第3話 P。そんなものがあっても命がなけりゃあ何にもならないのさ。
ダンジョンマスター格言その3
殺すだけなら誰でもできる、稼ぐだけなら誰でもできる。育ててこそダンジョンであると知れ。
『 名前:--
種族:人間
職業:ダンジョンマスター
勲章:異世界の知識を持つ者 自殺志願者 常軌を逸したマスター 豪胆マスター 強者殺し 覇者殺し 到達者殺し 超越者殺し ドラゴンスレイヤー殺し 将の器 剣聖の名を継ぎし者 祝踏破者駆逐 大物取り 上級竜を倒せし者 宝物ダンジョン 魔境の支配者 百の骸を吸いし迷宮 千の骸を吸いし迷宮 骸の迷宮 万の軍を退けしダンジョン 余命宣告を受けし者 節約上手 貯金好き ドケチ P依存者 省みぬ挑発野郎 九死に一生の天運 』
ついさっきも見た気がする、メニュー、ステータス、俺の情報。
さっきまでは勲章欄に、1個しか書かれていなかったように思うが、どうやら俺の記憶違いらしい。
ダンジョンマスターは、完全生命体で、記憶に関しても、永久な完全記憶能力を発揮するので、俺は初の記憶違いを起こしたダンジョンマスターだろう。
……。
勲章増えすぎじゃない?
たった1時間くらいの人生に色々あり過ぎじゃない? 俺は、そんなことを思った。
勲章とは、神々から授かる、評価、のようなもの。
生き方や得た力、成した功績によって授かるものなので、ダンジョンマスターにとっては、生き様だと言えるだろう。
男は背中で語る、なんてことをよく言うが、ダンジョンマスターは勲章で語るのだ。
自分自身の考え方や、今までの歩み、全てが、勲章として浮き出る。
他人の、いや他ダンジョンマスターの勲章を見ることはできないが、もし見ることができるなら、たった一目で、一体どんな生き方をしてきたのかが、分かるはずだ。
それほどまでに、勲章とは、自らを表すものである。
それを踏まえ、刮目してみようじゃないか、我が勲章を。
生まれてから1時間の、我が歩みを。
人生、いやダンジョンマスター生を。
……いかがなものかね。
Pを稼げずに死んでいくのなんて真っ平、それならリスクが高くても稼いで死んでいく方がマシ。なんて言ってたやつを、ぶん殴りたい気持ちでいっぱいだ。
「この野郎めーっぐぶふうーっ」
そんなやつにパンチをかますと、まさかのクリティカルヒット。醜い豚のような声を出させることに成功した。
……。
「……ああ、ともかく一つ一つ見ていこう」
これらの勲章には、それぞれ意味がある。意味、というか効果かな?
例えば1番初めからあった異世界の知識を持つ者。
『 異世界の知恵を持つ者
異世界の知恵と知識を持つ者に授けられる勲章。
・ダンジョンマスターの初期知識変化
・生成種類変化
・P消費変化 』
こんな風に。
勲章とは、先ほども言ったように、生き方や、得た力、成した功績によって授かるもの。
そしてそれは、ダンジョンマスターやダンジョンモンスターに対して、そしてダンジョン自体に対して、数々の恩恵をもたらす。
例えば、最終階層の上限が増えたり、配置できる魔物の数や、強さの上限が増えたり、根幹であるP消費による、何かしらに対しての恩恵だったり。
ダンジョンは、勲章によって大きく変化する。
強さももちろんだが、今言っている意味合いでは、その形や、成り立ち、美しさ、気高さの変化。
だからこそ、ダンジョンマスターは生き方を重要視する。
清く正しくも良し、邪道を貫くも良し。しかしいずれにせよ誇り高く、そして偉業を志す。ダンジョンマスターにとって、最も大切なのは誇りだ。
なぜなら――。
いや、語るのも野暮な話か。
なぜならダンジョンマスターの誇りとは、この勲章に全て表れる。そして、ひいては、ダンジョンの形、成り立ち、美しさ、気高さとなって現れる。
俺も、他のダンジョンマスターと同様に、授かった勲章や、これから作り上げるダンジョンで、誇りを語るとしよう。
……。
「でもそれなのに、どうしてこんなに悪口が多いの……」
そんなカッコイイことを言ったは良いが、俺の勲章欄には、なにやら目を背けたくなるような言葉が、列挙されていた。
大半が悪口に見えますよ? 僕はそんなに悪い事をしたのかい? 確かに心当たりはありますが、していましたが。
この勲章は、どれもが、とてもとても大事である。一つ一つ、しっかり確認していかなければならない。
平時でもそうなのに、今のような、軍隊が再び迫ってくることが確実な非常時では、絶対に確認しておかなければいけない。万に一つの可能性かもしれないが、もしかすると、今度来る大軍をも、退けられるような手がかりがあるかもしれないのだ。
頑張ろう。
泣くな、泣くんじゃない俺。
『 自殺志願者
ダンジョンマスターとなってから何も作らずにダンジョンを繋げた者に授けられる。
・スキルの宝玉を得る
・進化の宝玉2つを得る 』
別に繋げたくて繋げたんじゃないやい。
で、このスキルの宝玉と進化の宝玉って何?
『 スキルの宝玉
好きなスキルを一つ取得できる宝玉 』
『 進化の宝玉
規定Lvに達した生物を好きな進化先に進化させられる宝玉 』
なるほど。
『スキルの宝玉は効果がありません。使用をキャンセルしました』
なるほど。
『進化の宝玉は効果がありません。使用をキャンセルしました』
なるほど。
……なるほどね。
俺はどうやら強くなれないようだ……。なんて悲しい……。
「アイテムは消えなかったから良しとしまして」
進化の宝玉の方は使うために最低限必要なLvがありますんでその規定に達していなかっただけかもしれないからね。……スキルの方は知らねえ。
しかしどちらも有用そうだ。
次のは?
『 常軌を逸したマスター
ダンジョンマスターとなってから1時間以内にダンジョンを繋げた者に授けられる。
・スキルの宝玉2つを得る
・進化の宝玉を得る 』
「被ったっ」
いや、まあ、しかし良いんじゃないか。
結構凄いアイテムだと思うよその2つは。
今のところ生成できないアイテムであるため、何Pかは判別つかないし、どのくらい凄いのかは分からないが、凄いはずだ。なんかやったぜ。
俺自身には使用できないものの、生成した魔物に上手く使えば、かなり良い事が起こるんじゃないだろうか、慎重に使いましょう。
悪口も悪くない。
つまり褒めてるのはもっと良い? 次の豪胆なマスターは確実に褒められてるよな、どうだっ。
『 豪胆なマスター
3日以内に階層数5以下、魔物10匹以下、平均Lv3以下でダンジョンを繋げた者に授けられる。
・生成されている魔物のステータスを一定期間上昇 』
「あひぁあ、意味ないっ」
びっくり。意味ない。そうなの?
そういうこともあるのね、あらまあ、あなたこらさ。
やめてくれよ悪口の方が役に立ってるとかは。
『 強者殺し
Lv120以上の強者を倒した者に授けられる。
・Lv上限60まで開放 』
『 覇者殺し
Lv160以上の覇者を倒した者に授けられる。
・Lv上限70まで開放 』
『 到達者殺し
Lv180以上の到達者を倒した者に授けられる。
・Lv上限80まで解放 』
『 超越者殺し
Lv200を越えた者を倒した者に授けられる。
・Lv上限100まで開放 』
『 ドラゴンスレイヤー殺し
竜を倒したドラゴンスレイヤーを倒した者に授けられる。
・Lv上限+10 』
おお、素晴らしい。
これは、ダンジョンマスターが、誕生した瞬間から知っている勲章、基本的な勲章だ。
序盤は必要なく、いずれは手に入る勲章だが、無いと話にならない勲章でもある。あれば嬉しいし、なんだかダンジョンマスター上級者の、仲間入りを果たした気分。
例え、すぐにサヨナラの日が来るとしても、嬉しいものさ……。
『 将の器
将軍を討ち取ったダンジョンマスターのみが得られる勲章。
・指揮能力向上
・ダンジョンモンスターに対しての強制力の上昇 』
『 剣聖の名を継ぎし者
剣聖を討ち取り聖剣を手にしたダンジョンマスターのみが得られる勲章。
・剣術能力向上
・ダンジョンモンスターの剣技戦術が上昇 』
『 祝踏破者駆逐
ダンジョンを踏破した者を倒したダンジョンに授けられる。
・ダンジョンコアをもう1つ持てるようになる 』
『 大物取り
5万を越えるPを1度で取得したダンジョンに授けられる。
・P取得量上昇 』
良いじゃないか、俺が倒したわけじゃないので凄く心苦しいが、良いじゃないか。
ダンジョンマスターにとっても最も大切な誇りが踏み躙られているかもしれないが……。
『 上級竜を倒せし者
上級竜を倒した最強のダンジョンに授けられる。
・竜人、竜族、竜、龍、龍神に対してのダメージ上昇
・倒した属性の上級竜を生成可能 』
「やったーっ」
これは強い、強いぞっ、強いのか? きっと強い、強いだろう、強いんじゃないかな。多分。
なんだか龍神の存在も確認できてしまったけれどそこは気にしないぞ。気にしたら負けだぞ。
齢0歳にして世界の深層を知ってしまうだなんて……。
『 宝物ダンジョン
レア度の高いアイテムを多数所持している者に授けられる。
・アイテム生成消費P軽減 』
『 魔境の支配者
魔境を支配した者に授けられる。
・階層制限5階層緩和
・魔物生成消費P軽減
・領域拡大時消費P減 』
これは魔境にダンジョンを作ったから、授かったものだね。そんなつもりもなかったんですけどねえ。
分かってたら、絶対に作らなかったよ。
地球儀をもっと拡大して、強そうな魔物がいたら止めよう、と思ってましたからね。ましてや上級竜が支配する森とは。今からでもやり直させてはいただけないのかしら。
『 百の骸を吸いし迷宮
百度死体を吸収した見習い卒業ダンジョンマスターに授けられる。
・階層制限20階層まで解放
・各階層コスト制限を×10まで解放
・魔物総数制限1000まで解放 』
『 千の骸を吸いし迷宮
千度死体を吸収したビギナーダンジョンマスターに授けられる。
・階層制限35階層まで解放
・各階層コスト制限を×15まで解放
・魔物総数制限1万まで解放 』
『 骸の迷宮
10年間の間に全階層で各階層累計×1000の死体を吸収した骸だらけのダンジョンマスターに哀れみを持って授けられる。
・各階層魔物コスト制限解放 』
『 万の軍を退けしダンジョン
1万以上の軍隊を退けた武勇あるダンジョンに授けられる。
・侵入者の中で最も人数の多いパーティーに応じて、階層ボスのステータス上昇効果が向上する 』
『 余命宣告を受けし者
命の期限が切られた可哀相なダンジョンに授けられる。
・500P獲得 』
『 節約上手
1万P以上貯めた優秀なダンジョンマスターに授けられる勲章。
・魔物生成時P消費軽減 』
『 貯金好き
5万P以上貯めた超優秀なダンジョンマスターに授けられる勲章。
・魔物生成時P消費量減少
・P取得量増加 』
『 ドケチ
10万P以上貯めた馬鹿なダンジョンマスターにこれ以上はないよと授けられる勲章。
・魔物生成時P消費量減
・各生成物生成時P使用制限2倍 』
『 P依存者
ダンジョンの規模に比べ1000倍以上のPを貯めたダンジョンマスターに早く使えとの意味を込めて授けられる勲章。
・各生成物生成時P使用制限解放 』
『 省みぬ挑発野郎
絶体絶命の状況で尚且つさらに挑発し続けた命知らずの馬鹿なダンジョンマスターにやめておけとの意味を込めて授けられる勲章。
・能力値項目制限解放
・設定項目影響力大上昇
・能力値設定消費P大減
・ネームドモンスター思考力上昇 』
『 九死に一生の天運
九死に一生を得た運の良い者に授けられる。
・運が凄く良くなる 』
「……これで、全部か」
現状の全部の勲章の効果を、確認し終わった。
効果を見ての通り、勲章とは、基本的に良い効果をもたらす。
つまり、たくさん授かれば授かる程、生成は効率的に、そしてダンジョンモンスターは強く、ダンジョンは大きくすることができる。
これら勲章を授かるために、俺達ダンジョンマスターは自分の中で厳格なルールを決め、その道を突き進むわけだ。
先ほど、勲章を見れば生き様が分かる、と言ったが、優れたダンジョンマスターであれば、他のダンジョンを一目見ただけで、そこのダンジョンマスターが定めているルール、道理が分かると言う。
……うん、まあね、今はね、悪口が多いんだけど。これから、これからさ、きっとこれから、他のダンジョンマスターからの尊敬を集められる、素晴らしいダンジョンになるよ。
「さて。言いたいことは色々あるが、兎にも角にも、ダンジョンを作っていかないとどうにもならないですからね。さしあたってはまず居住地」
大軍が攻めて来た時にも、こんな野ざらしのままだったら大変だ。遠くから魔法を撃たれただけで終わってしまう。
自己アピールの激しいダンジョンコアを、自然型ダンジョン特有の四面楚歌の状態から守りきるなんて無茶なこと、俺には到底できない。
「でも建物は、新しく生成するんじゃなくて、できれば自然物を利用したいよなあ。自然型なんだし、それが醍醐味でしょ。洞窟とか……、地下に掘っていくとか?」
自然型ダンジョンとしては、天然洞窟を利用した要塞が、最もポピュラーな終盤階層になる。
ダンジョンコアの移動には、Pが追加でかかるものの、しかし洞窟内に移動させるメリットは大きい。是非俺もそうしたい。
ただ、この場所を選ぶ際に、そんなものがあるかどうかの確認なんて、しているわけがない。
改めて、ダンジョンマスターの権能の1つ、マップで、探してはみたのだが、半径1kmの範囲に、深めの洞窟なんてものが都合良くあるわけがない。
九死に一生の天運はもう使ってしまったようだ。
予め、もっと拡大した状態で、地球儀を回していれば良かった。
そうしたら戦争中なことも丸分かりだったのにっ。誰が選ぶかこんなところっ。海から出られなくなって、縮小しちゃったのがいけなかったな。
マップ内に見えているのは豊かな森のみ。守り易そうな地形はない。
「なら範囲を広げるしかないか。10000Pくらい使えば……、感覚的に半径20kmくらいまで伸びるかな、魔境だからやっぱり高――」
『10000Pを消費しダンジョン領域を拡張しました。現在のダンジョンは現在地から半径20キロ圏内全てです』
「――いな、って」
……仕事が早いなあ。
ビックリするからやめてよう。
「あ、しまった。さっきの軍隊がまた入ってしまった」
ダンジョンが広がっただと? とか言ってるね。気付かれちゃったよ。
まあどうせ分かったことだし良いか、気にするなかれ。もしかしたらもう1回撃退のPが貰えるかもしれない。
ダンジョンマスターの誇りを思えば、それは良くないことである、が……、既に俺の誇りは穢されてしまっている。
ともあれ、そこらにある死体を回収しておこう。
「ん?」
しかし、俺はあることに気づいた。
「侵入者の数多くない? 2万越えてるけど。――あ、魔物っ」
ダンジョンが広がったことで、上級竜と軍隊の戦闘によって避難していた魔物達も、ダンジョン内に入ってしまったのだ。
もちろん既にシャイさを捨てている自己アピール激しいダンジョンコアさんは、魔物達にもここがダンジョンだと、僕はここにいるよ、と熱烈アピール。
魔物も人と同様に、ダンジョンコアを壊すと、大量の経験値を得られる。
そして魔物は人と違い、本能で求めてやってくる。計算なんてものは存在しない。
……つまり自己アピールが激しいダンジョンコアさんに惹かれて、魔物達がたくさんやってくるということだ。
「なんてこったい」
どうして俺はそんな簡単なことにも気付かなかったんだっ。
距離は1番近い魔物で10km。
そのくらいの距離は、速い魔物だったら1分もあれば駆け抜けてくる。
幸いにも10km地点にいる魔物は、足が遅いからそのくらいしか逃げられなかった魔物達。到着まで1分だなんてことはない。若干の猶予がある。
まあつまり移動の速い魔物なら現在範囲外にいても、コアに気付いてから2分ちょっとで到着するってことだ。
どうして俺はそんなことに気付いてしまったんだっ。
そんな知識いらない……恐怖が増すだけだよう。あんまり光らないで下さいコアさん。土でもかけておけば良いのかしら。
「ともかく、魔物がこっちに向かって来る現状を踏まえますと、居住よりも、魔物を作って防衛した方が良いよね」
そこいらの魔物ですら、俺にとっては軍と同等の戦力を持つ。
100%やられちゃうからね。
まさか大軍の前に、魔物相手の防衛戦を行わなければならないとは。自然型ダンジョンはこれだから嫌なんだ。誰だ自然型ダンジョンが僥倖だとか言ってたやつは、ぶん殴ってやりたいぜ。
「この野郎めっ、ぐぶばあーっ」
……。
「……えーっと、じゃあひとまず竜を作るか。せっかく出てきたし、骸の迷宮でコスト制限も無くなったし」
勲章の骸の迷宮にはツッコミを入れなかったが、あれは正直、勲章の中でも1番凄いんじゃないかってくらいの勲章だと思う。俺だって平常時なら小躍りして喜んださ、でも今は無理。そんなテンションじゃない。分かるだろう。
俺は魔物の生成リストを出す。
空中に浮かぶウインドウ。手で操作することも、思考だけで操作することもできる、優れもの。
「の割にリストの並びがアイウエオ順。種族別に並べてくれよ、P順とかでも良いけど。ともかくソート機能が欲しいね」
『300Pを消費し生成リストにソート機能を追加しました』
できるんかい。
というかまた確認がなかった。
「えーっと、これから何かするときには、一言確認をお願いします」
『100Pを消費しP使用時確認機能を追加しました』
これにもPかかるんだ。しかも結構かかる。んでこれは確認せんのかい。
ちょいちょいツッコミどころあるよなあ、ダンジョンの仕様。
俺のような悲劇、一体何度起こっているのだろう。海に落ちちゃった泳げない種族のダンジョンマスターもいるんじゃない?
……。
こわ。
「ソートの内容は、種族順、消費P順、キーワード検索に条件による絞込み検索。いや中々優秀、でも300P使用はでかい。――が」
それは使いこなせないものにとっての話さ。
俺の種族はなんだい?
そう、人間さ。
世界で唯一、賢さを武器とする人間さ。
……どうなんだろう、違うかな、いやまあ、大体そんなもんだろ、勢いは大切。
俺は賢さを武器とする人間さ。
知能と知恵と知識を発揮し、経験を積み重ねる、知性高きダンジョンマスターさ。
だからこそ、このソート機能は非常に強力な武器となる。
「一発簡単、検索検索ぅ。分かる、分かるぞ、俺には魔物の全てが分かるっ」
獣の魔物。鳥の魔物。
硬い魔物。大きい魔物。
爪が武器の魔物。魔法が武器の魔物。
俺には全ての魔物が分かる。
情報、それに価値を見出せない者もいる。
悲しいやつらさ、そいつらには情報を使いこなせる頭がないのさ。
じゃあ情報に価値を見出す、使いこなせるのってどんな奴だ?
そう、この俺さっ。
スライムなら1P、ゴブリンなら10Pで生成できるPを300Pも使ったソート機能は、俺の最強の武器となる。
まあ、俺が魔物のことを、普通のダンジョンマスター並に把握できてたら、いらないんですがねっ。
悲しい現実しかこの世界にはないのかっ。
『 竜
上級風竜・・・10000P
中級竜・・・6000P
下級竜・・・3000P 』
しかし次回。
ダンジョンマスター、最強の竜を生成する。
悲しみからの脱却。
一流ダンジョンマスターへの華々しい道程へ。誇り高き者のみが辿り着ける高みへ、いざ行かんっ。
「なんだか嫌な予感がするのはきっと気のせいさっ」
質問感想お待ちしております。
それはもう凄く。
誤字脱字ありましたら、そちらの方もお教えいただければと思います。
末永くお付き合い頂けますよう、ダンジョン繁栄に全力を尽くす所存であります。