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3/6

連行

「この国は貴方のような30代童貞 "LOST DREAMER "を必要としている・・・!!!」



深夜のアパートに響く狐面の男の声。少子高齢化社会を嘆くこの日本という国家が俺のような30代童貞を必要としている?

全く意味が分からねぇ。そもそも深夜に俺のアパートに狐面の男が存在していること自体が今の心情の最大の原因か・・・?こういう状況は何というんだっけ・・・困惑?狼狽?はたまた夢?

状況が読み込めない俺に狐面の男は再び語り始めた。



「そういえば自己紹介が遅れていたね。ひとまず 柳 と名乗らせてほしい。」



ここにきての自己紹介。内閣総理大臣や警視庁総監の名前を出す前にテメェの名前から出せや と内心突っ込みを入れたが、それでもまだ不明確な部分が多すぎる。そういえば警視庁に連行するって言ってたっけ?



「で、その柳さんが俺のような30代童貞を警視庁に連行してなにをするつもりだ?国が俺みたいな30代童貞を必要としている?人体実験でもするのか?」


「話をすれば非常に長くなるんだが・・・。ひとまず私は警視庁から貴様を連行するように依頼されていてね。まったく宮内庁の人間にこんなことやらすってのも困るんだけどね・・・」



・・・? 今"宮内庁"と言ったよな? さっきからこの男が語る世界の規模が大きすぎる。内閣総理大臣、警視庁総監、国家、そして宮内庁・・・?

こいつは統合失調症か?妄想癖の可能性も出てきた。ならばこんな話に付き合っている必要もない。なんなら俺は明日も昼からバイトだ。早く風呂に入らせろ。そして寝させろ。深夜作業明けの俺には休息が必要だ。



「テメェの御伽噺を聞くのはもううんざりだ。俺は明日もシフトが入ってんだ。さっさとそこをどきやg・・・⁉︎」



 言葉を発している間に狐面の男が取り出したのは "銃" 

 一瞬エアガンを疑ったが、こいつは間違いなく銃だと察知した。拳銃サイズだが間違いなく本物だ。言葉では説明しにくいが・・・見た目?重量感?確信はないものの間違いなく本物の銃を俺に向けている。少なくとも俺が餓鬼の頃にぶっ放してたおもちゃのエアガンとは確実に違う。こいつにBB弾は絶対に張り合わねぇ。マジもんの銃じゃねぇか・・・?



 「説明している暇はない。これは警視庁からの依頼でもあり、内閣総理大臣からの要請。そして "帝"からの勅命である。安心してほしいのは貴様のバイト先の上司にはしっかりと話をつけてある。収入も保証する。今から真田裕 貴様を帝の勅命により警視庁に連行する。淫魔(サキュバス)と戦うために。」



 深夜のアパートに鳴り響く銃声。狐面の男・柳の手によって放たれる弾丸が俺の胸に完璧に命中する。



 (この感触・・・こいつは実弾じゃねぇ。注射針の感覚に近い? 催眠弾・・・いや麻酔銃・・・?麻酔銃なら俺の命はセーフなのか・・・?しっかし拳銃から麻酔弾が出てくるものなのか・・・?)



 そういう勝手な推測をしているうちに遠くなる意識・・・死なないことを祈r・・・






 「君が真田くんだね?おはよう。そしてようこそ警視庁へ。すべてのピースが揃ったよ。気の狂った蜂のようにブンブンと飛びまわるその勇敢さ。機知に富み、深遠であると同時に軽薄。我々のプロジェクトにはどうしても君が必要だった。君のような 30代童貞(ロスト・ドリーマー) がね。」

 






淫乱を極めるサキュバスに30代童貞が立ち向かう話が書きたかった

感想とか書いてくれるととても嬉しい...!

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