第82話 38階層の守護者、スノ。
悪逆非道のダンジョンあるあるその22
100体のネームドモンスターがいれば100体は反抗的。
いくら性格を思案して生成しようとも必ずそういったネームドモンスターが生成されてしまうこと。登用しても無駄であること。
38階層。
干支階層の中で最も西に位置するそこは、酉、スノが守護者を務める、歓待と哀悼の旅館。
侵入者に課される試練は、歓待をはねのけ、哀悼をはねのけ、自らの手で破壊すること。
階層の主体は旅館。
半径1kmはある、5階建ての大きな旅館。
日が沈み、暗闇に染まった今の時間帯ならば、きっと、階層の端からでも、よく見えることだろう。
花を咲かせる木々と、石灯篭が交互に置かれた真直ぐの道の向こうに、提燈や行灯に照らされる、美しい旅館が。
38階層は、そのほとんどが庭である。
魔物は池を彩る鯉や歌をさえずる小鳥くらいしかおらず、もちろん襲ってくるわけもない。ただひたすらにのどかで、美しい庭。
風が吹けば仄かに花の香りがし、道を歩けば、一歩ずつ心はほぐれていく。
侵入者達の荒んだ心も、その美しさに酔いしれるに違いない。
けれども、ここはダンジョンである。
人を誘い込み、命を養分に咲き誇るダンジョンである。
ただ美しいだけの景観であるはずがない。
美しい薔薇にはトゲがあるように、美しいダンジョンには、美しければ美しいほどん、そこには地獄が待っているのだ。
だから38階層を覗き見たなら、誰しもがこんな言葉を思い浮かべるだろう。伏魔殿、と。あまりにも美しい光景は、反対にあまりにもおどろおどろしい恐怖をかきたてる。
だが、それはきっと、実際に入った者に聞けば、別の解答が返ってくることだろう。
1時間ほど前から、その道を通って、旅館の入口から、500名が旅館に侵入している。
中では、悲鳴が響き渡っていた。
しかし、その悲鳴は、悲しみゆえの悲鳴ではない。いわゆる、嬉しい悲鳴だった。
「隊長っ、今そっちにっ」
「分かっている」
旅館の、広間で、そんな声が響いた。
声の主は、若い男と、隊長と呼ばれた壮年の男。
その2人は、間を少し開け、並んで座っており、6人ほどの同じような格好をした騎士もまた、おなじ方向を向いて、並んで座っていた。この8人はチームとして、動き、そして今――。
「今、そっちに、女の子がいまし――、あ、き、来ました。こっちに……、そんな、ひ、膝の上にっ?」
「分かっている。静かに飲め。おっと、すまんすまん、そうむくれるな、こんなところに来て男と話すのは野暮だな」
――もてなされていた。
目の前には、見たこともないような御馳走が並べられていて、両側には、美しい女性が侍り、酌をする。
初心な若い男には、扇情的でまともに見られないような格好をした女2人が、壮年の隊長には、身持ち固そうな艶やかな年増の女と、まだ色を知らぬようなおぼこの娘が。
女に体を触られ、息を吹きかけられ、逆に体を触り、貪り付くように味わい。さらには、目の前の料理と、自分達の席の前で繰り広げられる、美しい踊りを楽しむ。
8人の男達は、今まで味わったことのないような、幸せを存分に送り込まれていた。
「楽しそうで何よりです」
その様子を見て、満足そうに頷くのは、他の女に比べ随分見劣りする地味な格好をした、38階層守護者のスノ。
その言葉には誰も応えない。みながみな、目の前の美女や美食、宴に夢中だ。
スノには、固有能力、理想の桃源郷、がある。
対象にとって最も良い環境を作りだし、領域内の者の耐性を減少させる力は、人を容易に、自らの欲望へと陥れる。
「それでは、ごゆっくり」
スノは、楽しそうに笑い、障子をスーッと閉め、部屋から出て行った。
階層守護者が目の前にいると言うのに、追いかけるものは誰もいない。
もちろん見えていないわけではない。
スノをボスだと認識し、それでも追わなかった。女といることを、戦うことよりも優先し、ボスを追わずに女の尻を追いかけている。
ただ、彼等の名誉のために言っておくが、彼等とて、ボスを倒さなければいけないのなら、女の方をチラリと一瞥もせずに戦っただろう。
男ではなく、戦士の顔、騎士の顔をして、勇ましく勇敢に。
だから、彼等が追いかけなかったのには、理由がある。
戦わなくても良い理由が。
スノの首には、階層守護者が常に身につけているはずの、鍵がなかった。台座からキーアイテムを取り出すために必要な、あの鍵だ。
あれは、階層守護者が守るべき最重要アイテムであり、体から離すなど、倒れた時以外はないはず。
にも関わらず、スノは鍵を持っていない。
果たして、鍵は、今どこに。
答えは、彼等の、隊長の手の中。
旅館に入った瞬間、侵入者には、いの一番に鍵が与えられた。無造作とも言えるほどに、ただただ入口にかけられていたのだ。
さらには、その場にいたスノからの説明で、台座の場所も知る。
旅館入口にあるつづら折りのような階段を、いくつか上がって行った最上階にある、と。守る者は誰もいないので、いつでも行って良い。そんなことまで。
呆気に取られる侵入者達。
スノは説明を続ける。しかし今すぐに台座に行っても、現在は鍵を使えず攻略できない。仕様として、あと数時間待たなければいけないようになっている。疑うのなら、台座まで行ってみても構わないし、そこで、数時間待機しても良い。
そう言われ、隊長を含む8人と数十名の者達が、階段を登っていく。
スノの説明はまだ続く。
でも、それ以外の人は数時間お暇でしょうから、その数時間、もてなされてはくれないか? と。
当然警戒して断る侵入者だが、既に鍵も台座も得た。攻略のために動きだそうにも、これ以上何をすれば良いのか分からない。
伏魔殿と思いやって来たのに、これほどまで拍子抜けしてしまえば、思考は若干鈍る。そこへたくさんの美女がやってきて、好みだなんだと抱き付いてきて、自分達の手を引いて行ってしまっては、致し方ない。侵入者は流れには逆らえなかった。
侵入者達が高Lvで、経験も多数積んできたことも、原因の一つかもしれない。
害意や敵意がひと滲みでもあれば、敏感に感づけるようになっていたからこそ、純粋に楽しませようとする意思しかない者達に、緩んでしまったのだ。
鍵は最も強い隊長が持つし、これで安心だ、と、大勢は宴を楽しむ。
当初は頑なに拒んだ者もそれなりにいたが、しかし、宴会場から漏れてくる楽しそうな笑い声や、女の艶やかな甘美の声、それから同僚の煽り文句に、1人また1人と釣られてしまう。
そうしてついには、台座の傍で待機していた隊長達も、いつしか宴を楽しむようになった。障害は何もないのだから、問題ない、そう思って。
努力して、努力して、努力し続けた彼等には、その努力ができるくらいに、強い欲望があった。
出世であったり、金であったり。
名声であったり、栄誉であったり、はたまた食であったり、色であったり。
ここでは、それが叶う。
努力してきた強い者ほど、ここでは溺れていく。
鍵を使えるだけの時間が過ぎても、侵入者達はその場から動かず楽しみ続け、そうしていつしか本当に動けなくなった。
ここは、ダンジョン。
美しさの裏には地獄があり、伏魔殿という言葉が、この世でも最も似合う場所なのだから。
けれども、中には、欲望に囚われず、38階層を攻略しようと動く者もいた。
どれほど歓待しても溺れることなく、むしろ一粒の幸せすらも感じていない。そんな者らが。
彼等は、出世などどうでも良い、金もどうでも良い。名声も栄誉も、食も色も、何もかもいらない。そんなものでは、自分は幸せになることはできない、いや、自分は未来永劫幸せになどなれない、と断言する。
ああ、まさにその通りだ。
彼等は幸せに価値を感じない。
彼等は、誰のために出世するのか。
誰のために金を稼ぐのか。
誰のために名声を、栄誉を手に入れるのか。
誰と食べたいのか、誰と色を知りたいのか。
彼等はその相手を、永遠に失ってしまった者達だった。
魔物がはびこるこの世界で、悲しい思いをしたことがない者など、どこにもいない。
悲しみと絶望を背負い、歓待を振り切って台座へと向かう彼等は、愛する者をとうの昔に失った、過去にしか幸せを持たぬ者達だった。
歓待の試練を突破する者は、まさにそのような人物なのだろう。
彼等には、歓待など通じない。彼等はきっと、大切な者達の傍に行くこと以外、何も求めていないのだから。
けれど、つまりは、それが欲望だ。
叶わないだけで、彼等にも欲望はあるのだ。
そして、ここの試練は、歓待だけではない。
ここの試練は、歓待、そして――。
哀悼。
台座へと向かうために、侵入者達は階段を登る。
そして、最終階の5階に辿りつき、目の前にあった障子を、蹴破るように開けた。そこには大広間があり、バルコニーのような空が見える場所には、鎖の繋がる台座がある。
侵入者達は、間違いなくボスが待っている、そう思って部屋に入ったのだが、待っていたのは、ボスでもなければ歓待の場でもなく、仲間の遺体でもなく、もっと、もっと、いや、最も、見知った者だった。
そう、この世で一番大切で、一番愛していて、一番会いたかった人だった。
それは妻であったり、夫であったり、両親であったり、子供であったり、仲間であったり、恋人であったり。
確かに死んだはずの。
悲しみと言う言葉が、あまりにも安く思えるほどの慟哭で見送り、しかしことあるごとに思い出してしまう、全く見送れなかった者達。
侵入者達は一様に、数秒間、声すら出せなかった。
スノには、固有能力、真実の幻想、がある。
幻や幻影による支配、という効果を持つそれは、理想の桃源郷の効果とも相まって、侵入者に本物と区別のつかない幻想を見せる。
姿も、声も、匂いも、仕草から口癖から何まで、そして本人達しか知るはずのないようなことすら、再現する。
しかし、それが幻影なのだということは、侵入者達にはすぐに分かった。
幻影とは、ただの幻だ。
幻術のように、精神錯誤に陥らせて、ありえない体験をさせるようなものではなく、あり得るだろう光景を見せて、あるのかもしれない、と信じ込ませるもの。
だから、あり得ない光景を見せられてしまえば、一瞬で看破できる。
死んだ者が蘇るなど、それの最たるものだ。
侵入者達の目の前にいる、大切な者の形をとるただの幻影は、侵入者達の名前を呼んだ。愛おしく、記憶の中の通りに。
会いたかった、と。あなた、お父さん、お母さん、と。
それは、文字通りに、夢にまで見た光景だ。何度も何度も夢に見て、夢とは気付かず、死んでいる事実も思いだせず、なぜだか悲しい心のまま抱き寄せ愛を伝えては、起きて夢だと気付き、涙を流した。あの夢の光景だ。
だからその光景は、全くもって喜べないことだった。
虫唾が走ったと言い換えても良い。侵入者達は、心を踏み躙られた気持ちでいっぱいだった。募るのは郷愁や愛しさではない。
自分に、大切な者の死を、2度も見送らなければいけないのか。自分の手で殺さなければいけないのか。そんな憎悪のみが、侵入者の心を満たす。
武器を握る手に、かつてないほどの力を込め、侵入者達は、幻影に近寄づいていく。
近くまで来てもなお、一部の狂いもない幻影。だからこそ、一瞬足りともこの世に存在してはならない。侵入者はそれに向け、武器を振りかぶった。
そうして、満身の殺意を込めて、それを――。
大切な者達の幻影は、侵入者達が、憎悪に満ちた目で近づいても、逃げることもしなければ、抵抗することもなかった。
恐怖に顔を歪めはしたものの、それも束の間。一様に、凶行を止めることのないまま、貴方のためならばと、受け入れるような表情をしたり、父と母などはそれで良いんだと応援してくれたり。
小さな息子は、お母さんをイジめるな、と母を庇うようなことをしたが、母は、良いの、と抱しめ、新しい奥さんと結婚したら、脱いだ靴下はちゃんと洗濯カゴに入れるのよ、なんて冗談めかして笑って言って、目をつむる。
馬鹿みたいな話だ。
そんなことをされても、止まるわけがない。
けれども、それが、あまりにも。
そう、あまりにもで。
侵入者達は、武器を振る前に、一度だけ、いつもの呼び方で、呼んでみた。ポツリと、小さく。それは意図していない、思わず口から漏れただけのものであったかもしれない。
しかしそうしたなら、もうダメだった。
武器は振れない、進むこともできない。膝を付いて、ただ泣いて、泣いて。夢の中のような光景に、抱き合って、謝って、謝れられて、みんなで泣いて。
目の前に台座と鍵があると言うのに、誰もが、この追い求めた幸せを、破り捨てることなどできなかった。
「どうぞごゆるりとなさって下さい、38階層、第十の鎖の番人、スノでございます。少し遅れようとも誰も咎めは致しません、いつでも、どうぞ攻略して下さい」
スノはそう言って、思い出話に花が咲くよう、食事を用意させ、自らは退出して行く。
侵入者達は、最早、誰もここを攻略しようとは思わない。
いや、むしろ、攻略しようとする者は、必ず誰かに止められた。時には、その命をもってして。
歓待の試練は、侵入者達の体を止める。
哀悼の試練は、侵入者達の心を止める。
38階層に挑んだ500名は、台座から鍵を取り出すこと叶わず、敗走した。
『 名前:スノ
種別:ネームドモンスター
種族:ハイチャーミングチキン
性別:女
人間換算年齢:20
Lv:198
人間換算ステータスLv:289
職業:第十の鎖の番人
称号:拒絶不能の若女将
固有能力:理想の桃源郷 ・対象にとって最も理想的な環境を作り出す。領域内の全耐性を減少させ、無効化耐性を無効化する。
:真実の幻想 ・幻や幻影により支配する。
:香毒 ・領域内の対象を幸せで毒する。
:日入の歓待 ・17時から19時の間、全ての行動に対し補正が入る。12人の味方の内最も西にいるとさらに補正。
:鳥化 ・鳥の姿になることができる。飛ぶことはあまりできない。
:陽炎の魔眼 ・右、周囲に幻想を作りだす。
種族特性:美しき体 ・見た者の能力を減少させる。
:美しき声 ・聞いた者の能力を減少させる。
:鶏の羽 ・思いのほか飛ぶことができる。
:常発フェロモン ・嗅いだ者のステータス、攻撃系、耐性系スキルを上昇させる。
特殊技能:スタミナドレイン ・体力を干渉するたびに吸収できる。
:ヘルスドレイン ・魔力を干渉するたびに吸収する。
:ハートプロテクト ・精神系の干渉を完全に防御する。
:ネゴシナイン ・交渉事を有利に運ぶことができる。
:パーフェクトプランナー ・理想空間を完成させる。
存在コスト:1800
再生P:11000P 』
「……、凄く……、凄く……」
俺は戦いが終わった映像を見て呟いた。
戦いの内容についても色々と言いたいことはあるのだが、まずは、あまりにも自然に反乱状態で戦っていることについて問いたい。
38階層程度じゃあ、そんな大した実力は出せないはずなんだ。
特にスノは600Pの種族で、マキナやセラ達よりも随分格下の種族。
低階層のマイナス補正をより多く受けてしまう。
Lv180の混ざった500名の侵入者達と、真正面から戦ったならば、太刀打ちなどできるはずがないのだ。
なのに……。
「いや、というか今回、一回も戦ってなくない?」
あれ? 幻影は使ってたし、反乱した状態でいたけど……あれ? ま、まあスノの戦いがああだと言えばああなんだけど。……あれ?
「スノっ、やるじゃないか、良くやった」
「ありがとうございますユキ先輩。スノ、ただいま帰ってきました」
すると、宴会じょ――、玉座の間にスノが帰ってきた。
淡いピンクのウェーブ髪の、落ち着きある女性は、先ほどまで激しい接待を繰り返していたとは思えないような風体と、楽しかったような顔をしている。
スノは髪を結び直しながら、俺の元までやってくると、俺が何の映像を見ていたかを確認し、言う。
「王様、ちゃんと見ててくれたんですね。お客様、楽しそうにしていたでしょ?」
そんな風に、自らの腕に疑問を持たず。
そう言った後は、もう何も言わず、しかしどこにも行かず、少女のようにニコニコと微笑んでは、たまに他所を見て、しかしやはり微笑んで俺を見て。
「あー……、スノ」
「はい、なんです?」
数秒の沈黙の後、俺はスノに呼びかけた。もちろん内容は、反乱して戦っ……歓待したことを問い詰めるため、侵入者をお客さんと呼んだことを咎めるため、そしてダンジョンマスターとして楽しめなかったと伝えるためだ。
いけないことをしたら、楽しくない。これが世の中の当たり前。
しかし、そう思って呼びかけた俺の声に反応したスノは、疑う余地もないほど、やり遂げていた。
ちょっと顔を赤くし、ニコニコするのをやめて、しかし思わず笑い目を逸らして、また合わせて微笑み、楽しそうに。
だから、俺は、こう言った。
「さ、最高の、接待だったぜ。お客さんも楽しそうだったね、ありがとうスノ」
多分もんのすごく、くしゃっと崩れた笑顔で、感謝を、伝えた。
「ありがとうございます、頑張った甲斐がありました。とは言っても、あたしは不備がないよう回っていただけですけどね」
スノは、あははと笑い、俺の感謝にそう応える。
……こんな、……こんな。
こんな楽しそうに報告に来て、やりきった感を出してる子に、楽しくなかったなんて言えるわけないじゃないっ。
「ソヴレーノ、タキノ、帰ってきたか。頑張ってたなっ、スノももういるぞっ」
「ご無沙汰しております、ユキ先輩。スノ、そっちはどうだった?」
「いやあ、M、Mでした。これぞM、タキノちゃんは満足でげすっ。スノちゃーん、スノちゃんはMったー?」
どの歓待が1番好みでしたか? エッチなやつですか? と聞いて来るスノに、戦闘を終え、玉座の間へと帰ってきたソヴレーノとタキノが、それぞれのテンションで歩きながら声をかける。
するとスノも、またいつも通り楽しそうな表情になり、2人の元へ、また違うテンションで歩いて行った。
「Mってはなかったかな? どっちかと言うとSった感じ? ま、でも楽しかったわ」
「Mったへの順応が早いな。わたしは最初意味が分からなかったのに」
「いやいやへっへっへ。さって、じゃあ2人共お風呂へ行くのにゃー。お風呂場では今、熱い戦いが開催されてるみたいですからねっ」
3人は、パーソナルスペースなどどこ吹く風、とでも言うような距離にまで近づいて、ニコニコ笑ってお喋りしながら、玉座の間から出て行った。
うんうん、勝って良かった。
あんな笑顔が見れるんなら、本当に勝って良かったと思う。
思う気持ちはあります。
けれど、うん。
俺は、目の前に出しているいくつかの映像の内、干支階層の映像に目を移す。
干支階層への侵入は、時間差で行われているため、スノ、ソヴレーノ、タキノの3人は終わってしまったが、残る0人の所はまだまだ終わっていない。
だから俺は――。
「次に見る子は、反乱していませんように。反乱していませんように」
そう祈って、次の子の戦いを見守る。
それが、まさか叶わない願いだとは、この時の俺には、知るよしもなかった。……そして、もう干支階層が終わっているとは、この時の俺には、知るよしもなかった。
四獣階層は、四獣達の方はよろしくお願いします。
お読み頂きありがとうございます。
ブックマークもありがとうございます。読み続けていただけるよう頑張ります。
分かりにくい部分がありましたら、なんでも言って頂けると助かります。人から言われなければ、自分では何も気付けませんので、是非是非、お願い致します。
そして、私自身も、そういったことを言って頂けるだけの価値ある作品になるように、皆様に面白いと思ってもらえるように、努力致します。
ありがとうございました。




