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第3話「魔法」

第3話「魔法」


「はあはあ」

僕は息を切らせながら森を駆ける

「さっきからだいぶ時間が経ったけど洞窟はまだなのかな?ユリアは何かわかる?」

肩の上でユリアがぴょんと一回転する

「あとちょっと進んだ先に魔力反応があるねきっと洞窟の中に魔石が沢山あるんじゃないかな」

魔石...聞きなれない言葉が耳に入るホームズさんから貰った魔力の込められた結晶のようなものだろうか

「ねえユリア魔石って何なの?」

「キミは何も知らないんだねこれからもいちいち教えるのも面倒だし僕の知っている知識をキミにインストールしてあげるよ」

「知識をインストール?それって魔法みたいなもの?」

ユリアがコクリとうなづく

「そうだよ、ただしキミがその知識を使えるのはそれに関連した行動を起こした時だけ」

何で最初から全部教えてくれないんだろう

そういう魔法なのだろうか

「わかったじゃあやってもらえる?」

「了解じゃあ始めるよ」

ユリアが肩から降りて詠唱を始める

「汝全てを忘却するもの、我全てを知る者、因果をここに我が記憶、我が経験を汝に授けよう」

<封魔継承-アルターストーリー>

僕の周りを翡翠色の光の線が包み込む

頭の中に自分の知らない記憶が入ってくるそれは何だか懐かしいようなそれでいて新しい不思議な物だった

「終わったよ、じゃあ試しに魔石について思い出せた?」

僕は暫く考えて返事をする

「ええっと何も思い浮かばないんだけど」

「そっか言い忘れてたけど記憶を探る時は何かきっかけとなる言葉とかいわゆる魔法を唱えないといけないんだ、それは自分で考えてみてね」

魔法か、なんて言おうかなそのままインストールとか?それとも別のを自分で考えようか

暫く悩んだあと僕は決めた言葉を口にする

「<物語よ甦れ-リ・メモリー>」

頭の中にイメージが流れ込んでくる

<魔石-それは魔力の込められた鉱石で空気中に溜まった魔力の濃度が高くなると突然発生する、様々な種類のものがありその性質は色に現れたりするこれを使えば結晶同様一般人でも魔法を行使することが出来る>

「凄いなユリア、ちゃんと魔法つかえたよ」

ユリアが首を横に振る

「キミにもともと魔法の素質があったんだ、そうでなくちゃ僕が教えたところでこんなすぐには使えるはずないよ、やっぱりキミはこの戦争に呼ばれるべくして呼ばれたはずだよ、というか普通の参加者は呼ばれた時から魔法を使えるはずなんだけどね」

確かにそうかも知れないけど僕には叶えたい願いもなければ歴史に残るような伝承を残しているわけでもない、この世界に呼ばれるような理由が何一つない

「まあいいや、じゃあ初めての魔法も覚えたわけだし魔石が沢山ある洞窟に行こうか」

「あっ言い忘れてたけどその魔法でこの世界の地図もわかるはずだよ、この世界は召喚された者たちに関係している地形が合わさって構成されているんだ一度確認した方がいいと思うよ」

そんなことまで魔法で出来るのか、もはやそこまできたら記憶を呼び戻すというより便利なツールのような感じだ

「<リ・メモリー>」

頭の中に地図のイメージが流れ込む

それは想像の何倍もの広さだった

火山に氷原、砂漠と普段は見慣れない光景が広がっている

どうやら僕たちがいた場所は地図の左端のあたりで今そこから中央に向けて歩いているようだ、そして中央には安倍晴明の家がある

「あれっ時の水晶は中央にあるんじゃなかったの?」

僕が見ている地図には時の水晶は右上にある

ユリアが少し驚いたように飛び跳ねる

「時の水晶が参加者の領域に引き込まれてる?

そんなことが起こるなんてその領域の主はよほど水晶と関係があるんだろうね、一体どんな因果が結ばれているんだろう」

ユリアでも推測の域を出ない参加者なんてどんな人なんだろう

「それじゃあ棄権するにはそこを通らなきゃいけないのか、優しい人だといいんだけどな」

ユリアが呆れ顔をする

「そんなに楽観視しない方がいいと思うよ、おそらく容赦無く襲いかかってくるはず、そこに向かう前に何かしらの魔法を習得しておくべきかもね」

「魔法の習得か、確かに今のままで進んでも誰かに出会ったらすぐやられちゃうもんね」

まあこの世界は割と広いみたいだしそんなにすぐ他の参加者に出会うことはないだろう

そんなことを思いながら森を抜けるために歩を進める

目指す洞窟の名は<一晩の夢-サンドリヨン>

ここでは何が待っているのだろうか

次話 魔石

第3話いかがだったでしょうか、同じ日に投稿している関係でいよいよ書くことが無くなってまいりました

智也や他の登場人物については今日中にまとめたキャラ紹介的なものを投稿する予定なのでそちらも是非よろしくお願いします

では次の物語で


更新は基本作者が朝起きたらします

感想等はこちらまで

https://mobile.twitter.com/atorietsubasa

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