人欠けるのって変な感じじゃん?だから・・・」
ちらりと月守に視線を向けた。
丁度こちらを見ていた月守と視線が絡み合った。
少しの間そうしていると、月守が軽く溜息をついた。
「分かった。行く」
「ほんとっ!?ありがとー!!はー君とコウは行けるんでしょ?」
「おぅ!!」
「・・・・・」
はー君もコクリと頷いてくれた。
「じゃあ、今日の夜に湊達と連絡とって、時間とか場所とか決めたらメールするからね!」
「分かった」
「よし!じゃあ、あたし今日はもうこれで帰るね。バイバイ」
「じゃーなー!」
コウは一生懸命ブンブンと手を振って、月守はちらりと視線を寄越しただけ、はー君は無言だったけど、ヒラヒラと手を振ってくれた。
自分の分のお金を机に置いて、あたしはファミレスを出た。
「アイツ・・・なんか様子おかしくねえか?」
「確かに・・・必要以上に必死だったね」
「アイツってゆうの事か?アイツが可笑しいのはいつもの事だろ?」
「そりゃそうだけど・・・そういうんじゃなくて」
「聡、昂哉に何言っても無駄だよ」
「そうだな」
「って、オイ!!」