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第128話 11階層の管理人。

悪逆非道のダンジョンマスター心得その17

ダンジョン同士仲良くして、切磋琢磨していきたいのに、触れるダンジョンをみな壊してしまっている。どうして……。

 ひとつ生成すれば、オルテが拗ね。

 ふたつ生成すれば、ユキが混乱し。

 みっつ生成すれば、キキョウに変態と呼ばれ。

 よっつ生成すれば、ニルに食われ。

 いつつ生成すれば、ローズとの訓練が始まる。


 そうして、むっつななつ生成すれば電話があり、やっつ生成すれば怒られ、ここのつ生成すれば二期組のやばさを知り、とお生成すれば、借金が増える。

 じゅういち生成すれば……。


「王上様の怨嗟のために」

「王上様の憐憫のために」

「王上様の慟哭のために」

「王上様の懺悔のために」

「ええ。王上様のために、ダンジョン外から拉致してきた侵入者を使って、理想のダンジョンを作り上げましょう」


 やばい子達がやってくる。


 普通は1人生成する度にダンジョンが強化され、守られる俺がどんどん安全になっていくはずなのに、なぜだかここでは1歩また1歩と危険に近づいていった。

 その真相が、自身の生成にあるのだと知った時の悲しみは、とても言い表せられるものではない。

 だがしかし、それももう終わりだ。

 47体のネームドモンスターの生成も、残すところあと1体。


 それが終われば、きっとこのダンジョンにも平和が訪れ……ることはないんだろうが、新たな苦痛が追加されることはなくなる。


 張り切って頑張りましょう。


「やるぞーっ。えいえいおーっ」

 俺はガチャガチャワイワイモグモグと色々な音が鳴るこの場所で、拳を天に掲げた。

 清々しい決意だ。目は輝いている。きっと良い子が生成されるに違いない。そうさ、ここから俺の真のダンジョンマスター生活が始まるんだ。希望に満ち溢れたダンジョンマスター生活が、この、ガチャガチャワイワイモグモグと色々な音が鳴り響くこの場所から。


 いや、うるせえなっ。


 なんだこの騒音はっ。

 ガチャガチャワイワイモグモグって、雑音が多すぎるだろっ。波の音はどこへ行ったっ。

 なんの音なんだ一体。


 俺はそれら騒音が鳴っている方向を向く。

 そして、それらを鳴らしている張本人達に尋ねた。

「ダンジョンマスターが決意を決めたその横で、貴女達は一体何をしているんだい?」


 すると、それらを鳴らしている張本人達は答える。

「ん? バーベキューの準備だぜ」

「そろそろ日が暮れますので、夜食の準備にとりかかっております」

 その行為に、何一つ問題がないかのように。

 バーベキューと夜食の準備かー。確かに見れば、マキナはバーベキューコンロを設置し、そこに炭を入れ、セラは焚き火の上に飯盒を並べて、寸胴に入ったカレーをかき混ぜている。ガチャガチャするはずだぜ。


「……任せろ。ピッツァ盛り付け担当……」

 その横でオルテは釜戸の温度を確認すると、それで焼くのだろうピザの具材を盛り――。

「……ピッツァ」

 ピッツァの具材を盛りつけている。


「いや、ピザかピッツァかはどうでも良い。なぜダンジョンマスターが最後のネームドモンスター生成へ望む大事な場面、その真横で、食事の準備をしているのか、ということだ」

 普通そこは、神妙な態度で控えているもんなんじゃなかろうか。


「……ピッツァとピザ。どうでも……よくない。……ピッツァ」

「そうだな。どうでもよくないな。ごめんな、ピッツァが正しいよな」

「……訂正しろ。……殺すぞ」

「したよっ、訂正したよっ」

 殺さないでっ。


「あれー? いやそもそも君達、今日ずっと食べてなかった? 海の家で食事めちゃくちゃ出てたし、バーベキューも今日2,3回はやってただろ。まだ食うのか?」

 3人はその質問に対し、頭にハテナを浮かべて再び準備に戻った。戻られてしまった。


「……」


「主様っ。私にも何をしているのか聞いて下さいっ」

「ロ、ローズ。ローズは何をしているんだい?」

「はいっ。主様のために大量の肉を準備しているところですっ」

「そうかいありがとう。でもローズ、主様はダンジョンマスターだから食べなくても大丈夫だし、そんなにたくさんなくても大丈夫だぞ」

「主様、準備する私が大変だと慮って……。ありがとうございますっ、必ずや主様をお腹一杯にさせられるほどの肉を準備致しますっ」


「わっちにも聞くが良い」

「キキョウは何をしているんだい?」

「なんもしておらん。面倒じゃからの」

「なぜ聞かせた。何かしなさい。ほら飯盒の火の番でもしてきなさい。始めちょろちょろ中ぱっぱだ、見てるだけで良いから」

「面倒じゃのう」


「あるじ様ーっ。わたしにも聞いてー」

「ニルは何をしているんだい?」

「もう食べてるーっ」

「でしょうねえ。口の周りベッタベタだもんよ。拭いてあげるからジッとしてなさい。はい綺麗、可愛い可愛い。でもね、まだみんな作ってるんだから、先に食べちゃダメだよ。後でみんなで一緒にいただきますをしよう」

「あるじ様いただきまーす」


「魔王、ワタシにも聞け」

「ユキは何をしているんだい?」

「もう食べているっ」

「でしょうねえ。こういうアウトドアでの食事って、共同作業が必須になると思ってたんだけど、自由過ぎるぜ貴女達」

「元の世界じゃしたことなかったからな。普通を知らん」


 悲しい事実をグーサインしながら言うんじゃない。


「待て待てダンジョンの中核をなす者達よ。もう貴女達には21人と46人の後輩や部下がいるんだ、彼女達の見本となれるように、少しは落ち着きを持つべきじゃないだろうか」

 そうじゃないと、その67人までもがそんな風になってしまうじゃないか。

「例えば今のこの重要な時には、俺を優しく見守ることに徹するとか。な?」


「クッソー、炭に火が全然点かねえっ。風が足んねえのか? ならもっと送ってやるっ、カタストロフ――」

「ご主人様、手が空いているようでしたらカレーを混ぜていて下さい。私はスープに取りかかりますので」

「……チーズ、ベーコン、トマト、トウガラシ、ハバネロ、タバスコ、ウインナー、タバスコ、トウガラシ、バジル……はいらない、タバスコ。……焼く前タバスコ終わり、あとは焼いてからタバスコだけ」


 ダメだ、見守ってくれそうにない。


「見守れないなら、そうだな例えば、せめて静かにしているとかはどうだい?」


「主様ー、まだまだ持って来ますからねっ? 私に全てお任せ下さい、行って参りますっ」

「火を見ているだけじゃと眠くなるのう。しかし寝てはいかん、じゃから、歌うとするかの。カラオケ、セッティングじゃっ」

「まっだかなーまっだかなー、ご飯はまだかなー、あ、こんなところにお肉がいっぱい置いてあるっ。いただきまーすっ」


 ダメだ、静かにしてくれそうにない。


「静かにもできないなら、そうだな例えば、どこか違う場所で――」


「テーブルもセット完了だっ。そして酒樽をドーンっ。魔王っ、ちゃんと玉座から届く位置にテーブルを設置してやったぞ、感謝しろよっ?」


 ダメだ、ここでやる気満々だ。

 なんてこったい。

 良い子が生成される予感が、急速に萎んでいってしまった……。


 いや、良い子が生成される予感だけじゃない、既に生成された子達のいかれた性格が、良い子に軌道修正される予感もまた萎んでしまった。

 なぜなら彼女達初期組こそ、ネームドモンスターの見本となる者達。残る者達は彼女達を参考にして行動する。こんな無法な状態を見られ、あれが正しいのだと思われたら、とてもじゃないがそこから良い子への軌道修正は難しい。


 見られないようにしなければ――、と思ったが、もう遅かった。


「鬱だけど、バーベキューの準備を始めます、鬱だけど」

「ワタクシの華麗なるカレーの味付けを見せてさしあげますわっ」

「釜戸も作ったから、使ってね。喧嘩せずに、ね?」

 二期組は既に、自分達で準備を始めていた。


 そしてそれとは別の場所で、三期組達も。


 なんてこったい。


 我が家のネームドモンスター達には序列がある。

 一位マキナ。二位セラ。三位オルテ。

 四位ローズ。五位キキョウ。六位ニル。七位ユキ。

 そして九位がミロクで、十位と十一位がティアとホリィ。


 しかしそれらの数字に、そこまで決定的な違いはない。一位のマキナと七位のユキとの間には、全くと言って良いほど差はないのだ。

 差があるのは、ユキとミロク。つまり初期組と二期組との間。

 そう、我が家の序列は、初期組、二期組、三期組で、明確に分かれている。だからこそ、二期組は初期組に、三期組は二期組と初期組に追従してしまう。

 こんなことでも……。


 やっちゃったかー。

 早いよやっちゃうのが。凄い楽しそう。


 ダンジョンマスターはダメだって言ってるんだけどね。なぜか序列一位より上であるはずのダンジョンマスターの意見に、誰も追従してきてくれない。

 俺は序列第零位じゃないのか。

 謎である。


 まあ、つまりは俺は零位じゃないってことなんだが。

 じゃあ俺は一体、何位なんだ……。

 八位なのか?

 空白だし。

 誰も名乗らない序列第八位ってのが、もしかしたら俺のことかな。

 それは結構ありそうだな。零位じゃなくても八位くらいならあり得そうな気がする。初期組より下で、二期組よりも上、その位置なら。


「違うぜ」

「違いますね」

「……違う」

「違います」

「違うの」

「違うー」

「違うぞ」


 ……。


「……ん? 電話だ、はい、もしもしダンジョンマスターです」

『違うわ』

 電話は、それだけを伝えてブツっと切れた。


「……はい」

 まあ、八位だったら二期組と三期組は言うこと聞いてくれるからね。違うのは知ってました。


「さーて最後の生成だ、ガンバロー」

 俺はそう言って、拳を天に掲げた。先ほどと同じ動作だが、多分、目は死んでいる。


 生成するのは、11階層、神殿の管理人。

 ダンジョンの生死を決定付けるような非常に重要な役割を持つので、しっかり生成したいと思います。目は死んでるけど。そんなダンジョンマスターを誰1人として気にかけず、みんな作業してるけど。


 11階層は10階層や12階層の大きさに比べ、非常に小さい。

 奥行きも幅も100mないのだ。


 見つけることは難しい。小さいだけでなく、地上に存在すらしていないのだから。


 このダンジョンでは1階層から10階層が自然階層と呼ばれ、11階層から20階層が廃墟階層と呼ばれている。

 だがその実、10階層と12階層が隣接しており、11階層はどこにもない。その境目をずっと辿っていっても、11階層に足を踏み入れることはできないのだ。


 いや、できるっちゃできるな。失敬。

 11階層の入り口は、10階層と12階層を跨ぐように建てられた、朽ちた神殿。その中にある、掠れた転移陣となっている。

 それに入れば辿り着く。高度6000mに浮かぶ、小さな浮島、11階層に。


 11階層は、ちょっとした庭と、建物が一つだけある階層で、その建物が神殿。

 贅を凝らし粋を集めたわけでこそないが、決して簡素ではない、荘厳で趣きある建物。

 また、建物の外側部分は、ギリシャ様式のように柱と梁のみで造り、扉はおろか壁すらもなく、どこを向いても空が見えるような解放感を。反対に建物の中心部分は、まるで箱のように密閉され窓一つなく、明かりがロウソクのみという閉塞感を。それぞれ与える。


 神を祀り、神聖な儀式を行う神聖な場所が、神殿と呼ばれるのだが、それら相反するそれぞれの空間は、そう呼ばれるに相応しい雰囲気を、そこにいる者達に感じさせることだろう。


 もちろん、それだけの雰囲気がある場所なのだから、そこでの祈りは神様にも届き得る。

 祈りによって時折、神様が顕現するのだ。


 といっても、偽の神だが。


 その偽の神こそ、これから生成するネームドモンスター、神殿の管理人である。

 神殿の管理人はこの神殿において、神として侵入者達と関わるのだ。

 是非、侵入者達にはこの管理人を崇めてもらいたい。存分に。そのためにこちらで色々サポートしよう、願いを叶えてしんぜよう。だから、何をしても。何がなんでも崇めてくれ。


 そして管理人よ。

 踏破の腕輪などのアイテムを回収する、その役割を、しっかり果たしてくれ。


 踏破の腕輪などの踏破と名の付くアイテムは、悪い行いをしたダンジョンに、強制的に出現するようになる、ダンジョンを滅ぼす用のアイテム。

 その効果は凄まじく、侵入者が死ななくなったり、ダンジョンモンスターに襲われなくなったり、ダンジョンモンスターを復活不能にできたりする。


 一つ出現しただけなら赤字が増えるくらいで済むのだろうが、もちろん出現するのは一つではない。

 踏破系アイテムは各階層への侵入者数に応じた個数が、その階層のランダムな位置に出現するものなのだ。侵入者が多くなればなるほど、大量に出現してしまう。

 しかもこのダンジョンの場合、踏破系アイテム5種類をコンプリートしているため、5種類全てが出現する。探すことを目的に据えたなら、あっという間にパーティー分を見つけることができるだろう。

 それが赤字だなんて言葉で済むはずがない。


 回収作業は、必至である。


 とはいえ踏破系のアイテムは、いわば罪のようなもので、回収する行為は、天に唾を吐く行為に等しい。

 ダンジョン内に出現した踏破系アイテムを、ノーマルモンスターなどに命令して回収させてまわるだとか、そんなことは絶対にしてはならない。そんな命令はしない。できもしない。

 だが、侵入者から奪い取るのは、ダンジョン的にもアリなのだ。


 例えば、神と偽り崇めさせ、踏破の腕輪などのアイテムを渡して下さい、と言わせることによって、回収することなどは。


 なぜなら、ダンジョンとは、侵入者を育てるシステムのようなものであるが、その育てるとはなにも、Lvや戦い方だけに限った話ではない。

 罠を見分けることやチームのまとめ方、それから、賢さや騙されないことなども含んでいる。


 嘘で踏破系のアイテムを奪うことは、そちらを鍛えることに符合するのだ。

 馬鹿にダンジョンを踏破されるわけにはいかないからね。


 ダンジョンの倫理の盲点をついたこの素晴らしき方法。俺もいつの間にか、ダンジョン経営が上手くなったものよ。幾度ものピンチを乗り越えた実力派ダンジョンマスターなだけのことはあるぜ。


 だから、管理人には、上手く回収して欲しいと思う。

 セラの方でも何やら踏破系アイテムへの対応を行うと言っていたが、まあそれと上手く噛み合って、さらに良い結果を残せれば良いかな。


 なお、11階層をわざわざ隠し階層にしたり、天に浮かせた理由は、その際の説得力を高めるための材料になるから。

 見つけ辛く、そして荘厳な場所だからこそ、偽物ではなんて疑いは、煙のようにかき消されるだろう。


「……完璧だ。相変わらず。うん、いつも完璧なんだよ俺は。ダンジョン作りというか、ステージ作りというか、それは」

 地下都市も窪地も、コロシアムも遺跡迷路も、裏ボス達のところも、それ以外の干支や五獣達の階層だって、全て。

 しかし、それらがまともに機能するのかどうか、俺にはもうサッパリ分からない。

「結局最後は人なんだ。どれほど完璧なステージだろうとも、そこを扱う者によって、その結果は大きく変わる」


 優しい子。そんなのはどうでもいい。

 ちゃんとした子を生成しよう。


 ちゃんとした子になりますように。


「ああ、怖い。ドキドキする。ここでダンジョンの命運が決まるんだ。――みんな、少しでいい。夕飯の準備にかける熱意を、俺に少しだけ分けてくれっ」


「クッソー、火が点かねえっ。あ、マスター、生成するんなら、ちょっと向こうでやってくれ」

「そうですね、あの辺りまで行って下さると助かります」

「……タバスコ追加」


「行ってらっしゃいませ主様っ」

「ユキ、次はわっちの番じゃぞ。替われ」

「お腹すいたー」

「もう1曲だけ。もう1曲だけ。キキョウはさっきずっと歌ってたんだから良いじゃないかっ」


 ……。はい、タバスコだよー。


 俺は言われた通り、7人から少し離れた場所で、生成の項目設定を始めた。

 俺の扱い、おかしくない……?


 やっぱり、ちゃんとした子なだけじゃダメだ……。優しさを……、優しさを下さい。

 そして、生成したタイミングで決まる初期組二期組三期組の序列を無視して、初期組にも意見できるくらいの権力を持った子よ、どうかきて下さい……。


「行くぜっ、最後の生成だっ」


『 レプリカント

   ユニーク

   性別:指定無し

   造形:指定無し

   性格:指定無し

   特徴:指定無し

   適性:指定無し

   能力値:指定無し 』


 種族は神様ということで、ゴーレムやドールよりも人の見た目に近い、レプリカントに。とっても良い種族さ。

 さて、ここからどうするかだが、まあ、まずは性別を女性にし――。


『 レプリカント

   ユニーク

   性別:女性、じゃなくて女神 ・・・20000P

   造形:指定無し

   性格:指定無し

   特徴:指定無し

   適性:指定無し

   能力値:指定無し 』


 ――て、って、え? あれ? 勝手に決まったぞ? え、女神? 2万P?


『 レプリカント

   ユニーク

   性別:女性、じゃなくて女神 ・・・20000P

   造形:おっとりにも見えるが明るく快活そうで素晴らしく美人で可愛らしく、神々しさと流麗さや雅さをかねそろえ思わず祈りたくなること間違い無し、つまりは女神 ・・・30000P

   性格:指定無し

   特徴:指定無し

   適性:指定無し

   能力値:指定無し 』


「おいおいおい」


『 レプリカント

   ユニーク

   性別:女性、じゃなくて女神 ・・・20000P

   造形:おっとりにも見えるが明るく快活そうで素晴らしく美人で可愛らしく、神々しさと流麗さや雅さをかねそろえ思わず祈りたくなること間違い無し、つまりは女神 ・・・30000P

   性格:優しく清らかで慈しみがありどんな時も善良で寛容だけど、おっちょこちょいで目立ちたがりで、誰かに頼っちゃうか弱い一面も持ち合わせるのよ、可愛いでしょ? つまりは女神 ・・・40000P

   特徴:女神 女神の慈愛 溢れる神力 神性 清らかなオーラ 圧倒的な気品 拠り代 いずれ本体 制限された機能 地上顕現 神おろし 後光 ランダム魔眼 つまりは女神 ・・・50000P

   適性:指定無し

   能力値:指定無し 』


「待て待て待て」


『 偽神

   ユニーク

   性別:女性、じゃなくて女神 ・・・20000P

   造形:おっとりにも見えるが明るく快活そうで素晴らしく美人で可愛らしく、神々しさと流麗さや雅さをかねそろえ思わず祈りたくなること間違い無し、つまりは女神 ・・・30000P

   性格:優しく清らかで慈しみがありどんな時も善良で寛容だけど、おっちょこちょいで目立ちたがりで、誰かに頼っちゃうか弱い一面も持ち合わせるのよ、可愛いでしょ? つまりは女神 ・・・40000P

   特徴:女神 女神の慈愛 溢れる神力 神性 清らかなオーラ 圧倒的な気品 拠り代 いずれ本体 制限された機能 地上顕現 神おろし 後光 ランダム魔眼 つまりは女神 ・・・50000P

   適性:愛と勇気によるもの全て HP吸収 MP吸収 つまりは女神 ・・・30000P

   能力値:全能力成長率上昇 ・・・30000P 』


「いや、種族も変わってしまっとるがな」

 俺が決めたとこゼロやん。


『これで生成を開始します。よろしいですか?』

「……いいえ」


『これで生成を開始します。よろしいですか?』

「いいえ」


『これで生成を開始するわ。よろしくないわね?』

「いいえ」


 俺がそう言った途端、光の靄が現れた。

「――は、引っ掛けられたっ」


 鮮やかな桃色の光。

 だが、まるで爆発するような強烈な衝撃が駆け巡るっ。

「そういえばかけたPに応じてエフェクトは凄くなるんだったっ。マキナの時以上だ――、まさか離れろってこのためっ?」


 全員知ってたんかーいと叫びながら、後ろに2,3歩下がって転げ、そのままゴロゴロゴロゴロと砂浜を転がっていく俺。

 顔を上げた時には、桃色の光がなくなっており、桃色の髪の美少女が1人、そこに立っていた。それは、あまりにも神々しい姿。


 生成されてしまった……。

 設定された項目を見た感じ、とんでもないのが生成されてしまった。俺、何にもしてないのに……。いや、でも、生成されてしまったのなら、名前をつけなければ、名前を。

「えーっと、君の名前は……、君の名前は……」

 なんて付ければ良いんだ。

「君の名前……君の……名は?」

 聞いちゃった。


「ヒントは、マで始まってヌで終わるわ」

 すると、そんな返答がきた。

 返ってきちゃった。


 俺は1つ溜め息をつく。

「……君の名前は、マリアンヌ」

 そうして俺は名前をつけた。

 つける前からそうだったんだろうが。


「序列第八位、愛と勇気の女神、マリアンヌちゃん。ここに顕現。いえーい」


 その神々しさを放つ美少女は、マリアンヌ。この世界で信仰される神が一柱。


 ふんわりヘアーというのか、少しクセのある桃色髪をツインテールにしたマリアンヌは、確かに設定した通りにおっとりに見えるが明るく快活そうで、美人で可愛らしい。

 それはきっと、成長途中の歳だからこそ両立する顔立ち。また体つきも同様に、細さと硬さと幼さがありつつも、ふくよかさと柔らかさと艶やかさを両立している。人の一生の中で一瞬だけ起こる、神の奇跡とも言えるタイミングで、時間が止まっているようだ。


 格好は巫女服で、袴は赤色よりも桃色に近く、そして生足が少し裾からはみだす。

 神なのになぜ巫女服なのか、なぜ桃色なのか、なぜ足が出ているのかは不明だが、絶妙に似合い、美しさや可愛さといったものをさらに引き上げていた。


 割とふざけた格好ではあるし態度もふざけているが、しかしその存在感と神々しさは、マリアンヌが神であることを存分に示している。

 信じざるを得ない。

 乗り込まれたことを……。


『 名前:マリアンヌ

  種別:ネームドモンスター

  種族:偽神

  性別:女

  人間換算年齢:14

  Lv:0

  人間換算ステータス:220

  職業:天空神殿の神様

  称号:顕現せし愛と勇気の神

  固有能力:???? ・????????

      :???? ・????????

      :???? ・????????

      :???? ・????????

      :赤糸の魔眼 ・左右、視界内に赤い糸を表示し、操作する。

      :慈悲因果 ・慈悲に交わる。

  種族特性:???? ・????????

      :???? ・????????

      :???? ・????????

      :???? ・????????

      :???? ・????????

      :???? ・????????

  特殊技能:オーラドレイン ・生命力と魔力を吸収する。

      :ミソロジープレイ ・神の力をさらに送り込み、位階を上げる。

      :???? ・????????

  存在コスト:30000

  再生P:210000P 』


 鮮やかな桃色の髪色と同じ色の左右の瞳を持ったマリアンヌ。

 その力は、まさしく神だ。

 自分のところのネームドモンスターなのに、能力が何一つとして不明だとは。いや再生Pえぐいなっ。


「ダンちゃん、顔を合わせるのは意外と初めてね。どうもあたし、マリアンヌちゃんです。よろぴくっ」

「……よ、よろぴく」

「いえーい」

 マリアンヌはピースサインを作り、テンション高く笑いかけてくる。いや、いえーいじゃねえよ。

お読み頂きありがとうございます。

また、ブックマーク、評価、感想、それから誤字脱字を直して下さったりなどもありがとうございます。

モチベーションにさせて頂き、頑張っております。


なお、今回こそは、誤字脱字がないだろうと、私は確信しております。

もしあったら、その時は……、本当にすみません。


ともあれ、今回で、三期組の全てのネームドモンスターの生成が終了しました。1人2人くらいの名前を覚えて頂けていたら、最高です。

これから名前を聞いただけでどんなキャラだったかを思いだせるくらいに、頑張って書いていきたいと思います。


あと、3話ほどで、この章も終わります。頑張ります。ありがとうございました。

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