準備完了した瞬間が一番楽しい問題
「ロマン砲」というものがある。
圧倒的な火力。派手な演出。一撃必殺。
ただし代償として、だいたいクセが強い。
準備が重い。条件が多い。燃費が悪い。実用性は低い。
でも説明文を見た瞬間、思う。
「これ、男のロマンじゃん」
たぶんここが罠だ。
冷静に考えれば、汎用キャラを育てた方が強い。
でもロマン砲は“強さ”ではなく“物語性”で刺してくる。
だから作ってしまう。
素材を集める。
条件を調べる。
足りないステータスを埋める。
気がつけば、編成がロマン砲中心になっている。
「あれ?これ最適解じゃないよな?」
一瞬よぎるが、見なかったことにする。
そしてついに、条件は揃う。
ボタンは光っている。
撃てる状態だ。
ここが一番楽しい。
実際の戦闘よりも、ここがピークまである。
「これ、いつ撃とうかな」
そう思いながら、出番を待つ。
だが気づく。撃つ場面がない…
敵は倒しきれる火力で出てくるか、
そもそもロマン砲を撃つ前に終わるかのどちらかだ。
いや、そもそも発動条件がややこしすぎて、実戦で使う判断が遅れる。
「これ、設計ミスでは?」
一瞬思うが、やめる。
ロマンだからだ。
結局、ロマン砲は一度も撃たれないまま日常編成に埋もれていく。
でも、ふと思う。
一番楽しかったのって、たぶん“完成した瞬間”だったな、と。
撃ってないのに満足している。
ロマンとはそういうものなのかもしれない…




