雪の結晶
一緒に働いていた彼女
色白の 透明感のある とても綺麗なあの子
彼女の笑顔は僕の心を溶かしてくれた
彼女と関わりたくて
何でもない話をしてしまう
いつも彼女は笑顔で聞いてくれた
雪の結晶のような
触れたらなくなってしまいそうな
儚い彼女
ある日彼女が高い戸棚の書類を取ろうとしていた
僕は背後に忍び寄り その書類を取ってあげた
僕を見上げ 笑顔で言った「ありがとう」
彼女の小さい背中 細い腕 綺麗な手
雪の結晶のような
触れたらなくなってしまいそうな
儚い彼女
そんな彼女が会社を辞める
幸せになるという
最後に告げた僕の気持ち
僕を見上げ 笑顔で言った「ありがとう」
その笑顔には一つじゃない表情
優しくしてくれて
好きでいてくれて
あなたのこと好きかもって思わせてくれて
ありがとう
そして彼女はいなくなった
僕の心だけを残して
雪の結晶のような
触れたらなくなってしまいそうな
儚い彼女