二章ー41 Dー2
死を前にーーどうすることもできないーーでもーーーー何故だろう、心の凝りが取れたような、楽になったような・・・。
クラスホワイト・ヒーリング
「< 白魔術・治癒 >」
暖かいーー。
気がつけば、いつの間にか傷が治っていた。
「あれ・・・僕は・・・?」
困惑はあるが、自然な流れで立上がり、状況確認する。
これは恐らく治癒魔術、それもかなりの効果量なため、高位のものであろうが、今この場において、それを行使できるのは一人のみだ。
「まさか・・・」
「気にしないでください。そんなことよりも・・・さぁ、次は本当に起き上がれなくなってしまいますよ」
なんと魔王がユウに魔術を行使、なんと殆ど全回復させたのであった。
などと言っている余裕はなく、まだDは健在で、自分が窮地に立たされているという状況は、まるで変わっていないのだ。
しかし折角拾った命、それを捨てるつもりはさらさらなく、ここからこの窮地を打開していくつもりだ。
「さて・・・しかしどうしたら・・・」
剣は折れていて、またそもそも剣ではそれほどダメージを与えられないのか、ならば他に取れる手はないか、必死に考える。
(あの甲冑みたいなやつ・・・・・・見た感じだと、魔力・・・が複雑に、幾重にも折り重なっている・・・みたいだ。・・・て、かなり詰んではいないか? 魔術もかなり制限されている? し、どうしたら・・・)
Dを見て、やはりこのピンチは揺るぎないものであると再確認、だが何故かDは剣を納め、動きを止めている、これはチャンスだ。
「これでーー」
改めての思考タイム、距離はしっかりととれていたはずだったーー。
しかし今、不可解なことが目の前で起きた。
「なっーー」
瞬き一つの間に、Dの剣がもうすぐそこ、手を伸ばさば届きそうなほどまで接近していた。
「D・dd・・D・・・!」
Dの動きがおかしい。
まるでこちらの動きを把握しているような、
避けても避けても、何故か背後に回っている。
「何!?」
そしてある時遂に、全身に危険信号が駆け抜ける。
そこにはもう、自分を斬り裂くだろう剣が。
こうなったなら仕方が無い、意地でも抵抗、決死の覚悟で魔術を放つ。
クラスレッド・ブレイズ
「< 赤魔術・豪炎 >」
魔力が集まって、それがDへと向かう。
その豪炎は、瞬く間にDの全身を包み隠した、燃やし尽くそうとした。
だがーーやはり威力が並の魔術程度まで下がっている、ユウはそれを感じ、ならば数で攻めると追加の攻撃を今まさに繰り出す。
ブレイズ
「< 赤魔術・豪炎 >」
「< *淵*** >」
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血ーー見える、見えない、見える。
闇に包まれた、その後のことは覚えていない。
ただ眼の前には、ユウの血の付いた剣を持つDの姿があり、そして時間を増すごとに、痛みを超えた何かの苦しみが襲う。
そしてまた、自分がどうして立っていられているのか、怪我の程度はどんなものか、分からないままDの次の攻撃が始まった。
右に左に、感覚が若干狂っていながらもしかしユウは、出来うる最小限の動きで剣を避ける。
だがその精度は決して誇れたものではなく、紙一重どころか腕や頬で、剣を感じてしまっている。
するとユウは、突然倒れ込んだ。
(・・・は? 何で? 何で・・・何で? 動かない・・・これ・・・剣ーー)
投げ出された体、先の怪我と相まって、もう動かない。
ただ、何とか体が形を保ってくれている、この上ない奇跡。
しかし尚もDは、ゆっくりとこちらへと歩んでいる。
そしてユウは、意識が一瞬飛んだーー。
ーー戻ったとき、Dはすぐそこに、つまり死がそこにあった。
しかしーー
「< 剣技・流切剛情 >」
Dはうめき声を上げて後退りする。
どうやら効いているらしい。
「・・・誰・・・」
絶対的ピンチ、そこに颯爽と駆けつけたのはーーマブロであった。
〜東区〜
ザックの結界を取り囲む、いや、覆い尽くす、数多の魔物。
結界はもう終わりを迎えようとしていた。
一般人等はもう絶望しきっている。
勝手に希望を抱いておきながら、勝手に絶望するなど傲慢もいいとこだが、しかし彼らのみならず、ザックも絶望一歩手前である。
「もう・・・無理だ・・・」
そう諦めた次の瞬間のこと、目の前にいた魔物が突如弾けた。
そしてそれは連鎖的に続き、何か響くような音が伝わり、それと同時に次々と、魔物が爆散した。
何だ、そう状況に置いてかれ、ただ目の前の光景ーー結界周辺の魔物が全て爆散し、視界が開けたーーを理解できず、するとどこからか人の声が。
これは先程のラン達の声ではなく、他の誰かのようだ。
「まったく・・・こんな有象無象、よくもまあこれだけ集めたもんだな」
「ホントですよね、兄貴ぃ!!」
幻覚だろうか、入口に、ガタイのいい人が立っているように見える。
そしてやはり幻覚だろうか、そいつらはよくカツアゲしてそうな雰囲気を醸している。
「うちのシマ、荒らした報ぃ受けさせたるわ!」
[雑談]私も絶賛意識が飛んでしまいまして、想定よりも更新遅れました。
また中身も今度、もう一度元気なときに確認します。
明日はようやく休める・・・はず・・・。
[ブクマしましょう!!]
[予告]次回の更新は、6日を予定しています。




