第4話「魔石」
第4話「魔石」
しばらく歩くと足元にキラキラ光る石が何個か落ちている小道に出る
「魔石が落ちてるね、まだ洞窟の手前なのにこれだけの魔力量があるなんてもしかしてここの領域の支配者は魔石に関係してるのかな」
まずいなもし中に参加者がいたら太刀打ち出来ない
「この洞窟を迂回する方法はないのかな<リ・メモリー>」
地図をくまなく見て脇道がないか探してみる
よく見ると洞窟の手前を横に抜けると洞窟の上に木が茂っている場所がある、そこなら洞窟に入らずに中央に抜けられるかもしれない
僕はそのことをユリアに伝える
「そうかじゃあそっちの道を通ろう、その前にここに落ちてる魔石を拾った方がいいと思うよ、
こんなのでも無いよりはマシなはずだし」
確かに魔法が使えない状態でも魔石があれば逃げることくらいは出来るかもしれない
「じゃあそこらへんにあるのを適当に拾おうか
ユリアも手伝って」
「魔力を使いすぎたからボクはちょっと休憩しようかな」
ふぁー眠い、そう言ってユリアは僕の肩に乗って寝てしまった
仕方ないか、ユリアが起きるまでに近くの魔石を拾っておこう
手始めに足元に落ちている真紅に輝く魔石を拾う
これは赤いし火属性の魔法かな?
とりあえず魔石の使い方を調べないと
<リ・メモリー>
どうやら魔石は手に持って詠唱すれば使えるらしい
「試しに使ってみるか」
先程拾った魔石を右手に持ち詠唱を始める
「真紅の業火よ全てを焼き尽くせ<紅蓮爆-ファイアーボム>」
手に持っている魔石が輝き熱を持つ
「えっもしかしてこれが爆発するの?まずいっ」
僕はとっさにそれを前方に投げる、すると奥にあった同じ色の魔石がそれに共鳴するかのように輝き出す
僕は全力で後ろに走りながら蒼の魔石を拾い急いで詠唱する
「激流よ我を護る盾となれ<流水壁-ウォーターバリア>!」
詠唱を終え蒼の魔石を前に投げた瞬間先ほどの真紅の魔石が爆発する
爆発が迫ってくる中、僕の目の前に水の盾が出現する、だが炎が盾を今にも貫きそうな程勢いを上げている
「頼むっ持ちこたえてくれ!」
僕の必死の叫びも虚しく炎が盾を貫く
瞬間水の盾が凍りつき更には盾を貫いた炎すらも凍りついていた
「助かった...」
間一髪爆発を免れた僕は近くにあった石に腰をつき、先程起こった出来事を思い出す
(一体何が起こったんだろう、大爆発が起こったのは恐らく僕が投げた魔石に他の魔石が反応したからだろう、だけど水の盾が凍りついたのは一体何だったんだ僕が難しい顔をしているとユリアが眠そうな顔をして肩から飛び降りる
「すごい音がしたけど一体どうしたんだい?」
そう言って洞窟の前に空いた大きな爆発跡を見て驚いた
「えっと何があったのかはもう聞かないけど、こんな跡が出来るくらいなら洞窟に人がいたら確実に気づかれてるよね」
確かにこのままここに居たら見つかってしまう可能性が高い
「急ごう、魔石は沢山あっても大変なことが起こるだけだってわかったから1つでいいか」
手近にあった翡翠色の魔石を拾い駆け出す
やはり地図で見た通り抜け道がある
特に整備のされていないはずの獣道だがここには魔石は落ちていない
「魔石が落ちてるのは洞窟の周りだけなんだね」
「洞窟の魔力が入り口から溢れてきて結晶化してるみたいだからね、キミそこを左じゃないかな」
ユリアに言われて危うく道を間違えそうになっていたことに気づく、やっぱり地図がずっと見えていないのは不便だな
「地図を目の前に出せる魔法とかないの?」
そこまでの期待はせずにユリアに質問する
「それはキミの技量次第だと思うよ、キミに教えた魔法は情報の出し入れが出来るものだからね」
そうだったのか、なら僕にも出来るかもしれない
意識を集中して詠唱する、ただ前に地図を出すことだけを考える<リ・メモリー>
すると地図が空中に現れる
「おーまさか一回で成功しちゃうなんて、やっぱりキミは凄いや」
「そうかな」
僕は頭をかいて照れたような仕草をする
そして目の前の地図を見てルートを再確認する
ここを左に曲がれば洞窟の上に出るそこを抜ければ目的地まで障害物は何もない
そう思い左に曲がり木をかき分けて進んでいと
ふと視界が明るくなる
「うわー綺麗」
たどり着いた場所は見渡す限り宝石で出来ている樹木で溢れかえっている
そうこの場所の名は<宝石庭園-ジュエリーガーデン>
次話 庭園での邂逅
第4話いかがだったでしょうか?
魔石で使う魔法は使用者によって詠唱方法もその効果も違うという面白い要素があります、つまり瞬時に詠唱を思いつく智也には何か才能があるのかも
次の話は作者のお気に入りの登場人物が出た来ます、是非お楽しみに!
では次の物語で
更新は基本作者が朝起きたらします
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