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SNSで紡ぐカオスノベル / クリスマス・プロテクションスクランブル!!  作者: アイティ
クリスマス・プロテクションスクランブル!!
3/48

お前達のクリスマスって、醜くないか?

……あけましておめでとうございます。

 

 人類は、一日一日を思いながら生きていました。

喜ばしい思い出や、頭に血が上るような怒りの思い出、

胸がキュッと締まる哀しい思い出、おかしくて楽しい思い出。

感情豊かに一日を刻んで、刻み続けて、

知識を得ながら前に進んで、事ある毎に悩み、

気づけば同じような日々が続いて、毎日がツマラナクなる。


『何か面白いものはあるだろうか?』


そうやって自然に目に付いた物に執着し、

自分の思い通りになるよう、自分色に染め始めます。

執着した理由は人それぞれで、色彩豊か。

己の正義や思念を胸に、彼らは今日も染め続ける。


……こうして、人類が刻む一日ができあがるのです。

そうして、歴史がこれまで続いてきたのです。

誰か一人が動くだけで、世界は大きく動くのです。


========================



さて。カイング繁華街です。

クリスマスを破壊するという犯行予告ですので、この辺りで一番クリスマスの装飾が施されているかつ、誰の目にも付きやすい繁華街に来ています。スペルさんと愉快な仲間(騎士)達と共に。


そして、目の前に私の大好きな創さんと、

明らかな不審者5人組が繁華街の真ん中に立っていました。


「お待たせしましたね! 斉藤 創、ここに現界ですっ!!」


「……創さん、今日も可愛いです。」


「戦闘中に【推しが可愛すぎて死にそうです。どうしたらいいんですかあ?】なんて言わないでね愁さん。見る限り、なかなかコミカルな物になりそうだからね。」


私の側に近づきながらそう言う、猫耳モフモフ服のスペルさん。

推しが可愛すぎる……というのも、コミカルな物になりそうなのも事実のようです。目の前に居る5人組は、いかにも変な行動をしかねない印象がありますからね。

そう思いながら彼らを観察していると、

ボロボロのサラリーマンが前に出て言葉を喋り始めた。


「おやおや、やはり私の計算通り防衛隊がきましたよ?」


次に、トナカイ服のロボットがノイズ混じりに声を出す。


「なに、これぐらいの事は想定内だ。

 想定外なのは、良い燃料が周りに揃っていることだがな。」


「え? また燃料にしちゃうの?

 普通に食べるほうがいいとおもうんだけどなぁ……」


角を生やしたピンク髪の彼女が、残念そうにそう言う。

……明らかに人を殺しかねない包丁を片手に持ってますね。


「そうだぞ。口に入れて食べた方がよっぽど力になる!

 そう! 俺の筋肉がその証拠! 見たまえこの肉肉しい___」


「黙りたまえ、君の暑苦しい圧は耐えることが出来ない。」


パンツ一丁のゴリマッチョは、

ロボットに自分の筋肉をグリグリと押しつけている……。

もう、見るからにおかしな人達なんですよね。

創さんも苦い顔してリアクションに戸惑っています。

まさかとは思いますが、この人達がクリスマスを破壊するのですか?


「……愁さん、油断は禁物ですよ。

 まだ真ん中の人が何も喋っていませんからね。」


スペルさんの言う真ん中の人物を見るに、いかにもリーダー核のような存在感があります。

『クリスマスの主役は私です』と言わんとばかりサンタクロースの服装を着て、渋くかっこよさそうな顔して私達を見つめてくる謎の男。


「え、えっとぅ、あなた達は、ど、どう、何者で、す……?」


創さんは片言になりながら、5人組に呼びかける。

すると、見つめていたリーダー核の存在が口を開く。


「何者か? なら聞かせてあげよう。」


そういって彼が指パッチンをすると、

5人はボウリングのピンのように並び立ち、なにか言い始めた。


「ハイパーマッチョ! 俺の筋肉にお前が泣いたっ!

 白銀ナイト降り立つ男! 性癖デストロイ! 『マスル』!」


「現実主義者。頭脳というのが全てなのです。

 あなたの理想をぶち壊す。幻想デストロイ、『小倉』。」


「イェェェーーイ!! とにかく楽しむばってん!

 楽しそうだから急遽参戦! デストロイ魔王! 『クリム』!」


「遙かなる未来、この時代の食料は全てエネルギーになるのだ。

 そんなわけでエネルギーにさせてもらおう、この世界の諸君。

 エゴデストロイ。製造名は省略。通り名は『オオクラ』である。」


「全ての幸せを根絶やしにする。

 リア充デストロイ。『クリス・マスオ』」


「「「「「5人揃って! Xデストロイヤー!!」」」」」


……帰っていいですかね?

戦隊ヒーローみたいな口上をして、決めポーズをする彼ら。

いろいろと言いたいことはありますが、まず私は頭を抱えました。

こんなのが、クリスマスという物を破壊しようとするんですか……?


「……あのぅ、なんでもいいんですけど、

 なんでクリスマスを破壊しようと、するんですか……?」


創さんは混乱しながら彼らに話しかける。

すると、リーダーらしき『クリス』さんが話し始める。


「それは、異世界にクリスマスなど必要ない物だからだ。なぜ異世界に来てまでも、クリスマスを浸透させる? クリスマスは元より別の国の文化。私達がいた世界の日本では、同じ地球、同じ世界であるからこそ存在していた物であるが、この世界のクリスマス文化は、ただのパクりではないか。だからこそ我らは破壊する。クリスマスという物に囚われた世界を。」


「……えーっと、つまり……しゅ、愁ちゃん!? どういう事です!?」


「別の世界までクリスマスを引っ張るなってことです。

 それと創さん、いろんな意味で気をつけてくださいね!」


創さんにそう呼びかけた瞬間、クリスが言葉を出す。


「さて、口上は終わった。皆の者、各地で作戦を開始だ。」


そしてクリムさん以外、瞬間移動をしたかのように消えました!?

いや、瞬間移動をしたのでしょうけれど、どこに行ったんですか!?


「分散したか!」


スペルさんはすぐにトランシーバーで連絡を取り始めました。


「あのっ! クリム……さん!?

 作戦って、なにするつもりなんですか!?」


「ふっふっふっ。教えなーい。でも、

 【魔王クリム最高】と言ってくれたら……? なのかな?」


……なんでしょう、あのキュート力&狂気は。

包丁を持ちながら、可愛らしく振る舞っています……。

創さん、いいですか。見ず知らずの人にそんな簡単に__


「わぁー魔王クリム最高ぉー! ン我がマオウッ!」


創さんッ! 無理にポーズまで決めて言わなくていいですから!


「ありがとう! それじゃぁ貴方は私の手下だけんね!」


「て、手下?」


「手下には計画を教えてあげましょう! あの人達は、この世界の中心であるこの国の基盤を壊すつもりだそうで。じゃけんしたらクリスマスが存在するこの世界が、消えるらしいんだよね。」


「……! この世界が……!?」


その話を遠くから聞いていた私は、創さんに近づき会話に参加する。


「クリムさん、どうして教えてくれるんですか?」


「いやぁ、クリスマスは楽しいからね。

 破壊するなんてとんでもないですから。」


「つまり、あの人達と破壊するつもりはないと?」


「もちろん。手下を探して外を出ていたら、楽しそうな事をやろうとしていたから、参加してみただけですね。」


「そんなボランティアみたいに参加をしたんですか……?」


「というより、枠が空いていたから……かな?」


枠? さっきの茶番を考えるに、5人が上限と?あのリーダーの方が、『クリスマス破壊しませんか?』って募集していたということですか!?


「というわけで、

 私はクリスマスを破壊するつもりはありませんッ!!

 それどころか、そうはさせないと協力したいぐらいです!」


そう言ってクリムさんは、

包丁をキラつかせながら決めポーズをしていました。


「……ど、どうします愁ちゃん?」


「……大丈夫でしょう。なんか、安心します。」


「なんか安心します!? ほ、包丁持ってますよ!?」


「私を信じてください。もし何かあれば、切腹でもします。」


「いや切腹されたら困るんですけど___」


なんて会話をしていると、スペルさんが近づいてくる。


「創! 愁! 分散した奴らを発見した!

 七騎士も各地に移動しているから、応援に行ってくれ!」


「「了解です!」」


「私も行きますよ!」


……と、こんな感じでクリスマスを守る戦いが始まりました。

基盤とかなんなのかは分かりませんが、なんであれ、

創さんとのクリスマスは、壊させませんよ……?



次回投稿予定は未定! 執筆完了次第投稿します。

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