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第5話 ルナリアとマルコ

「……おはようございます」


「ああ、おはよう」

「おはようございます」


 次の日、ルナリアと一緒に待ち合わせ場所に行くと、そこには先にマルコが来ていた。

 昨日に引き続き、ルナリアの警戒心は高く、普段の

 軽く挨拶を済ませると、受験生向けに解放されている練習場を使っていいということをマルコが確認してくれていたので、早速そこに向かった。


 ---


 ブンッ スンッ


 練習場に入るとすでに何十人も入っており、剣を振るう鋭い音が聞こえた。

 それにしても、広いな。ここなら一度に500人くらい入っていても自主練ができるんじゃないかな。


「こんな朝からわざわざ練習しにくるなんて、みんな気合入ってるね〜」

「やっぱり不安だったりするんじゃないかな? 従来通りなら剣術なんて関係なく合格が決まっていた人もいるだろうし……」


 俺自身がそうだしな、と心の中で呟いていた。


「そういうことなのかな〜。じゃあとりあえず私たちは模擬戦でもします?」


 ルナリアは周りを気にすることなく屈伸や腕を伸ばしたりして、今すぐにでも始めたいと言わんばかりだ。


「……ではまず僕がお手合わせお願いしてもいいですか?」

「え、いいてすよ。やりましょうか!」


 まずマルコがルナリアとやるみたいだ。

 まだ二人の剣筋を見たことはないからなんとも言えないが、見た目で判断すると明らかにマルコの方が弱そうだ。俺よりも一回り以上小さい体格の上、発言も弱々しいから。


「ルールは今回の試験と同じで、木剣使用で突きの禁止、剣以外での直接的な攻撃は無し でいいかな?」

「そうですね、そうしましょう……」

「じゃあ、ルーストリア君、審判お願いね!」

「え、あ、了解した!」


 二人は自分たちの剣を置いて、この練習場に備え付けで置いてある木剣を手にし向かい合うと、すぐに戦闘態勢に入っていた。

 昨日も思ったが、やはりルナリアは強いと思う。両手で剣を持ち、右斜に下げて構えているが、隙を全く見せていない。

 剣を下げるということは、その分振り上げる際に力を要するので初動が出遅れがちになる。だが、それをこの威圧(・・・・)を放ちながらできる者はまた別だ。

 居合の一種で、高速に切り上げる技もあるくらいだしな。

 ……まぁ、それは剣気(・・)をある程度扱えないとできない芸当なのだが。

 対するマルコは体の正面にもってきて基本の構えをとっている。


「そっちから来ないなら、こっちから行くよー!」


 見合い状態だったのを破ったのはルナリアだった!


「はぁっ!」


 青白く光ったのに少し遅れて ビュンッ と風を切る音がした。

 すると、そのまた少し間が空いてマルコが膝を着いた。


「……ッ! はは、ルナリアさん強いですね。僕じゃ歯が立ちません」

「マルコ君もなかなかやりますね。この技《雷切》に反撃(カウンター)合わせられたのは初めてだよ」

「……合わせただけでできたわけではないのでなにも意味はないですよ」

 

 ハハハ。審判とはなにか。

 俺にはさっぱりなにが起こったからわからなかった。だけど、マルコもなかなかの手練れだということはわかったぞ。


「二人はなんでそんな強いの?」

 俺は二人が話してる間に入って聞いた。


「……僕はとにかく相手の動きをよく見てますね。どう動くかを予想してそれに合わせるという戦い方をすることで自分の遅さを補ってきました……ですが、ルナリアさんレベルの速さになると話になりませんがね」


「あはは、私はとにかく初撃で倒せるように教えられてて、速さを追求してたから! 逆に言えばこれしかできないんだけど!」


「なるほどな。つまり一つのものを極めようとしてるってわけか」


 二人の話を聞いて、一つ思ったことがある。

 剣気を纏えないことに劣等感を感じて、ちゃんと強くなろうと努力していなかったんじゃないかと。心のどこかで諦めていたのではないかと。

 ルナリアの洗練された技と剣気に対し、マルコは剣気をあまり使わず、ほとんど自分の 力 だけであの速さについていけそうだった。


「ふふ、今日はルーストリア君の練習がメインだし、とりあえず手合わせしましょうか 」

「いやいや待って?! 絶対ルナリアさんのスピードにはついていけません許してください」


 たしかに元々はそういう約束だったが、一撃で仕留められては練習もクソもない。


「えぇ! じゃあ、技は使わない! それでどうでしょう?」


 ルナリアは「許してくださいって……」と復唱すると、くすくすと笑い出し、技は無しでという話になった。


「……わかった。 じゃあそれで頼む」

「OK! じゃあ、やりましょう!」


 こうして王都外での初めての()()が始まろうとしていた――







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