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第42話 ダンジョンマスターの血と涙で食う飯は美味いのかっ、そうか美味しいのか、良かった。

ダンジョンあるあるその5

適当に作った場所の方が有効。

考えに考え抜いて生成した罠等を含めた場所よりも、やる気が尽きた状態で生成した場所の方が、たくさんの侵入者を倒し鍛えていること。

『良くぞここまで来たな、侵入者よ。だが最後の階層守護者は今までのように甘くはない。出でよ我が分身、ベールグラスホッパーっ』


 そうして、7人の力を合わせた最終決戦が今始まる。


『アタシは思うんだけどよ、やっぱみん――カタストロフブラストーっ』

『自分の階層をどういう風にするかもう決――ケイオスフェイズ』

『……帰ったらケー――カラミティバジュラ』

『特訓の再開が楽しみだなあ、早――ディザスターボルカニック』

『面倒じゃのう。わっちは良いから終わら――アトミックバースト』

『お腹空いて力でないよー、わたしは無――パニッシュフード』

『ここまで一番だったからな、あとは皆に譲ろ――ラグナロクイマージュ』


「全員出し抜こうとしてんじゃねえかっ、結局早いもの勝ちになってるよーっ」


 そうして、7人の力を合わせた最終決戦が今終わる。


『ぐわあああああー』

「イナゴせんぱーい」

『イナゴではあああなああー」


『ダンジョンバトルが終了しました。Pの移行を行います。44万Pを獲得しました』


「……どうして、……どうしてダンジョンマスター同士で殺し合わないといけないんだーっ」

 俺の叫びは、赤い赤い、夕焼けの空に吸い込まれていく。ああ、お空が綺麗。まるで散っていたダンジョンマスター達の血のよう。


『 名前:マキナ

  種別:ネームドモンスター

  種族:上級風竜

  性別:女

  人間換算年齢:18

  Lv:18

  人間換算ステータスLv:427

  職業:竜魔王

  称号:ダンジョン最強の覇者

  固有能力:竜王の血脈 ・竜因魔法、竜魔法の威力上昇。状況に応じて全行動効果上昇。支配の完全無効。結果に補正。

      :無限の蓄積 ・思考能力を増加、加速させ、他者の経験を踏襲する。

      :天空の主 ・天を統べる。

      :時の魔眼 ・右、自身と周囲の時を支配する。

      :予知の魔眼 ・左、未来を見通す。

      :傲慢因果 ・傲慢に交わる。

  種族特性:風竜因魔法 ・風の竜因魔法使用可能。

      :竜魔法 ・竜魔法使用可能。

      :上級竜の天牙 ・防御能力を無視してダメージを与える。

      :上級竜の鎧 ・あらゆる攻撃や変化に高い耐性を有し、一部を無効化する。

      :上級竜の天翼 ・質量、重力、慣性、抵抗を無視し行動可能。

      :上級竜の再生力 ・身体の破損欠損を即座に再生できる。HPMP自然回復上昇。

      :人化 ・人間形態に変化可能。ステータス変化無し。

  特殊技能:オーラドレイン ・生命力と魔力を干渉の度に吸収する。

      :カタストロフブラスト ・空気と空間を歪ませ存在を無視して座標を破壊する。

      :カタスクロック ・時間の概念を崩壊させる。

  存在コスト:30000

  再生P:60000P 』


『 名前:セラ

  種別:ネームドモンスター

  種族:吸血鬼公爵

  性別:女

  人間換算年齢:22

  Lv:44

  人間換算ステータスLv:323

  職業:侍女魔王

  称号:ダンジョン最恐のメイド

  固有能力:真祖返り ・吸血鬼の特性を趣味の範囲に収められる。

      :完全無欠のメイド術 ・一つの欠けもないメイド奉仕が可能になる。

      :血脈掌握 ・支配下に置いた血液と同系の血液を魅了する。

      :死灰の波紋 ・支配干渉した生物から支配干渉を広げる。支配した生物の生命活動に変異をもたらす。

      :石化の魔眼 ・左、視界内の対象を石化する。

      :ダンジョンの管理者 ・ダンジョンについての知識を得る。ダンジョンについての管理権限を得る。

      :色欲因果 ・色欲に交わる。

  種族特性:吸血 ・吸血した相手を支配し変貌させることができる。

      :闇の支配者 ・夜にステータス上昇。

      :王家の威厳 ・誰の支配下にもない侯爵以下の吸血鬼と、公爵以下の支配下の吸血鬼を支配する。

      :蝙蝠分裂 ・蝙蝠に化けられる。数は自由、化けている最中はステータス低下。

      :吸血鬼の蘇生力 ・損傷や欠損を再生する。夜に近いほど効果向上。

      :魅了の魔眼 ・見る者を虜にする。

  特殊技能:オーラドレイン ・生命力と魔力を干渉の度に吸収する。

      :フォールサイト ・未来の事象を予見する。

      :ケイオスフェイズ ・恐怖と歓喜を衝突させ存在ごと自壊させる。

      :メルトダウン ・自身を見た者を魅了状態にする。

  存在コスト:4500

  再生P:30000P 』


『 名前:オルテ

  種別:ネームドモンスター

  種族:ハイダークエルフ

  性別:女

  人間換算年齢:16

  Lv:62

  人間換算ステータスLv:256

  職業:飴魔王

  称号:ダンジョン最狂の殺し屋

  固有能力:無音の暗殺者 ・暗殺行動時全ての成功率が上昇し、暗殺行動時全ての効果が上昇する。

      :必中必殺の射手 ・射撃攻撃に対し補正。距離が長ければ長い程補正。

      :魔弾生成 ・武器問わず弾を自在に生成できる。

      :殺戮制御 ・攻撃威力上昇。蘇生不能付与確率上昇。

      :千里の魔眼 ・左右、障害物明度関係なく全方位を遠くまで見通す。

      :憤怒因果 ・憤怒と交わる。

  種族特性:森魔法 ・森魔法使用可能。魔法効果上昇。

      :森羅の恵み ・森からの恵みを受けることができる。

      :森地同化 ・森や大地と同化できる。体の少しを精神体へと変換できる。

      :太古の知恵 ・脈々と受け継がれてきた知恵を授かる。

      :薬毒術 ・薬の効果を上昇させる。栽培能力向上。

      :半精神体化 ・体の半分を精神体へと変換できる。

  特殊技能:ライフドレイン ・体力を干渉の度に吸収する。

      :マナドレイン ・魔力を干渉の度に吸収する。

      :カラミティバジュラ ・地脈に干渉し物理現象を曲げ、具現世界に干渉する。

      :スキアードオーバー ・与えたダメージを別の対象にも与える。

  存在コスト:3000

  再生P:20000P 』


『 名前:ローズ

  種別:ネームドモンスター

  種族:ワーフェンリル

  性別:女

  人間換算年齢:21

  Lv:61

  人間換算ステータスLv:268

  職業:騎士魔王

  称号:ダンジョン最恭の将軍

  固有能力:大将軍の威風 ・味方士気、ステータス上昇。敵対者ステータス減少。味方に一時的な、自身に永続的な戦場の加護を与える。

      :鮮血色の彩り ・敵対者士気、ステータス減少。威圧に対し支配干渉を行う。吸血鬼に対し補正。

      :同じ手は食わぬ ・1度受けた行動による効果を、次回から減少させる。

      :軍狼召喚 ・狼の軍勢を召喚できる。

      :忠節の絆 ・忠誠を誓う心が強い程ステータス上昇、経験値取得量上昇。

      :空虚の魔眼 ・右、全ての性質から1つだけ吸収可能、吸収した内容の魔眼になる。吸収量により使用回数が決まる。

      :嫉妬因果 ・嫉妬に交わる。

  種族特性:縦の絶対服従 ・自分より弱い生物を服従させることが可能。

      :狼化 ・完全な狼に変化できる。

      :月下の騎士 ・月が満ちているほど色濃いほどにステータス上昇。

      :俊敏 ・移動や反応が早くなり、直感も増す。

      :滑らかな狼の毛並み ・触れている者の心を癒す。

      :奉られし意気 ・ステータス、スキル上昇。

  特殊技能:エーテルドレイン ・魔力を吸収する。

      :ディザスターボルカニック ・天地を揺るがし対象を内部から崩壊させる。

      :ウォーズコントロール ・戦場の流れを制御し統制する。

  存在コスト:3000

  再生P:18000P 』


『 名前:キキョウ

  種別:ネームドモンスター

  種族:金華妖狐

  性別:女

  人間換算年齢:19

  Lv:56

  人間換算ステータスLv:263

  職業:道魔王

  称号:ダンジョン最興の研究者

  固有能力:言語翻訳 ・全言語を理解できる。

      :魔道を極めし者 ・魔法を使用する際の魔力減少、魔法効果上昇、魔法成功率上昇、魔法解析力上昇。

      :幻想回帰 ・解析した事象を幻想化、解析した幻想を事象化する。

      :高貴なる矜持 ・命令に補正。全回復力上昇、全てに高い耐性を得る。

      :溢れる知識 ・研究や開発に補正。

      :解析の魔眼 ・左、対象を解析、看破し、解析中の対象に干渉する。

      :怠惰因果 ・怠惰に交わる。

  種族特性:七命七魂 ・生命力と魔力、失われた損失を7度再生する。

      :朧変化 ・人型から姿形を自在に変化させられる。

      :領域化 ・周囲の領域の所有者を自身に変えることができる。

      :半精神体化 ・体の少しを精神体へと変換できる。

      :金妖の大過 ・敵対者のステータス減少。戦意減少。金に囚われる者に対しさらに補正。

  特殊技能:エーテルドレイン ・魔力を吸収する。

      :アトミックバースト ・領域の全てを吹き飛ばす。

      :クアドロマジック ・四重に魔法を重ねられる。

  存在コスト:3300

  再生P:18000P 』


『 名前:ニル

  種別:ネームドモンスター

  種族:ハイピュイア

  性別:女

  人間換算年齢:15

  Lv:69

  人間換算ステータスLv:249

  職業:食魔王

  称号:ダンジョン最脅の天然

  固有能力:ド天然 ・予想できなくなる。

      :英知の道標 ・直感能力の上昇。

      :天女の羽衣 ・状態異常無効化。状態変化無効化。被ダメージ除去。

      :神性 ・神威魔法使用可能、精神体変化可能。

      :真実の魔眼 ・右、真実を見抜く。嘘を見破る。

      :暴食因果 ・暴食に交わる。

  種族特性:食欲旺盛 ・何でも食べられ何でも栄養に変えられる。大量に食べることができ、満腹でも全力行動可能。

      :ハイピュイアの大翼 ・どんな高度でも自在に飛ぶことができる。

      :ハイピュイアの大足 ・どこにでも掴まれ、何でも掴める。

      :亜空間制御 ・空を支配し、亜空を支配する。領域内の住人の行動を制御する。

  特殊技能:ライフドレイン ・体力を干渉の度に吸収する。

      :マナドレイン ・魔力を干渉の度に吸収する。

      :アナザーワールド ・亜空間を生成する。

      :バニッシュフード ・食料を一瞬で消失させ、食す。

  存在コスト:2700

  再生P:18000P 』


『 名前:ユキ

  種別:ネームドモンスター

  種族:半神

  性別:女

  人間換算年齢:20

  Lv:6

  人間換算ステータスLv:295

  職業:勇者魔王

  称号:ダンジョン最凶の勇者

  固有能力:女神の権能 ・行動成功率上昇。

      :???? ・???????????

      :勇猛果敢 ・臆すること無く行動可能。常に全力を発揮することができる。ステータス補正。

      :絶対勝利 ・運命の勝利を手繰り寄せる。

      :聖なる羽衣 ・あらゆる攻撃を防ぐ。空を飛行できる。

      :万物鑑定 ・対象の情報を見ることができる。

      :自動翻訳 ・会話言語を自動的に翻訳する。

      :強奪の魔眼 ・左、対象からステータス、もしくはスキルを一時的に奪う。

      :強欲因果 ・強欲と交わる。

  種族特性:半神の支配 ・下位天使までの精神体を完全統括する。

      :神の権能 ・神威魔法使用可能。

      :半神たる所以 ・スキル習得力上昇。

      :精神体 ・完全な精神体に至る。

      :神眼 ・見た物の情報を得る。遠くまで見通す。

      :???? ・???????????

  特殊技能:エネルギードレイン ・生命力と魔力を干渉するたびに吸収する。

      :ミラーズスラッシュ ・一撃で2度の斬撃を加える。

      :デスクッキング ・料理が死をもたらす。

      :ラグナロクイマージュ ・肉体と精神と魂を破壊する。

  存在コスト:30000

  再生P:40000P 』


 良かった暴食が2人になってるのかと思った。

 なんならマキナとセラを見た時点で3人になってるんじゃないかと思ったよ。いやあれは暴飴か?

 ともかくバラけてくれてて良かった。


 ………………ん?


『 進化の宝玉

   規定Lvに達した生物を好きな進化先に進化させられる宝玉 』


「……」


『進化の宝玉は効果がありません。使用をキャンセルしました』


「……」


 なるほどね。

 そりゃあ、神威魔法があれば最終階層の扉も開け閉めできますわ。普通は強制エンカウントだからね。


 ……。

 ……。

「えー、では、大勝利を祝って、かんぱーい」

「「「「「「「かんぱーい」」」」」」」


 8つのグラスがカチンカチンと次々に音を立て始まった祝賀会。

 テーブルの上には目一杯に料理が広がり、各々の好物は全て勢ぞろい。お酒もまた様々な種類がズラリと並ぶ。

 7人の美女は目を輝かせどれから食べようかと悩み、一口一口この世の幸せを謳歌しているかのように食べ進めていく。


 ダンジョンバトル。

 力と知恵と誇りをぶつけ合い、どちらかの死をもって終わることも多いダンジョンバトルが、さきほどまで1対8という圧倒的な差をもって行われていた。

 ましてやそれぞれのダンジョンは万にも届く魔物を保有しており、総力戦ともなれば数の力で1対8は7対8万という絶望的な差へと変化する。


「いやー、いい仕事したぜー」

「そうですね。1日作業でしたから」

「……疲れた」

「主様のご期待に応えるべく、私はたくさんの魔物を打ち倒しました」

「しばらくはする気もおきんのう」

「全然食べられなかったー」

「ダンジョンモンスターも面倒だ」

 夜の月といくつかの光源に照らされ輝くグラスの酒をあおる7人、彼女達は口々にそんな言葉を吐き出す。


 しかしそう、俺達は勝利した。

 だからこそこうやって愚痴を言うことも、美味しい料理やお酒に舌鼓を打つこともできているのだ。

 俺は彼女達の様子を肴に、グラスを傾け口をつけた。カラン、と氷がぶつかる音が鳴る。

 

 ダンジョンバトルが起こったのは戦争直後。

 準備が全く整わない中、そんな多数との勝負が行われたのだ。生存は不可能のよう思え、一時は恐怖のどん底に陥った。

 当時の心境を思い出せばまた身震いが起きる。カランカラン、とグラスの氷がぶつかり合うほど。


 だが俺の思惑と、正反対に事は進んだ。

 ダンジョンモンスターである彼女達7人は、それぞれが一騎当千。いや、文字通りに一騎当万の働きをし、瞬く間にダンジョンを滅ぼしていったのだ。

 一切を歯牙にかけることなく。

 ダンジョンマスター達が己の全てを詰め込んだダンジョンを、まるで遊び飽きたおもちゃのように何の感慨もなく次々に。

 当時の心境を思い出せばまた身震いが起きる。カラカラカラカラカラ、とグラスの氷がぶつかり合うほど。


 得たPは40万Pを越えた。

 通常のダンジョンではこんなP見ることなんてできない、まさに天文学的数字と言っても良い。

 多数からなるダンジョンバトルでどこか1つだけが生き残ればこうなるのだろうが、普通はそんな戦力差があれば降伏によって勝負は決まる。


 降伏はほとんどの場合において受けるのだから、こんなPになるはずがないだろう。


 じゃあなんでなってるのかって?

 降伏を無視したからさあ。

 何度も何度も何度も何度も何度もなあっ。


 当時の心境を思い出せば身震いが起きる。ビッチャビッチャと、グラスの中身が飛び散っていくほど。


 もう誰も挑んではこないだろう。

 1戦8勝0敗0分8KOという尋常ならざる戦績は、まさに俺がド外道である証拠に他ならないのだからっ。


 散っていった彼等が、残るダンジョンマスター達に命をもって教えてくれた。挑んではいけないと。

 ダンジョンマスターは死して誰かの糧になる。他のダンジョンマスターと、俺の糧になったのだ。


 ただ、そんな彼等の血と涙によって得られたPは、今、もの凄い勢いでダンジョン運営と関係ない何かに浪費されていく。

 その名も料理と酒。

 悪魔のような名称のそれらは、俺の敬愛する先輩達の犠牲によってもたらされたそれを、無慈悲に奪い去る。


「マスター、肉追加でー。この100g1Pの肉50kgな、あとビールも。なんだニル手なんか上げて、食うのか? ならマスター、100kg」

 1kgが10Pになるから、1000Pとビール。


「ご主人様、ワインが空になりました。同じ500Pのビンテージ物を。ニル駄目ですよ、一気飲みは体に悪いですから。ゆっくり飲むのなら良いでしょう、では2本で」

 500Pのワインが2本だから、1000P。


「オー、アイス。ケーキ……ウェディングケーキ、最高級。それからブランデー……、……ニルも? ……ニルのも」

 100Pのアイスと200Pのケーキと100Pのブランデーが2セットだから、800P。


「焼酎、これは歴戦の香りがする。主様揚げ物追加をお願いします、それから焼酎もこの……いえ酒樽ごとでお願いします。なんだニルもか、仕方あるまい、ニルの分もお願い致します」

「ウイスキーは美味い。あとそれからわっちは3つ星レストランのフルコースを所望する、5店舗分くらいで良いぞ。ニル、これはわっちのじゃ我慢せい、はあ、おい主殿食われるからもう1つ頼む」

「ユキは何食べてるのー」

「あ、こらっ。くっ、おい魔王、あんこう鍋追加だ追加ーっ。日本酒もーっ」


 悪魔のように彼女等は、俺の敬愛する先輩達の犠牲によってもたらされたそれを、無慈悲に奪い去る。


 俺は彼女達の様子を肴に、グラスを傾け口をつけた。何も音はしなかった、だってもう何も入ってないから。洋服は既にビッチャビチャです。


 心臓を魔石に交換したら満腹感を得る、これは正しい情報だ。普通の生物と同じように満腹を感じるのは確かなんだ。

 なら目の前で繰り広げられてきた、そして繰り広げられている、繰り広げられていくこの光景はなんなんだろう。自分の体重よりたくさん食ってるけどこれなんなんだろう。

 バクかなあ。


「つかどんだけP使うんだよっ。浪費し過ぎだっ、全く一体誰に似たんだか」

「マスター」

「ご主人様です」

「……オー」

「主様を見習っております」

「わっちは似とらん」

「あるじ様かじらなきゃ」

「いやあ、楽しいなあっ」

 ……。


 俺はグラスに安酒を注ぎ、チビチビと飲む。


 宴会は夜まで続く。次の日の。

 ダンジョンバトルの勝利を祝う宴会なのに、ダンジョンバトルより長期間やるってどうよ……。

毎度お読み頂きありがとうございます。

12月。寒い日はこれから増えますが、皆々様も体調に気をつけお過ごし下さい。


第3章は次の話で終わりです。

第一部完、のような区切りになりますので、是非そこまでお付き合い下さい。

よろしくお願いします。


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