異世界でドッチボールをした男の話
ガラガラ
「俺はヨトゥリ=ウェン=フェンダリ今日から魔法部門の講師をすることになった。ではさっそく授業を始める」
俺は前世の記憶がある。いわゆる転生だ……だけど転生理由が『いやぁ君見てて悲しくなるから、特典つけておくからせめて別の世界で楽しく過ごしてね』と女神から説明された。
そう言われたから転生特典を確認するとただ魔力成長率が普通より少し高いだけだった。
俺は夢だった魔法を使うために八年訓練した。
そして魔法講師になった。
「先生内容って何ですか?」
「今日は俺が用意したフィールドで戦闘ドッチボールをしてもらう」
そして俺は教室の生徒を連れて行った。
十六分後
「まず説明をするとリーダーを決めてもらう。そして白線の内側で魔法が得意な人は攻撃魔法で球を作り、相手に当てる。首から上に当たれば一発退場だ。
攻撃魔法が苦手な人たちには威力の高いボールを渡す。
首から下に当たった場合頭の上に赤いマークが出る。マークが出た者は周囲の人に救援を願い白線の外に出してもらう。
白線の外には回復魔法を使える生徒が当たった人を回復させる。回復された人は再び白線の中に入れる。リーダーが先に倒されたチームの負け……こんな感じなんだけど、説明が下手ですまんな。今から俺が幻影を使ってお手本を見せるから参考程度にしてくれ」
そして俺は生徒たちが分かりやすいように時間をかけて動いた。
俺がなぜドッチボールをしようとしたかと言うと親父から『ドッチボールは弱肉強食そのもの弱き者が強き者に狩られる。そこで今回はゲームで使おうと思うんだ!! 異世界に行った教師の主人公がドッチボールを使って生徒たちに戦いを教えて無双するんだ、どうだ清完成品を楽しみにしててくれ一番に遊ばせてやるからな!!』と言われ……うん? この状況まさか……いやまさかだよな
するとあの女神の
「気づいちゃったか〜、どこの世界に転生させようか迷って君のお父さんが面白そうなもの作ってたからそこなら楽しく過ごせそうだと思ってねぇ。まあ君の思うままに楽しんで……じゃあねぇ」と言う声が頭に響いた。
死んだ親父たちが最期に残したゲームに俺は転生したわけだが……内容親父から聞いた話以外ひとっつも知らねぇな……まあその方が新鮮味はあっていいかもな
俺がそう考えていると
最初に『先生内容って何ですか?』と俺に聞いてきた生徒が「さっき先生が楽しそうにしてるの見て私も楽しみになってきました」と笑いながら俺に話しかけてきた。
そして生徒たちが俺が教えたドッチボールをやることになった。
俺はさっきの生徒に目を惹かれてしまった。
なぜならさっきの生徒が年越しの際に見た初日の出ほどの大きさの火球を他の生徒を笑いながら当てていたからだ。
俺はすぐさま当てられた生徒を治療した。
後から知ったのだが、火球を放った生徒の名はミュラン=フォン=カルオメデス。名門カルオメデス公爵の娘だそうだ。そして二つ名敵を生きたまま焼き殺すことから"焚刑"と呼ばれているらしい
その出来事からドッチボールは国によって禁じられたが軍の訓練としては採用されてしまい……俺は教師をクビになった。
そして俺は王命で軍人にされた。
七年後
俺は少佐となり新たに部隊を任された。
そして「お久しぶりですヨトゥリ少佐」とミュランの声が聞こえてきた。
「久しぶりだなミュラン准尉四年前の"幻龍開戦"以来だな」
「はい、軍に入ればドッチボールが出来ると聞いて帝国軍のゴルド大佐を殺して首を持っていって入隊させてもらったんですよ。認識できる加減で焼きましたから安心してください」
「相変わらずなんだなミュラン……あの時から変わってないんだな」
これは俺ヨトゥリとミュランの"双焔"コンビが生まれるまでの物語である。
おしまい
見つけて読んでいただきありがとうございます!!
ドッチボールを異世界でやったらなんかすごいことになりそうだなと思って書きました