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2話 星《ポイント》を与えることしか出来ない令嬢は空気が読めてない

空野奏多様の企画『ブルジョワポイント評価企画』に参加したいが為に作り出した作品です。


1000字×20話程度予定なので、設定もりもりにして楽しく書きたいと思います。

言霊スペルスピリ

それは、精霊の幼体と言える。

魔導書に物語を書き込むと、それを餌にスペルスピリは成長する。

この精霊が持つのは、知的好奇心である。

そして、それが愛に溢れれば愛に、勇気に溢れれば勇気に。

技術が素晴らしければ繊細に、理路整然としていれば論理的に成長していく。

そして、彼らは、人々の生活を手伝う実に身近な精霊である。

名刻(ブックマーク)】を行い、それによって魔導書に刻まれた魔法陣から彼らは現れる。

戦場では【格闘(アクション)】や【魔法(ファンタジー)】の属性を持つ言霊(スペルスピリ)を呼び出し、その魂を読み込めば、勇気や戦闘技術、魔力が溢れてくるだろう。

普段の生活では【恋愛(ラブロマンス)】の属性を持つ言霊スペルスピリを呼び出し読み込めば、日々を乗り越えるエネルギーがもらえるかもしれない。

言霊スペルスピリは人々にとってなくてはならない存在である。


そして、優れた言霊スペルスピリを生み出す才を持つ者は、【光を紡ぐ者(ライタ)】と呼ばれ、更にその【光を紡ぐ者(ライタ)】の中でも優れた者は国や商会に雇われ、一代で財を成すことも出来るのである。


一方、【光を紡ぐ者(ライタ)】としての才を持たない者は【闇から見る者(リイダ)】と呼ばれ、言霊スペルスピリの恩恵に預かりながらも、自らは光を作り出せない悲しき存在であった。

また、言霊スペルスピリの世界にも、ライタから見放されて、或いは、別れざるを得なくなって、この世界を漂い続けるものもいる。彼らのことを野良言霊エタルスピリと呼ぶ。


言霊(スペルスピリ)

(☆5 言霊、スペルスピリのまとめとしては非常に情報量が多い。また、言霊の活用法や社会での在り方を説いており是非みんなによんでもらいたい)




ヨミは、窓の外をふわふわ浮いている野良言霊エタルスピリを眺めていた。

今、正に、婚約破棄を宣言された令嬢ではあるのだが、彼女はつとめて冷静だった。


「おい! 聞いているのか! ヨミ!」


それとは真逆に、烈火のごとく怒り狂っているのが、この国の第一王子グラトであった。


「聞いております。それでは、何故私が婚約破棄されなければならないのでしょうか?」

「ぐ……やはり、聞いていなかったんじゃないか……! もういい、面倒だ! 言霊スペルスピリ!」


グラトは、己の魔導書から紅茶色の言霊スペルスピリをよんだ。

この色は【記憶(ダイアリー)】の言霊スペルスピリである。


「読んでみろ! それで伝わるはずだ!」


言われるよりも早く、ヨミは垂れてくる濡羽色の黒髪を掻き上げ、言霊スペルスピリを見た。ヨミの目がせわしなく動き、言霊スペルスピリを読み上げていく。


『もう我慢ならん! あの女は、この国にとって足手まといでしかないだろう! 言霊なぞ一つ一つ丁寧に読む必要はない、ざっと読んでなんとなく理解できればあとは利用すればいいだけだ! それを、一個一個に対し、(ポイント)まで贈る始末。いくつ星を贈るのかを悩んでさえいる。実に無駄な時間だ! 何が【あなたに最もふさわしい人を教えてくれる世界最高の恋愛の言霊スペルスピリ】だ! 父上に倣って行ってみたが、とんだ駄作だったようだ! そもそもアイツは言霊を生み出せない。光を紡ぐ者(ライタ)でないのだ。そんな、ただ星を贈ることしか出来ない女がこの国の女王になれるはずがあるか!』


グラトの記憶の言霊に触れ、ヨミは大きく息を吐く。


「なるほど」

「ヨミよ、わかったか!?」

「ええ、そうですね。☆2つです。文章としては非常に稚拙ではありましたが、ライタのクズな人間性が前面に出ていてある意味見ていて気持ちよかったです」

「ちがう、そうじゃない!」

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― 新着の感想 ―
[一言] エタルスピリに噴きましたwww
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