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第2話「探偵と犯罪者」

第2話「探偵と犯罪者」


「あいたたた 」目がさめると自分の部屋に戻ってきていた


「おかしいな,さっきまでお墓にいたはずなのに」(まさか魔法戦争に呼ばれたから?そもそも魔法戦争って本当にあるのか?)


「久しぶり、いや初めましてと言うべきかな智也」


突然後ろから声が聞こえた


「なっなんだ何で猫が喋ってるの!?てかさっきの猫か?」


「何言ってるの、キミが僕を呼び出したんでしょボクの名前はユリアこれからよろしくね」


この猫は何を言っているんだ、とにかく一回状況を整理しよう

まず僕の元に怪しげな魔法戦争への招待状が届いた。

そして墓参りにいったら目の前に猫が現れて僕は光に包まれて自宅にいると....つまりこれは


「一体全体何がどうなっているんだ」


「いい?キミは魔法戦争の参加者に選ばれたんだそしてもう魔法戦争は始まってる、ここは今戦場なんだよ」


「ここは僕の家だけど 一体なんのことなんだ?」


僕がそう言うと猫...じゃない、ユリアが先程の招待状を口でくわえて近づいてくる


「キミは魔法戦争に自分の意思でさんかしたんじゃないの?」


「取り敢えず口に物をくわえながら喋るのはやめなよ」


ユリアは招待状を落としてぼそっと呟く


「おかしいなあ、時の水晶は参加者の魂の声を聞いてこの世界に呼び出してるはずなのに」


「じゃあ僕の魂が魔法戦争に参加したがってたってこと?」


「でもキミは魔法戦争の事何もわかってないんでしょ」


確かに僕自身が何も知らないのに魔法戦争なんてものに参加したがっているはずがない


「何かの間違えじゃないのか? それに招待状にはリタイアしてもいいって書いてあるしリタイアしちゃうか」


「リタイアするなら世界の中心部にある時の水晶のところまで行かないといけないよ、間違って招待されたならそこまで無事にたどり着けるかなあ」


どうやらユリアはリタイアして欲しくないようだ

でも僕には何の力もないし魔法戦争とやらで戦える自信もない

ドッカーン 突然爆破音が聞こえて窓ガラスが割れる


「もう魔法戦争は始まってるからね、ここにいたら危ないかもよ」


突然の出来事でパニック状態だがここが危険なのは一目瞭然なのでとりあえず外に出ることにした

バンッバンッ 外に出ると銃声が聞こえた


「一体どこに隠れたのかね私の銃弾からは逃げることは出来んよホームズ君」


爆発の煙の向こう側から声が聞こえる、恐らく銃声の主だろう それにしてもホームズってあのホームズなのか?


「こちらだよモリアーティ!」


今度は後ろから声が聞こえる 煙の中で動き回っているようで影しか見えないがあの人がホームズなのだろうか

僕はガレキの陰に身を潜めて隠れる


「珍しい戦いだね」


「そうなの?」


「キミは魔法戦争のことは知らないから仕方ないかもしれないけど魔法戦争の参加者はそれぞれ魔法を持っていて、こういう銃とか爆薬みたいな一般的な武器が使われることはあまり無いんだ」


ユリアがそう言い終わると同時に前方からダイナマイトのようなものが投げられる

その先には人影が見える、見たことがある気がする少女が飛んでいる、一体誰なんだ


「何ボーッとしてるの!逃げないと爆発に巻き込まれるよ」


ユリアに言われて我に帰る


一方上空では


「全くどうなってるのよ ついてないわね現界した場所でいきなり戦闘に巻き込まれるなんて」


「もーアスはついてないんだから、とにかくここから逃げなきゃ」


(あれっあの人さっきの....)

瞬間水晶玉のようなものが宙に浮き弾けて辺りを照らす


「まずいっ、風の元素よ我が呼びかけに答えよ<瞬間転移-トランス>!」


1人の少女と従者は風となって弾けた


「早くこっちに来るんだ君、そちら側は危険だぞ」


そう言ってこちらに手を伸ばす影が見える

その手には時計の針の模様が一本刻まれている


「キミそっちに行った方がいいんじゃない?」

ユリアに促されてホームズと呼ばれている人物の手を掴んだ

その瞬間目の前が真っ白になって視界がぼやける

あれ? 気がつくと森のような場所の中にいた

目の前には黒髪で長髪、ベレー帽の様なものを被っている男が座っている、彼がホームズなのだろうか


「助けてくれてありがとうございます!あのー本当にあの名探偵ホームズさんなんですか?」


僕がそう質問すると男は立ち上がってこちらを見据える


「そういう君はどうやら巻き込まれたただの一般人ということでいいのかな?」


「凄い、どうしてわかったんですか?」


「簡単なことだよ、君が履いている靴はさっきまで僕らがいた領域の時代のものだ、そして君は住宅街と思わしき場所で私と出会った、つまり君はあの住宅街の住人だ、更に君が連れている幻想種は原初の魔法戦争で召喚されたという特別なものだ、以上の証拠から君が何かのトラブルで魔法戦争に巻き込まれた可能性が高い、というわけだよ」


この短時間でそこまでの情報を読み取るなんて本当にこの人はあの名探偵ホームズなんだ

僕は最初から気になっていたことを聞こうとする


「その右手にある印って....」


ドッカーン後ろの森で爆発が起こる


「どうやらもう追って来たようだね、君は下がっていたまえ一般人に彼の相手は出来ない」


僕はホームズさんの言葉にうなづきユリアを肩に乗せ林の影に隠れる


「ホームズ君、もう逃げ場はないようだねそろそろ観念してもらおうか」


影がホームズに話しかける


「モリアーティ、生憎影と話す趣味は無いものでね、まずはその影から這いずり出してやろう<光爆弾-フラッシュボム>!」


ホームズさんの手からさっき上空で爆発したのと同じ光の玉が放たれ影に直撃する

すると影の中から白髪の紳士が出てくる

あれがモリアーティなのだろうか


「ぐっ影から私を出しただけではでキミの敗北は変わらんよ! <銃火雫-ファイアードロップ>!」


瞬間モリアーティの周りに火縄銃が出現し銃弾がこちらに放たれる


「まずいっ避けろ少年!」


ホームズが僕の前に乗り出し結界を紡ぐ


「<銃弾壁-スマイリー>!」


目の前に魔法陣が出現し銃弾を防いでいく、どうやらあの結界はその名の通り銃弾を防ぐものらしい


「ここは結界で持ちこたえようその間に森の奥に逃げるんだ!」


ホームズがキラキラ光るかけらをこちらに放り投げる


「これは?」


「僕の魔力を封じ込めた結晶だ、フラッシュボム1発分くらいの威力はあるだろう」


「逃しはしないよ、魔術の存在する世界でただの銃を出すだけの魔術があると思うかね?」


ドロリ、火縄銃が溶けて炎の球となってこちらに向かってくる


「まずいな僕の結界は物理壁だ魔術相手ではそう長くは持たないだろう急げ少年!」


背後から結界が今にも砕け散りそうな音が聞こえる僕は無我夢中で森の奥に走った

森の木々がざわめく、突然肩に乗ったユリアが話し出す


「小さな魔力反応が接近して来てるよ攻撃じゃないみたいだけど警戒して」


「凄いなユリアはそんなことまでまわかるのか」


「普通の魔術師レベルでもこの程度のことは出来るはずなんだけどね、君は本当に何も感じないの?」


さっきの戦闘でも魔術を使われた時特に何も感じなかったやはり僕は魔法戦争には関係ない人間なんだろうか


「魔力反応急接近、上だよ!」


空から折り鶴のような紙が降ってくる

一体これはなんなんだ


「あーあー聞こえますでしょうか 」


「紙が喋った!」


「これは私の式神いわゆる使い魔のようなものだと思ってください、自己紹介が遅れました私安倍晴明と申します、突然ですがこれより皆様を私の屋敷へ招待いたしますそこで今回の魔法戦争の決着をつけてしまいましょう」


安倍晴明、確か昔の日本にいた陰陽師のはず、そんな人物までいるのか


「僕は間違えてこの戦争に呼び出されたらしいから残念ながらその招待は受けられないです」


「それは本当ですか? 私には君がただの人であるようには思えないのですが、君のそばにいる使い魔は君自身で呼び出したのもではないのですか?そもそも通常のそれとは異なるし使い魔はそこまで高い魔力量を持っているはずがない」


そうなのか?僕はユリアに話しかける


「ボクは使い魔なんかじゃなくて幻想種だ、そんな魔力で簡単に作れるものと一緒にはしないで欲しいな」


「古の魔法戦争における魔法生物、君はなかなか興味深いですね、是非僕の屋敷に来てもらいたい」


あいつには僕のことがわかったのか?ホームズさんが言っていた原初の魔法戦争とユリアが関係しているとしたらユリアは特別な存在なのかもしれない


「わかった屋敷には向かおう、でも僕は戦うつもりはないし話を聞いたらすぐに水晶へ向かわせてもらう」


「いいだろう屋敷の方角はそこから北へ少し行ったところにある洞窟を抜けてすぐだ、待っているよ」


目の前で先程まで飛んでいた使い魔が砕け散る


「キミ本当によかったの?罠かも知れないよ?」


「それでも先に進まないと何もわからない、ホームズさんには申し訳ないけど僕は行かなくちゃいけない」


ポケットに入った結晶を握りしめて森を進んでいく


森の前


「どうやら逃げられてしまったようだなだが貴様だけはここで消し去ってやろうホームズ!」


火縄銃の数が倍以上に増えて炎弾と化しホームズの目の前まで迫る


「彼さえ逃がせればそれで十分だ、では影よ私の偽りの伝承を紡ぐとしよう、これは我が生涯の罪、これは我が生き様<全てを見通す目-ファルスアイ>」


ホームズの周りの魔力の流れが変わる彼の足元に魔法陣が紡がれホームズの目が藍色に輝く

瞬間目の前まで迫っていた炎弾が影に飲み込まれ消えていく

そして迫っていた炎弾全てを影が飲み込み消滅させる


「炎弾1発ならともかく全てを消し去るとはそれがキミの伝承か、ならば私も伝承を紡ぐとしよう」


モリアーティの身体から影が伸びる


「残念ながらその必要はないよ僕はそろそろお暇させてもらうとしよう<フラッシュボム>!」


目も開けられないような輝きが辺りを包む


「逃げられてしまったか、では私は暫く消えるとするかね」


モリアーティは影に落ちその場は静まり返った


「さて物語の登場人物は揃った、次に影へと沈むのは誰だろうかね」


ここでは無い何処かで不気味に声は響く

次話 魔法






第3話いかがだったでしょうか?

シャーロックホームズにジェームズモリアーティとこれまた賢そうな方々が出てまいりましたね、僕がこの2人を選んだ理由は単純にシャーロックホームズの小説が好きだからです、皆様も暇があったら是非読んで見てください

では次の物語で


更新は基本作者が朝起きたらします

感想等はこちらまで

https://mobile.twitter.com/atorietsubasa

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