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異世界チートは標準装備〜ピンチでも、ピンチじゃなくても起死回生〜  作者: 悠悠ー自適
二章 二等世:プロドシア篇
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二章ー42 ヤクザとーー

毎度毎度で恐縮ですが、今回も、更新が遅くなりそうです。

土曜の夜か、最悪日曜の朝になるかもしれません・・・。

すいません・・・。

 響き渡る発砲音、突如として現れたヤクザ達が、次々と魔物を屠っている。

 そんな彼らの働きにより、今までここを埋め尽くすほどいた百を超すほどの魔物たちは、もう数えられるほどにまで減少した。

 それをもう、ザック等はほとんど放心状態で、無心で眺めていたところ、ヤクザのうちの一人がこちらへとやって来た。


「あんちゃん、大丈夫かい?」


 そして彼は、目線をこちらに合わせるためか、ヤンキー座りをして、手には拳銃のようなものを携えて、話しかけてきた。

 するとザックはようやく正気に戻り、気がつけば目の前にヤクザがいる。

 得も言われぬ感情になりながらも、何とか「大丈夫です」と、消えかかった声で返事をする。

 それを聞いたヤクザは、良かった良かったと頷いている。


「あの・・・あなた・・・達は?」


 続けてザックは、その消えかかった声のまま、ヤクザに尋ねてみる。

 すると、少し考えるような素振りを見せたあと、真っ直ぐザックの目を見て答える。


「・・・ただの善良な一般市民や」


 そう言って、慣れない笑顔を見せる。

 後ろには一人子供も居り、怖がらせないように、彼なりに配慮したのだろう。

 だが子供は残念ながら泣き出してしまった。

 母親がすぐにあやし、またヤクザは「何がいけなかったんやろ・・・」と落ち込んでいる。

 そんなやり取りを経て、しかしザック等は未だに状況を掴めていないが、ただ一つだけ分かることは、彼らが助けてくれたことである。


「魔物が・・・いつの間にか・・・」


 気がつけば、魔物はたったの一体でさえも、残ってはいなかった。

 するとそこへ、魔物と入れ替わるかのように、あの嫌な奴が戻ってきた。


「あれ? 何ですか、これは?」


 何とも軽軽しい口調で、まるで行きつけの喫茶店にふらっと立ち寄るかのような感じで、ランがまた姿を表した。

 

「ザックさんの様子を見に来たら・・・ヤクザがこんなにも大量に・・・」


 そう言いながら、ヤクザたちの顔を一つ一つ確かめるようにしながら、入口からゆっくりと入ってくる。


「変ですね〜オカシイですね〜、どうして魔物がいないのか、どうしてザックさんは後ろに座り込んでいて、ヤクザが沢山蔓延っているのか・・・不思議ですね〜」


 そして、ヤクザの横を通り、ザックの正面直ぐまでやって来た。


「ザックさん、私言いましたよね? 最後まで、抗ってくださいって。・・・でもあなたは、諦めた挙げ句こんな人達に助けられるなんて・・・」 


 彼を見下して言うことには、「がっかりです」と、やれやれといった感じで話す。

 しかしザックは、何も言い返さない。


「・・・」


 するとさっきのヤクザが、ランの後頭部に銃口を向ける。


「悪いが、俺はあんたを敵だと思っとるが・・・それで合ってるか?」

「・・・そうですね〜、それは・・・」


 するとランは、そのヤクザに背を向けたまま、銃を向けられたままゆっくりと立ち上がり、そしてある時、即座に魔術を構築しようと試みる。

 即座に魔術を構築し、振り向くと同時にそれを行使、そんな算段だったのだろうか、しかしそれよりも圧倒的に速く、ピストルからの弾がランに到達。

 

 ーー発砲音が響き渡る。

 ただランは、本当に運良くそれをギリギリで回避、何とか無傷だ。

 しかし彼にとって、そのピストルというものをそもそも知らず、それ故今何が起こったのか、不思議で、恐怖で仕方ない。


「なっ!! ・・・何だそれは? 新しい魔術・・・いや、賢者の遺産か・・・?」


 ヤクザは答えず、またそれを受けて、ランも自分なりの答えにたどり着く。


「なるほど・・・これはかなりまずい状況、というわけですか・・・。さて、どうしようかな~」


 などと言いながらも、まだ抗う姿勢を見せたので、もう一人、別の角度にいたヤクザが発泡、今度はしっかりと右腕にヒットさせた。


     クラスホワイト・ヒーリング

「クッ・・・< 白魔術・治癒 >」

「なんや、まだそんな剣やら魔術やら使っとんのか? そんな古いモン・・・いや、レトロ好きの説もあるなぁ・・・でも悪いなぁ、時代はピストルやねん」

 

 そう息巻いているのは、先日「男は黙って拳や!」みたいなニュアンスのことを言って、即敗北を喫したヤクザだ。

 やはり拳より、飛び道具のほうがお気に召したらしい。


「クソッ・・・いつの間に武器を!? 牢にいたはずなのに・・・どうして、どうやって?」


 ランは珍しく取り乱す。

 喋りながら、周囲のヤクザを警戒しながら必死に治癒にあたっているが、しかし彼には< 白魔術 >の適性があまりないようで、未だに血が滴り落ち、傷が塞がっていない状況だ。

 そんな、彼にとってあまり芳しくない状況において、また一人、恐らくヤクザがやって来た。


「誰だ!?」


 ランは咄嗟に振り返る。

 するとヤクザたちは一斉に、美しく、その人物に対して頭を下げる。


「「お疲れ様です、組長!!」」

「組長・・・だと・・・? なるほど、あなたがヤザですか。逃亡していると聞いていましたが・・・まさかこれ程のことをするとは・・・」

「なに・・・こいつらと、協力者とが優秀だっただけのこと・・・」


 ヤザの背後、もう一人いる。


「お前は・・・!? なるほど、二人はグルだった、と。そうですか・・・」 


 現れたのはーーデンジャーだ。


「グ、グフフフ」

「相変わらず、気持ちの悪い笑い方やなぁ・・・まぁ、それよりも、魔物やらの方が、よっぽどキモいがな!」




〜ラヴィア城・玉座の間〜

「・・・・・・マブ・・・ロ、さん」

「・・・」


 ようやく現着したマブロ、やって来て早々、途方もなく強力なこの個体”D”の腕を一撃で切り落とした。

 

「dr・・・dr・・・」

「あらあら、お早い到着ですこと」


 Dは驚いているのか、はたまた恐怖に震えているのか、やや後退りして、傷を押さえている。

 これはDにとって、かなりの想定外のことであったのだろう。

 だが魔王は冷静に、まるで驚きもせずにマブロを迎える。


「ですが・・・それは別に、あなたのために用意したものではなくーー」

 

 などと魔王が話しかけているが、マブロはまるで聞く耳を持たず、戦いに集中、再度勢い良くDへと突っ込んでいった。

 それに反応して、Dもまた、マブロへと向かっていく。


「D!! Drr!!」

「< 剣技ーー」


 するとそこで、またもDは異常な動きをする。

 ーー風景から、Dが消えた。


「まただ・・・」


 そして気がつけば、剣技発動間近のマブロの背後に、剣を振り上げている。


「マブロ、さんっ!」 


 これでは攻撃は不発に、いや、それどころかDからの強力な攻撃を背中にもろに受けてしまう。

 だがそんな心配も無用であった。

 マブロは振り向かず、冷静に、さっきまでと構えを異にする。


「Drrーー」

「< 魔剣術・***** >」


 今ーーーー振り抜いた、はずだがしかし、ユウは視認できなかった。

 だがそれは、確かにDに有効だったようで、Dはただの指一本足りとも動かない。


「・・・凄い」


 そしてマブロはゆっくりと振り向いて、動きの止まってしまったDの正面までやって来た。


「終わりだ」


 一撃ーーただ普通に、自然に刀を振り抜いた。

 特段力を入れたとか、そんな感じはせず、ただの普通の斬撃だ。


「・・・」


 気がつけば、Dは崩壊を始めた。

 遂にその、強大な魔物は討ち滅ぼされたのだ。


「はぁ・・・もう倒してしまったのですか・・・」


 マブロは納刀し、魔王はため息をつく。

 するとまた、ユウの傷が回復した。


「また、魔王が・・・?」

「さて・・・私は一体これからどうしましょうか・・・」


 魔王の前には全快のユウと、Dを討ち取ったマブロとが立っている。

 どうやら魔王自身、途方に暮れているようだ。


「魔王・・・もう、いいんじゃないか? 諦めても・・・」

「そうですね・・・でも、まだ終わってませんから」


 だがまだ魔王の瞳には、希望が宿っている。


「それから・・・魔物に気を取られていると、また思わぬ攻撃で、命を落としてしまうかもしれませんよ」

「・・・何?」

「敵は魔物だけとは限らない、ということです。まだ気づいていない敵がいるかも?」


 魔王はこれまた態とらしく、ユウを揺さぶるような言葉を発する。


「敵、だと・・・?」

「そうですね。例えばーー」

[雑談]デンジャーとは誰ぞ!? と思った方、しかし大丈夫です!

   なぜならば、彼が最後に登場したのはもう一月以上前なので、恐らくそんなに覚えていた人も少ないのでは? と個人的に思っております。

   彼について気になる方は、二章ー25辺りを参照してください。

[ブクマしましょう!!]

[予告]次回の更新は、9日を予定しています。

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