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第十三話「黒髪姫カットのブラックドラゴンと金髪巨乳のゴールデンスライムの服を選ぼうと思う」

 遂に勇者に復讐を果たした俺は第一王女のギルドに加入する事を決めた。

 新たなギルドカードを受け取る。

 勇者パーティーを追放され、ギルドを除名された俺が新たな職場を得たのだ。

 これからは姫殿下のために働ける。

 これ程光栄な事はない。


「シュヴァルツ様。私達は一足先に王都ファステンバーグに帰還します」

「かしこまりました。私達はパーティーを拡大しながらゆっくりと王都を目指す事にします。王都で合流した際に姫殿下の力になれる様に、これから鍛錬を積みます」

「頼りにしていますよ。ソロモン王の加護を授かりし冒険者様。それから、ロイ。加入祝い金を渡して下さる?」

「え? 加入するとお金まで頂けるんですか?」

「はい。冒険者ギルド・レッドストーンは王都でも選りすぐりの冒険者集団です。加入者には一律で50万ゴールドお支払いしております。本来ならギルド加入のために書類選考と戦闘技能試験、魔法技能試験を受けて頂かなければならないのですが、Bランクのミノタウロスをも討伐出来るシュヴァルツ様にはこれらの試験は必要ないでしょう。ソロモン王自らが秘宝を託す程のお方なのですから」

「指環を持つに相応しい男になれる様に訓練の生活を始める事にします」


 それから俺は50万ゴールドもの大金を受け取った。

 エリカとフローラは俺の召喚獣として冒険者活動をする事になる。


 第一王女は大型の馬車に乗り込み、騎士達と共に王都に向けて出発した。

 俺達も王都を目指して旅をしよう。

 旅の途中で魔物を封印して魔法を授かる。

 召喚獣を増やしながらパーティーを拡大し、Sランクの冒険者を目指す。


「フローラ、エリカ、俺達はこれから王都ファステンバーグを目指して旅に出よう」

「はい! 私はどこでも付いて行きますよ」

「翼を失った私では長距離の移動は出来ないが、どうやって王都とやらまで行くつもりなのだ?」

「馬車を使って王都を目指すよ。迷宮都市アドリオンから王都までは馬車で移動して二カ月程度の距離だと思う」

「ああ、あの馬が箱を牽く乗り物の事か」


 二人にはまず人間として生き方を教えなければならない。

 その前に、ミノタウロスの素材を売り捌いて二人の服を買いに行こう。


 魔石屋にミノタウロスの魔石を持ち込み、武器屋に素材を持ち込んだ。

 最も高値で素材を買い取ってくれる店を見つけ出し、俺達は100万ゴールドを得た。


 そしてアドリオンの市長からミノタウロス討伐の報奨金を頂いた。

 金額は80万ゴールド。

 ミノタウロス討伐で180万ゴールドもの報酬を得たのだ。

 それから俺はミノタウロス討伐の功績が認められ、Cランクに昇格した。


「早速二人の服を買いに行こうか」

「はい! 楽しみです! 私に似合う服を選んで下さいね」

「うむ。フローラよりも美しく見える服を選ぶのだぞ」


 エリカはツンと顎を突き上げ、鋭い三白眼を輝かせながら俺を見上げている。

 フローラとエリカは仲が良いのか悪いのか分からない。


 AランクのエリカがCランクのフローラを見下す時もある。

 だが、エリカはフローラの魔法能力を高く評価している。

 フローラもまたエリカの強さを評価しているのだ。


 洋服店に入ると、店主が男物の服を着たエリカとフローラを食い入る様に見つめた。

 二人の美少女がまともな服を着ていない事に驚いているのだろう。


「いらっしゃいませ。本日はどの様な商品をお探しでしょうか?」

「二人のための下着と普段着を探しています。何か二人に似合う服を選んで頂いても良いですか?」

「はい! そういう事でしたら、こちらのワンピースなどはいかがでしょうか?」


 若い女店主がフローラにグレーのワンピースを渡した。

 フローラは初めて見る服に戸惑いながらも、嬉しそうに頷いた。


 エリカは店内で一番値段の高い黒のドレスを指さした。

 黒髪姫カットのロリ巨乳には確かに似合いそうだ。


「私はこれにしよう」

「これから旅をするのにドレスって、本当にそれが良いの?」

「うむ。まるで我が一族の肌の色の様な漆黒の生地が気に入った。これを頂戴」


 エリカとフローラは旅の間に着る服や、パジャマ等を買い込んだ。

 それから二人は店主と共に下着を選び、試着室に入った。


 暫くすると試着室からエリカが飛び出して来た。

 彼女の黒髪に良く合う黒の下着を身に着けている。

 ブラジャーが豊かな胸の谷間を綺麗に作っており、思わず彼女の下着姿に興奮を覚えた。


「お客様! 下着姿のまま試着室から出ないで下さい! 若い男性も居るんですよ!」

「それがどうした? 私はラインハルトになら全てを見せても良いと思っている。昨日も一緒に風呂に入ったしな」

「最近の若い子は一体何を考えているんだか……全く。一緒にお風呂だなんて……」


 店主が恥ずかしそうに俺を見つめると、俺はなんだか自分自身が浮気者の様に感じた。

 それからフローラが試着室から顔だけ出して俺を見つめた。


「ラインハルトさん、ちょっと手伝って貰って良いですか?」

「え……? ちょ……手伝うって何を!?」

「あの……ブラジャーのホックが留められないんです……」


 フローラは俺の手を強引に引くと、俺は狭い試着室の中に引き込まれた。

 体がフローラと密着し、視線と落とせば彼女の豊かな胸の谷間が見える。


「あの……恥ずかしいのであまり見ないで下さい……ラインハルトさんの事が嫌いな訳じゃないんですよ。でもこういうのは何だか恥ずかしいんです。私、ラインハルトさん以外の男性には興味もないですし、私はラインハルトさんの召喚獣ですけど……」

「ごめん……」


 慌てて視線を逸らすと、フローラが俺に背中を向けた。

 ピンクのブラジャーにはEカップの表記がある。

 初めてのフローラの下着姿に緊張しながら、震える手でブラジャーのホックを留める。


 それから彼女にワンピースを着せると、フローラは顔を真っ赤にして俺を見つめた。

 長く伸びた金色の髪も、エメラルド色の瞳もまた美しい。

 店主が選んだワンピースが彼女の美貌を引き立てている。


 呆然とフローラに見とれていると、試着室の奥から手が伸びた。

 エリカが無理やり俺を引き出すと、鋭い三白眼を細めて俺を見上げた。


「おいおい、下着姿の私を放っておいてフローラと一緒に試着室に入るとは、一体何を考えているのだ?」

「フローラに嫉妬しているの?」

「し、嫉妬なんてする訳ないだろう……!? 全く、本当にラインハルトったら全く……! 私を放置するなと言いたいのだ! 女心が分からん奴だ。もっと私を見てくれても良いだろう?」


 エリカは恥ずかしそうに俺を見上げ、ゆっくりと俺の手を握った。

 それから俺は彼女に手を引かれて試着室に入った。

 レースが使われた黒の可愛らしい下着が良く似合っている。

 このまま魔物娘が増えればハーレムパーティーになるのではないだろうか。


 思わずエリカの下着姿に見とれる。

 無駄な脂肪は殆ど無いが、身長の割に胸はかなり大きい。

 百四十センチという低身長だからか、豊かな胸がより大きく感じるのだろう。


「ドレスを着せてくれ。一人では着方も分からないからな……私は人間じゃないから、これからも色々と迷惑をかけると思うが、絶対に見放さないでくれよ……」

「当たり前じゃないか。エリカは俺の召喚獣なんだから」

「そうだな……だが、フローラばかりじゃなくて私の事も構ってくれよ……」


 二人きりになった途端彼女がしおらしくなった。

 強気なエリカも良いが、恥じらうエリカもまた良い。


 それから俺はエリカにドレスを着せた。

 二人で試着室から出ると、フローラがエリカを抱きしめた。


「エリカさん……! 本当に可愛いです! 私もエリカさんみたいなドレスにすれば良かったです!」

「そ、そうか……? ありがとう。フローラも綺麗になったな。勿論私には遠く及ばないがな」

「そうですよね……私よりもエリカさんの方が綺麗ですよね」


 フローラが少し寂しそうに俯くと、俺は彼女の頭を撫でた。


「フローラもエリカも本当に可愛いよ。素敵な服と出会えて良かったね。服は選び終わったから昼食でも食べに行こうか」

「ありがとうございます! ラインハルトさんにもっと気に入って貰える様に綺麗になりますからね」

「だから、フローラは今のままでも十分可愛いと思うぞ。ただ少しだけ私の方が美しいというだけだ。このドレスも私に買われるために生まれてきたのだろうな」


 とんでもない自信家のエリカと、自分に自信がないフローラ。

 案外二人は相性が良いのかもしれない。


 それから俺は洋服の代金を支払い、昼食を食べるために店を出た……。

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