表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界チートは標準装備〜ピンチでも、ピンチじゃなくても起死回生〜  作者: 悠悠ー自適
二章 二等世:プロドシア篇
90/119

二章ー39 防御

{1/31記述}

 諸事情により、1/31日における投稿ができなくなりました。

 大変申し訳ございません。

 それの振替は2/1に行う予定です。

〜東区〜

 ザックの耳に、自然と魔物の足音が入ってくる。

 それは今までの比ではなく、どんどんと大きくなっており、その規模の大きさが窺える。

 その無言のメッセージを気にしつつも、しかし今は目の前の問題で手一杯だ。

 

「ではザックさん・・・さよなら、ですね」


 ザックはまだ闘える、魔力も僅かながら残っている、しかし体が動かない。

 気力はこれほどあるというのに、どうしても地面から起き上がることができない。

 そしてランはトドメを刺そうと、少し勿体つけて剣を抜刀、と、その僅かな隙にザックは動いた。


「・・・!! まだ抵抗できるのか!?」

クラスホワイト・フィジカルブースト

「< 白魔術・身体強化 >」

 

 身体強化、何とか立ち上がると直ぐに発動、相手に抜刀させる前に行動。


クラスホワイト・ブロウ

「< 白魔術・飛吹 >」


 威力は殆どない技だが、しかし隙を突かれた相手を吹き飛ばすことは、造作もない。

 ランとその後ろにいた仲間二人はきれいに吹き飛ばされ、ザックと距離を取らされてしまった。

 だが相手も黙っていない。 

 残りの数人が、もういよいよ疲労で倒れそうなザックへと向かう。


 一方の吹き飛ばされてしまったランは外を気にして、思いの外魔物の進行速度が速く、もうそこまで迫ってきているのに気がついた。

 彼らにしてみれば、ザックを殺してから逃げるでも恐らく大丈夫だと思うが、もし万が一この男が想定よりも抵抗し、魔物の襲来のほうが先になってしまったら、そう考えた。


(別に例の数体以外は脅威でも何でもないが、しかし数が数なだけに・・・。それにザックはもう満身創痍、ならばここに放置しても、魔物に対抗することはできない・・・・・・見てみたい!! 百を超える魔物に一人立ち向かう冒険者の姿!! もう魔力も殆ど尽きた状態で、この男はどうするのか、ヒトの極限の状態を!! あぁ・・・見たい・・・)


 するとランはニヤリと笑い、そして仲間に撤退を命じた。

 ここから距離を取り、高所に避難し、自らの安全を図る。

 また去り際に、ランはザックに言葉を残した。


「残念です。僕の手で、あなたを殺ることができなくて・・・魔物にその役目を負わせてしまうなんて・・・ですがあなたは誇り高き冒険者、し〜っかりと、最後まで抗って見せてくださいね」 


 ザックはこれに応えなかった。

 そんなことよりも、もう目の前まで迫った脅威に対してどのように対応するか、どのようにして生き延びるか、それが圧倒的に優先される。


(・・・何とか、また生き延びた、が・・・どうする? 体は思うように動かない、魔力もあまり余裕がない・・・。ならばどうする・・・?)


 やっと、変な輩がいなくなってくれたかと思えば、次は魔物の大群だ。

 もうかなり限界が近い、それはずっと感じており、どう対処するか、いっそもう諦めてしまおうか、と、何度も何度も考える。

 だが、ふとした時、仲間の体が映った。

  自然と思考を止め、奇跡的に未だ綺麗なままである仲間たちを、せっせと近くの建物まで運んだ。

 中に入らせてもらい、そして丁寧に安置する。


(・・・これでよし。あとは自分の身をどうやって守るかだが・・・?)


 すると奥から物音が、次いで人の声がした。

 不思議に思って見ると、そこには十人ほどの市民が隠れていた。

 中には一人、子供も混じっている。


(!! どうしてここに・・・? 逃げ遅れたのか? クソッ・・・)


 誰もかれも怯えたような表情をしており、しかしザックを見てすぐ、皆ゆっくりと近寄ってきた。


「あの・・・冒険者の方ですよね・・・?」

「どうか・・・どうか助けてください! この子だけでも・・・この子、まだ生まれたばかりなんです」

「おね・・・お願い、します・・・」 

「・・・っ」


(助けて、か・・・俺だって、縋りたいさ。もう限界で・・・でも、ここではやっぱり、俺は冒険者で、だから守る側で・・・けど、あの数の魔物を捌き切るのは・・・) 


 視線の先、その風景は地獄絵図であるかのようであった。

 百を超える魔物が、目的地を同じくして、野生全開でこちらへ突進してくる。

 それらは競い合うように、我先に我先に、内部へと侵入を試みる。

 すると一般人等は遂に、一人が発狂し、そうでなくとも泣き喚き、もしくは天に祈りだす者も。

 その様子を見て、それが今、本当に自分の目の前で起きていると改めて感じて、そしてザックは、そもそも最初から、自分に選択肢など与えられていなかったと気づいたーー。


クラスホワイト・フォース

「< 白魔術・強魔結界 >」


 ーー諦めるという選択も、助けないという選択も、そして迷うという選択も、最初からなかったんだ。

 ザックは気力でなんとか体を動かし、持てる魔力を絞り出し、全員を守るように、不得手な結界術を行使した。

 建物の中、それも奥の方、しかし魔物のセンサーは敏感で、すぐに何体かはこちらへと迷わずやって来た。

 そして魔物が結界の前に到達、寸分の躊躇もなく結界へ突撃、それを間近で見た一般人等は、男は助けてくれとの一点張り、老人は神に祈り、母は泣きながら、それでも子を守るように抱きかかえている。

 皆目を瞑る、もう殺されてしまうとーーしかしそうではない。


 目を開けると、魔物は忽然と姿を消していた。

 これはザックの結界の特性によるものだが、しかし彼らはそれを理解しているはずもなく、ただ今を生きているという事実が嬉しかった。


 するとまた、魔物がやってきた。

 だがやはり、少しして、自ら死んでいった。

 エヴィリオの魔力と反比例して、人々は希望を見た。


 しかしその希望も、所詮はただの虚像である。

 また新たに、魔物がやって来た、それも数十体が同時に。

 どうやら死んだ仲間の僅かな魔力を辿って来たようで、すぐに人間を見つけた。

 

 そして一体、また一体と魔物が襲来する。

 さっきまでとは違い、複数体による同時攻撃、これは想像以上の負荷のようで、早くも結界が悲鳴を上げ、人々もまた、悲鳴を上げる。

 一方の魔物は絶えることなく結界の中の餌をめがけて、また我先に我先に、競い合っている。 

 

 周囲には魔物の大群、後ろには少気を失いつつある一般人、それらから発される情報が、ザックの視覚聴覚を蝕む。


(・・・これは・・・無理だ)


 ザックの結界は、気力は、もう尽きようとしている。




〜中央区〜

 マブロを残し、いよいよユウは城へと到達した。

 それはやはりかなり大きいが、しかし何故だろう、迷うことなく玉座の間へと向かった。


「あらユウ様、ご機嫌よう。もう少しゆっくり来ていただいても良かったのですのに」

「・・・姫様」


 見た目はやはりいつもの、ユウの知る姫様、だが雰囲気はそんな感じではなく、魔力の感じはやはり、魔王のそれだ。


「すみませんね、感動の再開だというのに、部屋がこんなにも汚れてしまっていて・・・たった今終わらせたところですので」


 見ると、恐らくエヴィリオであろう老人が、姫の足元に倒れている。

 出血しているようで、意識もない、かなり危険な状態のようだ。


「・・・その人は、エヴィリオ、なのか?」

「えぇ・・・所謂兄弟子でして・・・私に必要な知識を持っていたので、」


 自分が今まで必死に追っていた人物、まさかこんな形で会うことになるとは、誰が予想できただろうか。

 そしてその奥、荘厳な椅子に誰かが座っている。


「・・・! 国王!」

「あぁ・・・大丈夫ですよ。彼はもう動きませんから。あの女を始末し、エヴィリオをここに連れてくる、その努めを全うしたこの国王には、永久的な有給を与えたところですので」

「あの女、とは・・・」

「勿論、あなたのお連れさんのことですよ」


 魔王はニコっと笑う。


「フィーネル・・・っ! もうやめないか、魔王!」

「やめる? ・・・フフッ、どうしてですか? それにそれは、あなたの方ではなくて?」

[雑談]次回は戦闘描写もやや入ると思います。

[ブクマしましょう!!]

[予告]次回の更新は、31日を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ