神託
前回の素手でボスをボコッたマリコちゃん
ボス倒す。二つ名がパンチラになる。
ボスを倒して町のために貢献したのに皆にデカイデカイ言われてなんか凹む。
変な二つ名付けられそうになるし。もう私、泣いていいんじゃないかと。
しかし、早く帰って休みたいしお話とっと終わらせて小さくなりたいよ。日も暮れてきたし。首狩の人とか人形の人ももう帰ってるっぽいし。
「大きくなるのは私が本気になったってことで追及しないでください。早く帰ってご飯食べたいです」
みんな納得してない顔をしているが領主の娘のベリンダさんが口を開く。
「そうだな……デカクなったくらい些細なことだったな。私はベリンダという。まずはこの町を救ってくれたことを感謝せねばな。ありがとうマリコ。町の外で盗賊団の調査をしていた。援軍が遅れてすまなかった」
「気にしないでください。まだ住み始めて日は浅いですがこの町私大好きですから」
「すまなかった俺も小さいことを気にしちまって悪かったな。大きくなることだから小さいことじゃねーか。ッブフ!」
ギルドのマスターがくだらない駄洒落を言って一人で笑っている。いやジョーさん、ボルボンボさんも笑っている。これだからおっさんどもは……。
「とりあえず黒幕っぽいのお渡ししましたので私達帰りますね」
「あぁー分かったよ。あと荷物持ち! あの黒い巨人回収頼む! 他の回収した魔物もそのうちギルドもってきてくれ! 素材で得た利益は皆に分配するからな! 持ち逃げとかしないで下さいお願いします!」
「持ち逃げなんてしないよー気が向いた時にもってくよー 当分は今転がってるのだけでも十分なんでしょー?」
「はい! それでお願いします!」
マスターとカノンちゃんのやり取りに笑いながらベリンダさんが言う。
「フフッ今回の戦いは町にとってはいい稼ぎになったのかもな」
よし! 話がひと段落した。今がチャンスだ。帰ろう!
「それじゃ私達帰りますのでまた後日ー」
「待つぎゃ! お前は今日大活躍だったぎゃ! 準備できたらギルドで飲むぎゃ!」
「そうだな! ウンバボ族とお前らいやこの町の冒険者皆が英雄だ! 今日は一晩中お祭りだな!」
「私たちお酒飲めませんから程ほどにお願いしますよ。それに小さくなるのも大変なんでちょっと遅れてから行きますね」
結局逃げれそうにはない……まぁ皆でご飯は楽しそうだからいっか。
そうして私は、カノンちゃんとカタリナちゃんを引き連れ少し皆から離れた場所に移動する。
移動するとカタリナちゃんが突然土下座する。またか……。
「マリコ様がそのような神の力を宿していらっしゃるとは知らず! ご無礼申し訳ありませんでした!」
巨人な指で軽くデコピンする。
デコピンされて「へぐぅ」っと変な声を上げるカタリナちゃんに頭を上げさせる。
「はいはい! 顔上げて! めんどくさい! 私は唯の大きい乙女です!」
そのあとカノンちゃんに毒キノコを出してもらおうとした時、私の頭の中に突然声が聞こえた。
『あぁー繋がった繋がった、マリコちゃーん、元気ぃ?──』
「っあ そのお声は……ご祖母様?」
神の御言葉に私は驚く。突然独り言を話しだした私をカノンちゃんとカタリナちゃんが固唾を飲んで見守る。
『あぁーよかったわー摩利子ちゃんお元気? 異世界の生活にはなれましたか?』
「ご祖母様! ご無沙汰しております。こちらの世界にも友人ができ――」
『あ! 摩利支天が電話代わるってー』
これ電話なの!? っていうか神様に代わるの!? マジですか!
『よーマリリン久しぶりー。つーかお前何死んでんだよー。ネトゲのレアドロップ狩りオレ一人じゃ効率マジ悪いんだけどー。ダディもお前死んでからネトゲの参加率低くなってるしー』
マリリン……。それにこの声……。
「もしかして……マリーシュさんが摩利支天様?」
『おーもしかしなくてもマリーシュさんイコール摩利支天様ですよ!』
やっぱり生前やってたネットゲームで一緒にパーティー組んでたマリーシュさんかい……。
私のキャラの名前がマリリンでダディは、ダディのままだった。
いやむしろダディは、ネットゲームの名前が呼びやすくて、私生活もダディになったんだっけ。
いやいやそんなことよりどうやら摩利支天様がマリーシュさんらしい……。ボイスチャットの声と同じだし。
ネトゲ友達イコール神様はちょっと……私の脳みそが追いつかない。
『ばーちゃんから聞いたよー。ストーカーに追いかけられて死んだんだって? 念視して見たけど酷いな。ストーカーのヤツはお前の願い通りメガネ割っといたぞ! 粉々にな!』
「ありがとうございます! マイゴッド!」
『おうよ! あとばーちゃんから聞いたけど異世界行ったんだって? こっち残って一緒にネトゲすれば良かったのにー。まぁ次死んでこっちこれそうだったこいよー』
「直に死にたくはないです! そうそうひとつ問題が! 主人公の力をもらったけど横スクロールアクションの主人公の力だったんだよ! なんか剣や魔法で戦うアクションゲームっぽい力に変更お願いできますか!?」
『横スクロールって? あー今見てみる……ッブッブフ!』
「っちょ! それ! 知ったでしょ! 今知ったでしょ! 私の力!」
『ハハハッばーちゃんマジパナイなー。さすがマリリン、オレを喜ばせる能力抜群だ!』
「もーボケにしても体張りすぎだよ! 今も大きくなってって二十メートル級マリコなんです」
『それきっついなー。んー今調べたけど魂に刻まれてるは、その力。転生しなおさないと変更は無理だなー。あーちょっとした改変ならいけっかなー』
「マジっすかマイゴッド……」
『とりあえず念じるだけでちっちゃくなれるように変更したぞー。あとばーちゃんの加護の追加でオレの加護も付けといたからデカクなくても多分剣や魔法で無双できるんじゃね? そっちの魔法の原理とか全然分かんないけどー』
「ありがとうございます! 摩利支天様マジゴッド!」
『いやオレ神だからね!』
「それにしても突然の神の御言葉なぜ今になって……」
『いやマリリンこそなぜ今更言葉使い丁寧に!? まーいいかそんなこと。マリリンそっちで拝まれてたりした? なんかそっちの世界でも摩利支天信仰が起きたみたいなんだけど。こっちの世界とそっちの世界の縁が繋がってマリリンに電話できたみたい』
「先ほどパーティメンバーに土下座されました……」
『マリリンパーティメンバーに何させてるの……。っていうかそいつがマリリンを信仰してんのかな? あーマリリンにオレの加護ついてるからマリリンの従者にすれば多分マリリンの加護が付く――『まーくん! カレーできたよー! 冷めないうちに食べちゃってー』そういう訳だ神託はここまでだ! 世界を救うがいいマリリンよ!』
「っちょ! っま! 最後いい感じに言ってるけど話の途中――」
ガチャ! っと電話を置く音が聞こえ頭に聞こえていた声が途切れる。
呆然とする私にカノンちゃんが心配そうに話しかける。
「マリコちゃん……」
「……今神様から頭に直接話し掛けられたよ」
「マリコ様はやはり神の使い……」
カタリナちゃんをがまた土下座するのでデコピンしてから立たせる。
「こっちでも私の信仰してる神様、摩利支天様の信仰が芽生えたとかで連絡してくれたみたいで新しい力ももらったよ」
「なんかすごいねマリコちゃん! どんな力なの?」
「ちょと試してみる」
私はちっちゃくなれーっと念じる。
体がちょっとづつ縮む! やった! これで毒キノコ食べないでも小さくなれる!
「毒キノコ食べなくても小さくなれるようになった!」
「よかったねーグレイトマッシュ食べなくてすんでー」
「っほ……ほかにはないんですか?」
デコピンが強すぎたのかカタリナちゃんが若干ふらふらしてる。私はカタリナちゃんのおでこに手を当てて適当に魔法を詠唱する。
「摩利支天様が神使マリコが畏み畏み申す、傷つきたり我が友を癒し給へ……」
手を当てていたカタリナちゃんのおでこがピカーっと光る。
メル姉さんが偉大なるアニキとかいってたのを参考に適当に摩利支天様の名前入れてみたけど前にカノンちゃんにやってみた光の精霊の回復魔法とは違いのカノンちゃんの回復魔法と同じ位の輝きっぷりだ。
「マリコちゃんすごーこれやるのまだ二回目だよねー」
「これが新しくもらった摩利支天様の加護の力っぽいね」
「マリコ様……一日戦った疲労が抜けて体の細かい擦り傷が治りました……」
「カタリナちゃん様付けはご勘弁をば……あと私の従者になると私の加護が付くとかいってたよ」
「ってことは既ににマリコちゃんの従者なわたしはマリコちゃんの加護がついてるんだー? なんかうれしいなー」
「そうなんじゃないかなー? 効果は分からないけどそのうち分かるんじゃないかな?」
「いいなーカノンさん! うらやましいです!」
カノンちゃんがニコニコしてる。
カタリナちゃんにも加護付けてあげたいけどどうすれば従者認定されるのかよくわからないし。
まぁ既にされてるかも。汗かいたしとりあえずお風呂入って着替えたい。帰ろう。
「ジョーさん達ギルドに顔出せって言ってたしとりあえず家帰ろー」
「了解!」
「すみませんマリコさん! 是非とも私も従者に!」
「もちろん! でもやり方わからないからとりえず帰ろう!」
ちょっとカタリナちゃんがしょんぼりしてるけどそのまま我が家に向かう。
***
我が家に帰って早速異変が発生。お風呂場でお湯を張るため先にカノンちゃんが魔法で水を貯めていたところカノンちゃんが私の名前を呼ぶ。
「マリコちゃーん! なんか魔法の威力が上がってるよー。お水がいつもの倍くらいでるよー」
私が駆けつけて確認するといつもは水道の蛇口を捻ったみたいなジョーって感じで出るカノンちゃんの水の魔法が今日はなんかドバーって感じででてた。
「これが加護の力ってやつ?」
「ありがとーマリコちゃん。火の魔法も試してみるよ!」
カノンちゃんの火の魔法はコンロの炭に火をつけるのも少し苦労するくらいなのでお風呂のお湯は今まで無理だった。でも今なら……。
「火の精霊よ! お風呂に入りたい! いい感じに暖めて!」
相変わらず適当な魔法詠唱だけどなんか成功してるっぽい。
カノンちゃんが集中して手をかざすと、少しずつ張った水の温度が上がり少し経つと湯気がでていい感じの温度になる。
「マリコちゃん! わたしできたよ!」
私は「よかったねー」っとカノンちゃんの頭をなでる。
カノンちゃんはご機嫌で「このままお風呂入っちゃうねー」っと言うので私とさっきから無言で横に立っているカタリナちゃんを連れてリビングに戻る。
どうやらカタリナちゃんも加護が欲しくて仕方が無いようだ。少し気まずいなーっと思ってたらカタリナちゃんが話しかけてくる。
「マリコ様このカタリナを是非従者に……」
「様付けで呼ぶヤツは従者にできませーん」
意地悪を言ってみる。
私は数日一緒に暮らしただけといってもカタリナちゃんを友達だと思ってるし様付けで呼ばれるのは本当に嫌。
「マリコさん!」
「よろしい! って……私とカタリナちゃんの関係ってそんなんじゃないと思うんだよ。一緒の家に住んで一緒にご飯食べて一緒にお買い物行って今日も一緒に魔物と戦ったじゃん……。私にとってカタリナちゃんは年下の可愛い友達なんだよ。崇拝される対象として見られるのは……なんか、嫌なんだよ……」
「マリコさんがそんな風に思ってくれるなんて……ごめんなさい……こんな私ですがこれからも私の友達で居てくれませんか?」
「もちろんだよ。加護だってあげれるならあげるよ。やり方とかわからないけど。そうだなんか儀式っぽいことしてみよっか? 私の世界では――」
叙任の儀式。ヨーロッパとかの騎士がやってたあれをすることにした。
リビングのテーブルをどけてたらカノンちゃんがお風呂からでて来たので収納してもいらい一緒に参加してもらう。
カタリナちゃんが私がレクチャーした通り膝をついて私に銀剣を鞘ごと差出し頭を下げる。
「私カタリナはマリコさんの従者となります」
カノンちゃんが私の横に立ちカタリナちゃんに言う。
「カタリナちゃんはその剣でマリコちゃんを守ることを誓いますか?」
「ッハ! 騎士の誇りに懸けて!」
もちろんユー騎士じゃないじゃんっとか野暮なことは言わない。
私はカタリナちゃんの銀剣を受け取り剣を抜いてカタリナちゃんの左右の肩を叩く。
「貴方を私の従者と認めます……これからも私と共に……」
剣を鞘に戻しカタリナちゃんに手渡す。
その瞬間カタリナちゃんの体を青白い光が包む。光は直に収まった。
きっとマリーシュさんの演出かな? なかなか心憎いことをしてくれる。
カタリナちゃんも従者になれたのを感じとれたのかいい笑顔してる。
「っさ! これでカノンちゃんも従者ってことで! さっさとお風呂入ってギルド行こう!」
「はい!」
そして私達はお風呂に軽く入ってからギルドに向かった。
友達従者ふたりと仲良く手を繋いで。
ブックマーク登録・評価いただけると励みになります!




