第0話 私、転生するらしいです
私、影野優香は死んでしまった。何故か知らないが、気づいたら死んでいた。
最後の記憶が自転車に乗っていたから、多分事故で死んだんだと思う。
まぁ、私はコミュ障で、陰キャで、地味で、顔もブサイクで…
やばっ、また自分を悪く言う癖が出てしまった。
こんな私だから、別に現世に未練や悔いと言ったものは無いのだ。
それに、悲しんでくれる友達や知り合いもいない。強いて言うなら家族ぐらいだろう。
いや、悔いといえばそれだ。こんな早くに死んでしまって、家族に申し訳ない。
…そんなことより、ここはどこだろう。真っ白な世界だ。すぐそこに壁がありそうでもあり、果てしなく世界が続いてるかのようでもある…
もしかして、天界!?私天界にに来れたの!?
私の思い描いていた天界とは違うけど、なんとなくなんか嬉しい!
ていうことは神や女神や天使がいるってことか…ワクワクしてきた!
「ほっほっほ、死んだというのに元気そうじゃのう」
振り向くとそこには、髭を長く伸ばしたおじいさんがいた。
「ひぁっ!…あの、えっと…あ、ああ、あなたは誰ですか」
「わしかい?わしは神様じゃよ」
神様!?かかか、神様だって!?やった、嬉しい!私の思い描いていた、イケメン金髪イケボ神様じゃないけど、嬉しい!
「か、神様がなんで私なんかの前に?」
「ほっほ、慌ただしい子じゃのう。わしはお主を転生させるためにここに来たのじゃよ」
待って、今転生って言った?あの転生?刺されて死んでスライムになったりの転生?トラックに引かれて、別世界に行くあの転生?
夢みたい!魔法とか使えちゃうやつだ!
「嬉しそうじゃのう。だが、あの世界は過酷じゃぞ?魔物や魔人がおってのう…」
「最っ高じゃないですか!やっぱり剣だったり、魔法だったりを使えるってことですよね?私の夢が叶えられるってことですよね?こんな嬉しいことは無いんですけど!?」
「ほっほっほ、お主愉快じゃのう。えらく気に入った。本来は一つだが、二つ願いを叶えてやろう」
「願い?それも二つもいいんですか?」
「転生の特典みたいなものじゃ。なぁに、わしはくらいの高い方じゃ、怒られはせんよ。それにバレなきゃいいのじゃ」
神様の口から聞きたくない言葉を聞いた。
「じゃあ、お言葉に甘えて…一つ目はどんな魔法も使えるようになりたいです!二つ目はあんまり人と関わらないようにしてください…」
「わかった、早速転生させるぞ」
神はそう言うと、呪文を唱えだした。すると私の足元に魔法陣が現れ、光を放った。
やっと、夢の転生ができる。
「では、この世界を救ってくれ」
「へ?」
気づけば私は知らない街にいた。
お読み頂きありがとうございます。
どのペースで更新できるか分かりませんが、頑張って書いていこうと思います。