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第三十六話「風呂上がりのフローラとレーネが可愛すぎるので、今日は一緒のベッドで眠ろうと思う」

 フローラの着替え中に扉を開けた俺は、慌てて扉を閉めた。

 久しぶりにフローラの裸を見たが、やはり彼女の裸体は刺激的すぎる。


 雪の様に白い肌に、Eカップの巨乳。

 俺はフローラの様な体系が好きなのだろうか。


「もう大丈夫ですよ……ラインハルトさん」

「うん……」


 フローラが扉を開けると、俺は思わず赤面した。

 脳裏にはフローラの裸体が浮かぶ。


「ラインハルトさん、もしかして他の魔物と一緒に居ましたか? 知らない匂いがします」

「よく気が付いたね。実は……」


 俺はフローラとレーネにサシャとの出会いを話した。

 レーネは明日雷山まで俺を乗せてくれる事になった。


「私も盾の状態で一緒に行きますよ。ラインハルトさんは私が守るんですから」

「ありがとう。いつも助かるよ」


 フローラの小さな頭を撫でる。

 金色のふわふわしたロングヘアは触り心地が良い。

 レーネも俺の方に頭を向ける。

 ウィンドホースの時も、ブラッシングをして欲しい時は俺をじっと見つめていた。


「レーネも撫でて」

「よしよし。明日は三人でお出かけだ」

「エリカさんは街に残るんですよね?」

「恐らくね。アナスタシアはもしかしたら一緒に来てくれるかもしれないな」

「それなら心強いですね。そろそろ寝ましょうか。今日も楽しかったですね」

「ああ。デニスさんと出会ったり、冒険者達とお酒を飲んだり。明日からもまた忙しくなりそうだ……」

「そうですね。あの……ラインハルトさん、私も一緒のベッドで寝ても良いですか?」


 フローラが赤面しながら俺を見つめる。

 エメラルド色の澄んだ瞳がまた美しい。

 フローラの隣でレーネも静かに俺を見つめている。


「それじゃ三人で寝ようか」

「はい!」

「うん、レーネも一緒に寝るの」


 折角ツインベッドの部屋を借りたのだが、結局一つのベッドで眠る事になった。

 馬車の家では毎日狭いベッドでエリカやアナスタシアと一緒に寝ていた。

 フローラは恥ずかしいからと言って、俺と一緒に眠る事は少なかった。


 パジャマ姿のフローラとレーネに挟まれて横になる。

 レーネが俺の体に抱き着くと、彼女の豊かな胸が俺の体に触れた。


「ラインハルト……レーネはやっと人間になれて嬉しいよ。これからは毎日近くに居られるんだから」

「俺もレーネが人間になってくれて嬉しいよ」

「ラインハルトさん、私はすっかりゴールデンスライムとしての生き方を忘れてしまいました。私みたいに弱い魔物は人間として生きた方が楽だって気が付きましたよ……」

「今のフローラも素敵だけど、ゴールデンスライムの時のフローラも可愛いと思うよ」

「ありがとうございます……おやすみなさい、ラインハルトさん、レーネさん」


 フローラが珍しく俺に抱き着くと、俺は思わず胸が高鳴った。

 やっとイステルに到着した訳だが、やらなければならない事は山積みだ。

 レーネに常識を教え、酒呑童子の根城を偵察する。

 王都ファステンバーグへの旅も再開しなければならない。


「ラインハルトさん……」


 フローラが寝言で俺の名前を呼んでいる。

 彼女の頭を撫でると、フローラは笑みを浮かべて寝息を立てた。

 俺もそろそろ眠ろう……。

 暫く目を瞑り、酒呑童子の事を考えていると、俺はいつの間にか眠りに落ちていた……。



 早朝からエリカの声が聞こえる。

 どうやらエリカが俺に馬乗りになっている様だ。


「起きなさい……ラインハルト」

「……」

「起きないとキスするわよ……」

「……」


 このまま寝たふりをしているとどうなるのだろうか。

 俺は返事をせず、エリカの出方を伺う事にした。


「本当にキスするわよ……良いの? べ、べべべ別にラインハルトとキスしたい訳じゃないけど、日ごろの感謝の気持ちを込めてキスしてやるわ……」

「……」

「本当にキスするんだからねっ!」


 エリカの手が俺の頬に触れた瞬間、俺は目を開けてエリカの唇に指を当てた。


「俺が寝ている間に何するつもりだったの?」

「ば、馬鹿! 何もするつもりなんてないぞ……! ちょっと退屈だからお前の顔を見ていただけだ!」

「へぇ~なんかキスするとか言ってた気がするけど、俺は夢でも見ていたのかな」

「そ、そそそそうよ! 何で私がお前にキスなんかしなければならないの? 全く、ラインハルトったら。いやらしい夢を見る男だな! さぁ起きて私の朝食を用意するのだ!」

「はいはい。俺はいやらしい男ですよ」


 いつも通りエリカに起こされ、ゆっくりと起き上がる。

 本来なら馬車の家で朝食を作るが、宿では俺が料理をする必要はない。

 一階の食堂で済ませれば良い訳だが、エリカは宿の仕組みを知らない。


「エリカ、宿では食堂で料理を食べられるんだよ。イステルに居る間、俺は料理を休んでも良いかな?」

「そう……ならいいわ。一人で食べてくるから」


 今日は普段と同じ黒のドレスを着ているみたいだ。

 朝から綺麗に整えた姫カットの髪形が彼女の意外に几帳面な性格を表している。

 基本的になんでも俺にやらせようとするが、服装や髪形はいつも整っている。


「やっぱり黒のドレスの方が似合うね」

「そう? それは良かったわ。赤のドレスは昨日ベヒモスの返り血を浴びて汚れて仕舞ったから、後で洗濯して頂戴」

「今日はサシャと雷山に行かなきゃならないから、エリカがドレスを洗ってくれるかな? 水の魔石と洗剤で洗うんだよ。わかるよね?」

「お前は私を馬鹿にしているのか? 私はブラックドラゴンだぞ!」

「そうだね、ブラックドラゴンなら一人で洗濯も出来るよね」

「そうだ! 私は人間より賢いのだからな! 洗濯ぐらい自分で出来るわ……全く、ラインハルトったら私を何だと思っているのだ!」


 エリカはそう言うと、可愛らしく頬を膨らませて部屋を出て行った。

 それからアナスタシアが部屋に入ってくると、彼女は俺とフローラの間に潜り込んだ。


「昨日はラインハルトが居なかったから寂しかったぞ。少しの間わらわを抱きしめてくれんかの?」

「どうしたの? エリカのいじめられたのかい?」

「そういう訳ではない。ただ、ラインハルトと一緒に居たいだけなのじゃ。こうしてわらわを守ってくれる男は今まで一人も居なかったからの」


 アナスタシアを抱きしめると、彼女は嬉しそうに目を瞑った。

 瞬間、アナスタシアはメタモールファシスの魔法で獣人化した。


 モフモフした頬を俺の顔に擦り付けている。

 銀色の体毛に包まれた九尾の狐。


 勿論、本来の体の大きさとは比較にならない。

 身長百五十センチ程。

 たれ目気味のオッドアイを細め、俺を見つめる表情がまた美しい。


 九本の尻尾を嬉しそうに振ると、俺はアナスタシアの頭を撫でた。

 頭部から生えた形の整った耳に触れる。

 まるで大型犬とじゃれ合っている様で心地良い。


「今日はどうするのじゃ? 予定はあるのかの?」

「酒呑童子を探しに行くつもりだよ。昨日知り合ったガーゴイルに道案内を頼んだんだ」

「ガーゴイルというと、またメスではないのじゃろう?」

「オスだよ。名前はサシャ」

「そうかそうか、それは安心じゃ。これ以上女が増えると、ラインハルトがわらわの事を忘れそうで怖いのじゃ」

「いつも一緒に居るのに、忘れる訳ないだろう?」

「そうじゃの。さぁラインハルトや、わらわを武装し、勇敢な姿をイステルの市民に披露するのじゃ」

「ああ、今日もよろしく頼むよ。アナスタシア・武装!」


 瞬間、アナスタシアの体が地属性の魔力に包まれた。

 茶色の魔力の中から青白く輝く魔装が現れると、俺は妖狐の魔装を纏った。

 魔装がまるで生き物の様に体に纏わり付き、俺の体系に完璧にフィットする。


「フローラ、レーネ、そろそろ起きる時間だよ」

「ラインハルトさん……おはようございます……」

「おはよう、フローラ」


 レーネは寝ぼけながら俺に抱き着いた。

 ぼさぼさになった栗色の髪を撫でつける。


「ラインハルト、レーネはシュルスクが食べたい。朝からシュルスクを食べれば雷山だって行けるの」

「わかったよ。すぐに用意するからね」

「うん!」


 それから俺達は一階の食堂で食事を済ませた。

 レーネをウィンドホースに戻し、フローラは人間のまま俺と一緒にレーネに乗る。

 暫く宿の入り口で待っていると、サシャが姿を現した。


「おはよう、ラインハルト。早速雷山に案内するよ」

「ああ、よろしく頼むよ」


 サシャが飛び上がると、レーネはサシャを追う様に走り出した……。

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