ごり押し? いいえ、まず観察です。
どーもみなさん、ロゼです。創とか愁とかのサポートをしています。まず最初に、この部分はメタ的な要素としてご覧ください。そう、いわばこの部分は物語とまったく関係なーい! ただのお遊び、というか、私がこういうことをしたいからだけどね。語り手的な……第四の壁をぶち壊すようなことをね……。
さて、前回の話で創と愁は私の連絡で山を降りはじめましたが、
すでに街で騒ぎを起こしている謎の最強マッチョのマスルくん。なにやら彼の攻撃で七騎士の弓とか銃使いのロアと、スペシャルゲストの魔王クリム様の様子がおかしくなってしまったようで。もしかしてマスルは街で、クリム様と同じように……? それはおいておいて、創と愁が無事なのが不思議だけど、なんでだろうね。耐性でもあるのかな……?
と、超簡潔な前回のあらすじでーした。長文失礼しましたぁ……。
果たして、彼女らはアロディルデの危機を救い、
聖夜を迎え入れることができるのか。
私の料理が冷めないうちに帰ってくることができるのか!!!
それでは、この一連の事件の続きをどうぞ!
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兵士や騎士たちは、マッチョに魅入られていた。
黒光りの肌、汗ばむ黒パン、やけにさわやかな顔。
謎に光り、謎に美しいと思わせるソイツは、とても異質であった。
たとえるならそう、紳士という名の変態である。
「むっふっふっふ……どうかしら、俺の美貌は……!」
アロディルデ王国住宅街にて。
クリスマスの破壊者に住民が狙われることがないよう、
住宅街付近に警備を配置し厳重警戒していたものの、
突如として不審者の通報が入り駆けつけたら変態がいた。
どうやらヤツは自ら光を発し、周りに危害を加えている模様。
「はぁ~! マスル様ぁ! 愛してますぅ~!」
「みよ子ぉぉぉぉぉ! 俺が一生愛してやるからな!」
「はぁ!? みよ子って誰よ!?」
「この石好き……。持って帰っていい……?」
見た限りあの光を直で浴びた者は……好意の感情が爆発するらしい。
自分の好きなものに対して、異常な執着をしてしまうようだ。
うーん、あの不倫疑惑のある彼は後で事情聴取でもしようかな。
「どりゃぁぁぁぁ!!!!」
一人の騎士がマスルに対して剣を振るう。
確かに体に剣が当たった、かのように見えたのだが。
「うん、良い攻撃だわ。だけど避けちゃった……!」
残像のようにすり抜け、騎士はマスルに頭をつかまれてしまう。
そしてつかんだまま自分の股間に擦り付けては適当に放りなげる。
「は、はぁ!!!! ま、マスルさまぁ!!!!」
投げられた彼は洗脳されたかのように、味方を攻撃し始める。
その様子を見て、私はすかさず彼の首元に麻酔銃を打ち込む。
さすが万能チート武器。効果は絶大、彼はすかさずその場で眠り込む。
「ふぉ、フォート様! なぜ故ここにいるのですか!?」
後ろにいた兵士くんが私の出現に驚いている。
「なーに、部屋にこもってばかりじゃぁ健康に悪いからね。
それにあれは、私が本気を出さないといけない相手かもしれないからね。」
「そ、それでそんな重武装を……。」
「君も下がってたほうがいいよ、君も私にぞっこんになってしまうぞぃ?」
「は、はい! では、失礼します!」
そう言って兵士くん(兵士というのが名前)は家の陰に隠れた。
ふふふ、この私の武装はハンドメイド! 神の力も入ったお手製物だ!
白色を基調に水色のラインを入れて近未来風にデザインもしたし、
七騎士の私の力、存分に見せつけることができるぞぉ……!?
「ほーう、あなた、なぜ私の姿を見ても、酔いしれないのです?」
「あいにく私の好きなものは、自分のかっこいいところだからな!」
私はまず、観察分析用小型カメラを周囲にばらまいた。
謎の強敵であるならば、先にその謎を解明しなくてはならない。
謎さえわかれば、強さの秘訣もわかり対処の仕方も計画できるからね。
「ふーん、わたしの姿を記録に収めるつもり?」
……どうやら視力も優れているようだ。
小さな攻撃を当てようと、避けられる可能性がある。
仮に回避をされなくても、もともとの耐性が強い場合もある。
「なら、存分に見なさい。私は、芸術となるから。」
そう言ってヤツはその場でマッスルポーズを決め発光する。
舐めちゃいけない相手だとわかっていても、
なんだろうなぁ、私らのこと異常に舐められているようだ。
この鎧は状態異常EXスキル持ちだからヤツの光は効かないとして、
問題は、どうやってヤツの頬にグーを当てられるかだが……。
「こ、これは……!?」
「なんだかとんでもないことになってますよ!?」
ちょうどいいところに、この世界を救った英雄二人がやってきた。
私では分析しきれないほど、愛を持ったやべー奴らですが。
次回は4/24日22:00投稿です