そして太陽は昇る(1/3)
Love your neighbors as you love yourself.
(自分を愛するのと同じように、あなたの隣人を愛しなさい)
1.
日付が変わってから数時間が経とうとしていた
僕と『 』は、裏山の山中で血塗れの子猫を2人で見つめていた
「絶対に嫌だ。いくら殴られたってそんな事やりたくないよ」
『 』が涙に濡れた瞳で、僕より少し低い身長からこちらを見上げてくる
街の側から差す光が、彼の白い頰を病的に照らしていた
僕は威圧のため、『 』の眼を覗き込んだ
「従わないなら次はもっと痛いぞ。それはそれで楽しそうだけどな」
僕は手にした錆びた金槌の柄を『 』に向け、もう一度差し出した
「殺せ」
いつの間にか裏山には、雨が振り始めていた
『 』が恐怖に身を縮めながら、「嫌だ」「やりたくない」と繰り返す
僕は一瞬、こいつを金槌で殴ろうかとも考えたが、冷静に考えればそれは本意ではない事が自分でもわかっていた
僕は痺れを切らして金槌を無理矢理『 』に握らせると、その手を乱暴に上から握った
「こいつはな、『 』」
その手の触れた部分が切なくて、僕は口には出さなかったけど「こいつも同じ気持ちなら良いのに」と思っていた
「僕にここまでされた時点で、どうせ死ぬ事が決まってるんだ。お前がどうしようと同じなんだよ」
そして子猫に、金槌を何度も何度も思い切り振り下ろす
雨はいつしか強くなり始めていたが、それでも『 』の服を子猫の血や脳漿が飛び散って汚した
「どうして!どうしてこんな……!」
『 』が立っていられなくなり、その場で膝を突く
そして、そのまま声を上げて泣き始めた
僕は舌打ちをすると、『 』を蹴り飛ばした
彼は泥の中に仰向けに倒れると、立ち上がる力もなく涙を流し続けていた
その様があまりにも綺麗だったので、僕は『 』に駆け寄ると唇を重ね、そして舌を入れた
噛まれる事さえ想定していたが、不思議と何の抵抗もなかった
「これは逆らわないんだな」
長い接吻の後に僕がそう言うと、『 』は何も言わず視線を逸らした
そうして、雨の中で僕たち2人の時間が始まった
「お前の服、すっかり汚れたからさ。うちで僕のを着てけよ」
行為のあと、僕は『 』に言った
「続きはまた、今夜な」




