第2話 電車内で遭遇した九尾の狐少女達その4{陽太は見た}
マイホームを買って幸せ万丈の陽太。陽太は家を買ったことで出世していくが家を手放した前家の持ち主は不幸続きだったようで。前家の持ち主は誰だったのか。
中古の一途建ての家を買って1週間ようやく荷物が片付き落ちついた。
夢子とメイサとマドカには部屋を一つずつ与えた。
そして収納付きベッド・収納ボックス・キッチン用品・IHクッキングヒーター・ソファー・テレビ・冷蔵庫・洗濯機・温熱温水便座は買う必要なかった。
不動産屋が大サービスとばかりに全てプレゼントしてくれたのだ。総額150万円相当。
これならいつでもロリコを迎え入れることができる。
夢子「机は作り付けだから便利ね。」僕「そうだね。」
マドカ「ベッドは気持ちいね。こんなに快適でいいのかな。」
メイサ「お父さん、この家に越してから便利になったことない。」
僕「無茶苦茶便利になったよ。会社も近いし。」本当に便利すぎる家だ。
前の主は何でこんなに快適な家を手放したのか。
地元の人の話では僕が越してきた家は心霊現象らしいことがあった為前家の持ち主は逃げるようにどこかへ越していったという。僕「この家幽霊が出るようには見えないけどさ。」
夢子「あ、分かった。この土地の神様を霊に見間違えたんじゃない。」僕「そうかな。」
メイサ「前の家の持ち主は目に見えてるのが神様だと気づかずに引っ越ししていったというわけなの。」
マドカ「あそこにいるのがその神様じゃない。」神様「おう、気づいたか。」
僕「あのうもしかして。」神様「わしはこの土地の神じゃ。」
僕「初めまして戸坂陽太です。」
神様「この辺ではあまり聞かない名前じゃな。3年前になるかな以前住んでた住民がわしを見た途端一目散に逃げるようにどこかへ引越ししてしまった。あの時は本当にショックだったよな。」
夢子「以前の住民はどんな感じの人でしたか。」
神様「そうじゃな、わしら神を信じなさそうだったな。」
メイサ「以前の住民は何と罰当たりなんだろう。」僕もそう思った。
以前の住民いや家の持ち主は当然のことながら不幸が立て続けに起きて終には破産してしまったらしい。
僕は以前の家の持ち主のようにならないように神棚に榊・米・お塩・お酒・お菓子をお供えしたり毎日出勤前にも拝んだ。そのかいもあり徐々に出世した僕はうなぎのぼりに。
ロリコ「課長、今日はどこかへ行きませんか。」僕「明日仕事休みだから行くか。」
ロリコ「あの3人も連れて行きましょうよ。」僕「そうだな。」時には外食もいいだろう。
家へ帰ると僕はお風呂へ入った後3人娘たちと同時に寝た。
僕はふっと思い出した15年前の記憶を。
15年前の夏僕は登山をするため登山道を目指して車を走らせた。
車を駐車場に止めていざ出発をしようと思ったら登山道の横で酷いけがをした狐が子狐を3匹連れてさまよってた。僕「なんだこの狐怪我してるじゃないか。」
この日天気が急に変わって今にも雨が降りそうになったので怪我した母狐と3匹の子狐をアパートまで連れて帰り保護した。僕「もう大丈夫だからな。」
僕は母狐と子狐の世話をしてた。僕は獣医さんにけがをして母狐を見せたところ。
獣医「これは酷い怪我だ。」といって処置してくれた。
治療費にお金がかかったが何より狐たちが元気になって野生へ帰ればそれでよかった。
1ヵ月後母狐のけがは治り山へ帰す日が来た僕は登山道がある場所から300m離れた場所で元気になった狐たちを山へ帰した。2回目の登山の時登山から帰ろうとしたら1匹の狐が登山道の横で横たわったまま動かない状態で見つかった。僕は横たわった状態で見つかった狐を急いで車で動物病院へ。
獣医は助からないかもしれないと言ってたが何とか一命をとりとめた。
僕は元気になるまで狐の世話をした。狐が元気になると僕は山へ帰してあげた。
半年後事件が起きた。何と自治体が狐による農作物への被害を懸念して狐たちを駆除し始めたのだ。
僕はいてもたってもいられなくなり会社を休んででもあの時に出会った狐だけは保護したかった。
しかし、僕が現場に行った時は既に駆除されていて駆除に積極的にかかわったのが殺されたあのサラリーマンのおじさんだった。殺されたほかの6人も狐の駆除に参戦してたのだ。
それを考えると3年前に起きた殺人事件はひょっとしたら狐の祟りなのかもしれない。
ここで謎なのが夢子とメイサとマドカとロリコだ。
もしこの4人が殺された狐の生まれ変わりだとすれば。
ある意味4人はあの時の仕返しをしたのではと僕は思った。
このことは4人には伏せておこうと思った僕は15年前のことは一切話さないことにした。
夢子「お父さん、15年前あの山で狐がいっぱい殺されたと近所のおじさんから聞いたけど本当。」
僕「わ、いつの間に。事実だよ。」メイサ「お父さんは15年前怪我した狐を保護したみたいね。」
マドカ「その狐たちは実はここにいるんだよ。あの時お父さんが何もしてくれなかったら、私達助からなかったかもね。あの時はありがとう。」
そう、彼女たちは15年前に僕が助けた狐たちだったのだ。
神様「君たちはもう人間のままでいいじゃろ。」
仕事休みの日僕は15年ぶりに登山へ。もちろん夢子とメイサとマドカも連れて行った。
駐車場で車を止めて出発したその時。7匹の狐が僕らの方をずっと見つめてた。
マドカ「あの狐たちさっきから私たちの方をじっと見つめてるんだけど。」
メイサ「本当だ。7匹の狐がこっちを見てる。」
夢子「貴方たちは人間だった時に罪のない狐たちを殺したんだから自業自得よ。私達に代わって山へ帰りなさい。」夢子の言葉が分かったのか7匹の狐は山へ帰った。
僕たちが見た狐は殺されさサラリーマンのおじさんとカップルを含む7人の生まれ変わりかもしれない。
登山の時に出会った7匹の狐は間違いなく殺された7人に違いない。




