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みんな  みんな  わたしを  置いてけぼりで、、先に  死んでしまったよ   続・小夜物語 第14話

作者: 舜風人

ふと

きがつくと?


えええ??


あの人も


この人も


友人も


そして父も


母も


姉も


兄も


もうみんな

死んでしまってるんだね



そう

父はもう20年昔に

自宅で寝たきりである日息を引き取った


母はその後

10年くらい生きていたっけ

父がなくなると

さびしいさびしいって独り言言ってたっけ

でもその後10年くらいは生きて

ある日ヘルパーさんが実家に行くと

血を吐いて居間でいきたえていたそうだ。

わたしは仕事の関係で他県に住んでたからね。

ヘルパーさん、任せだったよ、

死因は大動脈瘤乖離だそうだ


田舎だから父も母も、盛大に葬儀はやったわけよ

葬儀社に全部頼んで、198万円かかったの、

でも盛大だったよ

花輪なんかすごいし埋もれてるって感じ

葬儀後のおしのぎの宴会?は80人も来てね、すごかったよ。

料理も結構すごいのがならんだしね

ああ

ちなみに父は肝不全だったよな

お酒が大好きで、、酒が飲めないなら死んだ方がマシだ、、とか豪語してたよなあ

肝不全でむくみがひどくても焼酎を欠かさず飲んでたよな

まあ本望だったんだろうね

でも直接の死因は脳出血だったけどね。


それから、、

私の兄

正確にいうと

義兄なんだが

わたしは姉が4人いて

オトコは私だけなんだ、

その姉の一人の連れ合いがカンちゃんという愛称で、

わたしと妙に気が合って

釣りに行ったり

山菜取りに行ったり

川に行ったり

山に行ったり

まあアウトドアによく行ったものだ

山菜取りの名人で

きのこ鍋は絶品だったよな

こいこくやアユ料理も最高だったよ

ウルカ(アユの塩辛)なんかもう最高だったよ


カンちゃんは、ヘビースモーカーで

そのために肺がんになってしまって

夜咳が止まらなくなってせき込み

入院してなくなってしまったんだ


寂しかったよ

もうヤマにも

一緒に

川にも行けないと思うと


そのカンちゃんの連れ合い

詰まり私の実の姉も


其の後10年ほど生きて

寂しいっていつも言ってたよな


でも

ある日

自宅の庭で倒れているのが近所の人に発見されて


死因は「大動脈解離」だったそうだ

姉の子のたか君が、、そういってたよ


あああ

みんな


みんな

気が付けば

死んでしまってるんだね


おもえば

遠い昔」


わたしはそのころ16才だった

高校の知人でカトウ君てのがいたんだけど」

剣道部で、ウオーミングアップで、

ある日校庭をジョギングしてて

急に倒れて

急性心不全だったよな

救急車運ばれたけど、駄目だったよ、

後日、、葬儀にも行ったけどご両親は泣きくずれてたよな


それから、、、、、、、、、、、、、


それから、、やがて


私は大学生になり

東京で下宿

友人のデン君が

アルバイト帰りに歩道で転倒してガードレールに

後頭部を打撲して

そのまま即死だったそうだ

後日、両親が田舎から駆けつけてきて死因を聞いたんだけど、

21才わかすぎるよな


それから

それから

わたしは何とか卒業して

そのころ就職氷河期で

50社も受けてやっと合格したのは

見知らぬ地方の会社だった

私の生まれた県からは遠い遠い県だった

でも

其処しかないから

わたしは赴任した、

でも気が付けばそこで仕事人生を終わったんだよな、

そんなに務めるとは夢にも思わなかったのに、

さてそんな仕事人生で友人もできたっけ

イガラシ君って言ったっけ

スポーツマンで

健康で

日焼けしてて

でも?

ある日腹痛を覚えて受診すると

スキルス胃がんで、

余命は半年だった

入院するとみるみる衰弱してガリガリに痩せて

会えなく死んでしまったっけ

あんなに元気だったのに人間なんてわからないもんだね


それから

それから、、

同僚のカワノさんていう人がいたんだけど

肩が凝って整体にかよってるって言ってたんだよ

しつこい肩こりで

でも>あるひ、健康診断でレントゲンで、

肺癌だといわれたんだ

肩こりは肺癌が原因だったんだね。

半年後には帰らぬ人になったよ、



それから

あるひ

会社に研修生?が来たんだよね

なんか系列のからきたんだけど

わたしがその人の指導者?になったんだ

ケイ君って言ったね

すこしやぼったくてさあ

わたしより10歳くらい年下で

まあ割りとよく世話してあげたわけ

その人がそれで先輩とか言ってなついて

数か月で研修が終わって帰って行ったんだけど私的な交流が続いたわけ

で、、

ココからなんだけど、

ケイ君

其の後子持ちのシングルマザーの女性と結婚したんだ

なんで?

わかるわけないよ?

で、

たまに会うんだけどどうってことないわけさ


しばらくして、、

ケイ君が死んだって連絡があったわけ

なんでも宴会(忘年会?)で

酔っ払って?

帰宅途中で転倒して頭を強打して

打ち所が悪くって、、死んだんだって

え?それってデン君が、、そうだったじゃやない?

そんな死に方ってあるんだ?

まさかだよね??

そういうことってあるんだね



ああでも

わたしは何とか死にもせずに

こうやって生き延びてきたんだね

なぜだかわからないけど生かされてきたんだよ

わたしも何度か入院したし全身麻酔の手術もしたよ、

救急車で運ばれたこともあったよ。

でも、、死ななかったんだ、

生き延びたんだよ、


不思議だよね?

なぜ生き延びたのか

でも

そのおかげで

わたしも随分人の死に目を見てきたよ、

妻の父親の死とか

義父は、職業病で老後は珪肺(塵肺)がひどくなって


酸素吸入が欠かせなっかたね


それでも自宅で過ごして


入院したのは死ぬ


一か月前だったよ、


それから、、、姉の連れ合いの死とか、、


さっきの姉とは

別の姉のつれあいなんか

散歩行ってくるって言って出かけて

しばらくすると、、ケータイが姉に来て

「公園で苦しいから来て」


姉がいってみると公園のベンチで死んでたって、

急性心不全?だったらしいよ、


そのほか親類や知人とか、、、

妻のほうの親せきなど

もうそりゃあ何十人って死に遭遇してきたよ


皆それぞれの死に方だったけど

妻の妹の連れ合いの死は印象的だったよな

彼はアユとかイワナとかそういうサカナが大好きで

なんと

「渓流漁を守る会」を、たちあげて

養殖池まで自費で作ってしまったんだよ。


すごいよな

なんでそこまで入れあげたのか

わたしには皆目わからないよ、

好きだったんだろうね

でも

ある日

自宅で倒れてるところを発見されたんだ

急性心不全?だったらしいよ


彼の一生って、、何だったんだろう?


イワナに捧げた一生??

そんなものに

一生捧げてよかったんだろうか???

まあでも

それが彼の人生だったのですね

それも人生

それが人生


わたしもいろんな人を見送って

だいぶ歳も取りました


もうそんなに


先もないでしょう、


最近

時々フラーっとめまいがするんですよ、

意識もふわーーと遠のいて

ああ

このまま逝ってしまうのか


一瞬

そう思うのですが


でも


ふー-とまた意識が戻ってきて

平常に帰るんですよ

ああでも


こんなことの繰り返しで

やがてある日


フーーっと

死んでゆくんでしょうね?


ああ

それにしても


わたしの一生ってなんだったのでしょうか?

入れあげたものもないし、、

これといって功績もないし

表彰もないし

勲章もらったこともないし、


まったくの無名庶民人生ですよ。


それでよかったんでしょうか?

まあいまさらやり直しもできないし

どうしようも無いけどね


無名に生き

無名に死んでゆく


まあしょうがないですよね


その日はいつなのか?

それは死神だけが知っている


わたしにわかるはずもありませんからね


それまでは

そうです

ある日

死神が

「お前を迎えに来たよ」

って

言うまでは


生きるしかありませんよね


いまさら自死なんて馬鹿らしいじゃありませんか

こんな老人になってから自死??

バカげてますよ



いまはもう


死が


迎えに来るまでは

全力で❓?生きるしかないでしょう??

そうですよね?

ねえ


神様??


それから私の葬儀なんだけど、、

私ココに書いてる通り

他県でよそ者なわけ

就職でこの県に来て

最初は貸家で独身だったからね

10年後に結婚して住宅買ったわけ

まあ30年住んでるけど

分譲建売住宅だしね

地元の人は買うわけないしね

県外に人ばっかり、

だから、近所づきあいもないわけ

近所も引っ越しで出てゆく人も多いしね

お隣なんて30年の間にあるじが4人も変わってるわけ

入れ変わりが激しいのよ

中古で売って出てちゃうわけ

で中古で買ってきてもその人もまた5年で、でてくわけ

この分譲建売団地は

全棟で100件くらいはあるわけ

私も、結婚して貸家もいやなので買ったわけさ

妻もそういえばすっかりとしとったね

いまじゃあ立派な?老夫婦さ

孫もいるしね




まあそういう出入りの激しい大団地だから近所づきあいもないわけ

だから

葬儀なんて、まあないわね

10年前にも、3軒先の人が死んだときも、

連絡版で知らせが来て

2000円包んで持ってっただけ

葬儀もしなかったみたい??


というわけで

わたしも死んだら

この町の火葬場で火葬して

お骨をあの実家の菩提寺に

父と母が眠るあのお寺に

もっててって納骨するだけだと思うわけ、

それで全巻のおわりね

まあ

無名の庶民だから

それでいいんじゃない?


ああそれにしても


振り返れば

過去は茫々として

見極めもつかないほど


それほどわたしは生き延びてきたってことかな?

まあ半世紀はとっくに超えて生きてるしね


現在は飄々として、さだめもなし

今は夢のまた夢です


いまなんてさだかでもないしね

宛てになりませんからね


そして

未来は濛々として

暗い荒野の如し


まあこれからどれほど生きられるのか

まったくあてになりませんからね


兎に角は

行かされている限りは

生きるしかありませんよね


与えられた命を

生きるしかないです


命は自分のものではないからです


生きたいといくらあなたが思っても

不意に奪われてしまうのが命です


自分でどうにもなりません、

死にたいと思っても

すごい長生きする人もいます。

このように


生命

人生は

あなたの思い通りにはならないのです

生かされる運命なら生きるでしょうし

死ぬ運命なら

死ぬしかないのです

それが

生命

人生の真相だからです、


だから悩むことなく

焦ることもなく

ただ

命の流れにこの身をまかせるしかないのです、


そうして生きるなら生きるだろうし

死ぬ時が来たら

死ぬだけです。


なぜなら

それが人生だからです


それしか

人生ってないからです、


回れ

回れ

じんせいのかざぐるま


風吹け

風吹け


じんせいのかざぐるま


風がやんだら

さようなら

風がやんだら

お別れよ


でも

もう少しだけ

風よ吹け

回れ

まわれ


かざぐるま


そうさ


どんな有名人でも


どんなに友達がたくさんいようとも


死ぬときは一人ぼっち


だから


もっと

もっと

回れ

かざぐるま


風よ

吹け

吹け

もっと

もっと

回れ


かざぐるま


































































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