第2話「Avant-Guerre Lyre」
本日は初日ゆえ、二本連続です!
ゲームをプレイする目的って、何だろうか?
新作MMORPG、【Avant-Guerre Lyre】。略してAGLy。
大々的にネットで宣伝されたそれは、今までのVRゲームとは一線を画す程の特徴的な作品だ…というのが、クローズドテスターの1人の評価だ。俺もクローズドテストに参加していたからそいつの評価には概ね同意だ。
それじゃあ何が違うのか?…そう、このゲームは《《何でも》》出来るのだ。他ゲー同様戦闘はもちろん中世ライクの世界で自由に散策したり商業を営んだり、田舎で農業をしたり…あるいは憂さ晴らしに犯罪に手を染めたり。
それと、各地に分布してる魔獣って怪物を殺してスリルを味わったり。
そう、何でも出来るのだ。
通常のゲームではマップに制限があったり、システムに制限があって行動の自由が完全には保証されていなかったりする。あ、他ゲー下げじゃないよ。一応ね?
ぺーぺーの俺には仕組みとかは全く分からんが、どうやらマジで本物の世界みたいにほぼ無限に世界が広がっている。…って公式が言ってた。
そしてもう1つ、めっちゃ特徴的なシステムがある。
このゲーム内世界で取引に使用されている通貨は、現実世界の金に換金出来るのだ。もちろん交換レートは低いが、遊んでるだけで金が貰える神仕様。
この換金で無くなった分の金はゲーム内世界にある造幣局的な所で再び生産されるっぽいから、通貨がなくなる心配も無し。
そもそもあまり大量の金を換金するとゲーム進めるのが難しくなって結局大して稼げない。
こんな仕様実装して、制作会社に何の得があるのか全く分からんが…大企業だし、金持ちの考えることは分からん。
さてもう一度問おう。ゲームをプレイする目的とはなんだ?
人によって答えは様々だ。ストレス解消、友達と共有できる話題作り…何だって良い。ゲームやるのに理由なんていらない。
俺がプレイする理由?もちろん答えは決まっている。
そう…マウントが!取りたい!
リアルで殆ど取り柄のない俺だが、ゲーム内でなら!ちやほやされ(る可能性を秘めてい)る!
偶に言われているが、無課金と廃課金の差?そんなの知らん。ゴリゴリに課金した装備とかで初心者や無課金を叩きのめすのが俺の趣味だ。
それもなるべく楽に。ぶっちゃけ努力とかゲーム世界に求めてないし?運営にぶら下がるヒモにでもなっていたい。
このゲームは課金額ってよりプレイスキル…いかに上手く力を扱うか、ってのが重要だと思うが…基礎にある力の差ってのは埋め難いからね。なるべく早く始めるため、今回のオープンβテストにも応募したってワケ。
今までのテストでのゲーム内世界の記録は削除されてきたが、今回のテストで入った世界でそのままリリース後にも遊べるらしい。アーリーアクセスってヤツだね。
〈Avant-Guerre Lyreへようこそ。操作キャラクターを設定してください〉
視界に映るウインドウに、『人間』という項目が現れる。種族の設定フェーズみたいだけど、選択肢は1つだけ。
アバターを人間に設定した後は、容姿の設定だ。身長や体型、顔や髪型までイジることが出来る。
俺は男だが、設定次第では女性のアバターを使って遊ぶことも出来る。俺はネカマとか興味ないからできうる限りイケメンなアバターを作る事に全力を尽くす。容姿は大切だ。
このキャラクリがダルいなら、ログインしている装置から全身をスキャンしてリアルと同じ容姿でプレイすることもできる。
容姿の設定が終わればその次は能力値の設定だ。設定できるステータスはHP、MP、STR、VIT、AGL、DEX、INT、SENの8つ。最後のは他ゲーにあるのか分からないが独自の仕様っぽい。
キャラクリ時に付与されたポイント…【回帰点】って言うらしいが、平たく言えばスキルポイントとかそんな感じのポイントを使ってステータスを自由に設定できる。
このゲームは初期のポイント割り振りが結構独特で、HP、MPを除いた6つの内、STR、VIT、AGLとDEX、INT、SENで分けられており、例えば全てのポイントをATKにブッパする、みたいなビルドは出来ない。
STRとVITはダメージに関係しており、いろいろ計算に入れた結果算出されたダメージがHPから引かれる。
AGLは素早さ。しかも上げると単純にスピードが上がるだけじゃなく、動体視力も上がる。
INTは知性の名の通り頭を使う場面で必要になる。魔法や特殊なスキルの発動はもちろん、謎解きの際にもこの数値が使用される。MPは魔法を使うときに使用するリソース的なモノ。
DEXは器用さ。物を作ったり、武器を上手く扱う為に必要になる。このゲーム、テストプレイをしてみた感じこの数値がめちゃくちゃ大事だ。戦闘時には偶にクリティカルヒットが起きることがある。その発動確率に寄与するのがこのDEXなのだ。このクリティカルが結構倍率が高く、ある程度STRを上げたらDEXにリソースを費やすのも良いだろう。
SENは…感覚の鋭さ。このゲームをやるにあたって装着?使用?しているVR用の装置があるのだが、これから脳に直接刺激が加えられて感覚を再現する仕組みになっている。
このSENを上げると単純に感じる痛みも含めて感覚が過敏に働くのだ。
これだけ聞くとこの数値は育てたくないとは思う。かといってコレを育てないと目や耳の機能も落ち、まともにプレイ出来ない。キャラビルドの腕の見せ所だな。
キャラクターの詳細な設定は終わった。俺はなるべく楽に戦いたいのでAGL、DEX、INTを中心的に上げた。回避して魔法でチクチク。
あ、言い忘れていたがこの最初のキャラクリ時点ではHPとMPに回帰点は振れない。
さてと、次…最後はキャラクターネームの設定。つまりはこの世界での俺の名前だ。
名は体を表す…俺はこの言葉を信じている。
故に俺の名前は既に決めている!
俺のプレイヤーネームは…!
説明長かったですね。ただ、ゲーム作品ということもありこの用語らはかなり使いますので、ここで覚えておかれるとこの先楽かな…?とは思います。
ゲームタイトルの読みは「アヴァンゲールライアー」です。直訳すると「戦前の琴」!