日曜の夜
日が暮れようとしているのに
家路を選べずに
誰もいなさそうな方向へ車を走らせる
明日が怖い
何をしても己の無力を確認するだけだから
どこかに自分を知らない人のみの場所は無いのか?
自然が闇に染まる
ライトが照らさなければ
海か山か判別できない
灯る街灯
灯らない街灯
ここはどこだ
どこでもいいさ
ガソリンはまだまだある
集落を見付け
そこから離れる道を選ぶ
このまま一気に時間が過ぎて何もかも終わってしまえばいいのに
こんな時に限って時計が遅い
狭い道を進む
たまたま対向車が来て
ギリギリですれ違う
顔は見えなかったが
俺と同じ顔色の気がした
そうか
俺だけじゃ無いのか
狭い道は大通りに出た
ステアリングが家路を目指す
もう二度と出会わないだろう誰かすれ違っただけで
霧散してしまうようなことを
悩み苦しむ必要なんて無いじゃないか
時間は早く
家路は遠いはずなのに近く
日付も変わらず
その前に眠る