その後の話
・【聖竜領】
イグリア帝国が形を変えても、自治体として継続している。
初代領主の望み通り、自然豊かな田舎である。隣にクアリアという大都市があるため、避暑地や観光で訪れる人も多い。
名物は特殊なハーブに薬草、乳製品、エルフの携行食に細工物。また、魔剣や魔法が途切れない冷蔵・冷凍の保管庫など、強力な魔法具が存在する。
ゴーレム魔法、混沌浄化の研究所があることでも有名。飛行魔法が開発されるまで、竜の力を借りて輸送を行っていた時代もあった。
歴史的に非常に重要な地である。
・クレスト皇帝
イグリア帝国史上、最長の治世の後、退位。直後に行方をくらます。
なお、退位してからしばらくすると世界各地で似たような人物が目撃されるようになったという。常に二人連れで行動する姿は数百年に渡って確認されている。
・第二副帝クロード
二人の妻と孫に恵まれ、穏やかに過ごした。
老年になるまで好奇心は収まらず、一時期聖竜領に移住したという。
・ヴァレリー(第二副帝の妻)
帝国五剣の一人として、夫を長く支える。
第二副帝が無事だったのは、影で彼女が色々と動いたからだと言われる。
一時期聖竜領で暮らした際は、魔物の狩りすぎで領主に怒られた。
・第一副帝ノーマ
なんだかんだでリリアと上手くいって幸せだったという。ただ、すぐにどこかに行ってしまうのが悩みの種だったとか。
・イーリス(牛飼い)
一族の者たちと共に聖竜領南部で酪農を定着させる。
今でも彼女の子孫が作り出すバターやチーズは名物である。新鮮な牛乳が提供されるのも、聖竜領の酒場における魅力の一つ。
・モート(帝国五剣の一人)
何とかマイアと結婚にこぎつける。割と振り回されることになったらしい。
・ドーレス(ドワーフ商人)
ダン商会の支店を各地に出店。商会の顔として活躍。
最終的に商会長として商売を大いに盛り上げる。
帝都に支店を出した後、引退。楽しく行商生活を送ってから、隠居した。
・ダン夫妻(商人)
ダン商会の規模拡大後、聖竜領での酒場経営に専念するため、ドーレスに会長職を譲る。どうも、村の酒場兼雑貨屋が性に合ったらしい。
念願の子宝に恵まれ、今も子孫が酒場を経営している。
・ルゼカラム(医師兼エルフの族長)
聖竜領内で必死に医学を伝えた後、自由の身に。水竜の眷属などの協力も得て、各地を回る旅に出る。一時期、アレクと共に行動したこともあった。
聖竜領内の薬草についてまとめた冊子があり、現在も教科書代わりになっている。
・スルホ(クアリア領主)
クアリア領主として後の世に名を残す。
聖竜領と協力し、新技術を多く採用した開明的な人物として名高い。
妻と子をとても大切にしたことでも有名で、そのために無茶をしたエピソードも数多い。
・シュルビア(スルホの妻)
無事に第一子を出産。産後、しばらく体調を崩したがその年のうちにクアリアに戻る。
社交の場などで夫よりも強く出る場面もあり、後年は病弱だった時代の印象を覆す話が多い。ちなみに子供は女の子。
・ヘレウス(魔法伯)
六十歳を過ぎるまで魔法伯であった。引退後、聖竜領で隠居暮らしをしようとするも、娘に反対され、別荘を作るに留まった。割と頻繁に行き来していたらしい。
・リリア(建築家)
建築家として三十年かけて聖竜領南部の別荘地を完成させる。その間、第一副帝ノーマの所に長期滞在し、一子を設けたりと自由に過ごしていた。
・ヘリナ(画家)
スランプを克服、画家として有名になる。評価がイマイチだった時期の作品として、聖竜領の風景画が沢山残っている。
・エルミア(鍛冶師)
鍛冶師として大きく名を上げるが、聖竜領の工房を動かすことはなかった。
何度かドワーフ王国に向かって魔剣を作った記録が残っている。
聖竜領には彼女の打った魔剣が多数保管されている。
・ゼッテル&ビリエル(元護衛にして大工)
護衛としてやってきた二人だが、立派に大工として独立。
それぞれエルフ村とクアリアに店を構え、幸せに暮らした。
・マイア(護衛剣士)
祖父の引退と共に、帝国五剣に。しばらくはサンドラの護衛をしていたが、色々あって帝都で結婚をした。その後、子育てが終わると各地を旅して、最後は聖竜領で暮らしたという。
・ユーグ(魔法師)
聖竜領の研究所で長く務める。いくつかの新発見をし、地域の薬草類の栽培に多大な貢献をする。料理の得意な人と結婚し、ロイ宅の近所に家を建てた。
・マノン(出張所所長)
聖竜領出張所で所長職を長く務める。その間にクアリアのとある貴族と婚姻を結び、円満に引退……したかと思ったらサンドラの陰謀で強制的に復帰させられ忙しく過ごす。
出張所の仕事は人員増で少しは楽になったらしい。実質的に、聖竜領の副領主的なポジションであったとされ、現在でも出張所の所長はそのように扱われる。
皇帝に面会するたびに失神した逸話が有名。
・マルティナ(戦闘メイド)
マノンに仕える戦闘メイドとして長く暮らす。メイド学校に赴任してきた若い男性教師と恋仲になり結婚。引退する。マノンの元には別の戦闘メイドを派遣するよう尽力したという。
・ロイ(魔法師)
聖竜領で暮らしながら工房を開設。弟子を取り、ゴーレム魔術関連で後の世にロイ派閥とも言えるものを図らずも形成してしまう。
聖竜領の賢者と共に混沌に関する研究でも実績がある。
・アリア(庭師)
五人の子供に恵まれる。子育てをしながら、庭師としての力を発揮。
今でも聖竜領には魔法師と庭師の家が立ち並ぶ区域が存在する。
・スティーナ(大工)
聖竜領内各地に多くの建築を残した女性大工として有名。今でもその技術は受け継がれている。年齢と共に酒量が減り、少し落ち着いたようだ。
本人曰く、一番楽しかったのは港を作ったこと。
・トゥルーズ(料理人)
聖竜領、クアリア地域の郷土料理を生み出す上で非常に大きな役割を果たす。
クレスト皇帝をも満足させた「旅人のパイ」は今では名物として名高い。
尚、思いつきで雑に作った料理であるため、本人は不満だったらしい。
魔法師と結婚し、子供が出来たとか。
・アレク(邪竜→夜の竜)
聖竜領を拠点に世界各地の混沌を浄化して回った。
年に一度、収穫祭の前後には必ず戻ってきたそうな。
混沌の浄化は眠りにつきがちな他の六大竜を目覚めさせる目的もあり、浄化の魔法具誕生後、時間をかけて達成できたという。
ある年を境に、二人組で活動するようになった。
世界中で人助けをした逸話が残っている。
邪竜から「夜の竜」と名乗るようになったが、あまり定着しないことを悩んでいたという。
・リーラ(戦闘メイド)
最後まで敬愛するサンドラと共にあった。
・サンドラ(領主)
聖竜領の初代領主として有名。仕事の効率化について、多くの著作を記した。尚、スタッフが揃うまで忙しい状態が続いたという。
晩年について、謎が多い。結婚して子供ができたとも、聖竜の森へ消えたとも言われる。
・アイノ(アルマスの妹)
聖竜領でメイド学校開校後、入学。無事に卒業する。
戦闘メイドの資格をとり、イグリア帝国内各地で活躍。最終的に兄の所に帰ってきた。
主に兄の存在のため大変な苦労をした上で結婚をし、家族に囲まれて幸せに過ごす。
現在もクアリア地方を中心に、彼女の子孫がいる。
尚、没年については不明な点が多い。
・アルマス(聖竜の眷属)
聖竜領の賢者として、長く地域に貢献する。
混沌の観測と、浄化の魔法具を開発したことでも有名。
かなり長い期間、彼の姿を見ることが出来たが、いつしか姿を消した。
しかし、今でも聖竜領にある聖竜像は健在であり、彼の残した多くの魔法具は力を放っている。
異常事態が起きた時、姿を現して力を貸してくれたという話が、百年に一度くらいの頻度で聞かれるという。
・聖竜
今でも聖竜の森には、不思議で暖かな力が満ちている。
最後に宣伝で恐縮ですが、
本日より『エンジョイ勢が運営に一泡吹かせるようです』というタイトルの作品を投稿しています。
ちょっと変な人が沢山出てくる明るいVRMMOものですので、気軽に読んでいただけるかと思います。
下の方にリンクを貼ってありますので、良ければお読みください。
本日はヒロインらしきものが登場する7話目まで投稿する予定です。
改めまして、お読み頂きありがとうございました!








