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異世界チートは標準装備〜ピンチでも、ピンチじゃなくても起死回生〜  作者: 悠悠ー自適
二章 二等世:プロドシア篇
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二章ー12 捜索

「娘を探してくれ!」 


 そうユウへと懇願するのは、いかにも近所に住んでいそうな、4,50代くらいの男性である。


 モンブラン回から数日の後、二人はエヴィリオを探すべく、そして究極的には彼をどうにかすべく、領地へとやってきた。

 領地内での人々の暮らしは思ったよりも悪くはない、というよりもむしろ並の生活は送れているようである。

 しかし聞き込みを続けるとやはり、ちらほら奇っ怪な出来事が起きているようなのだ。

 その後しばらく捜索した後、フィーネルと話し合った結果、ユウはここのギルドで、フィーネルは裏でそれぞれ情報収集をすることになった。


 そして本日、領地内で簡単な依頼を終える、といった頃合いに、この男性が土下座を引っ提げ飛び込んできたのだ。


「あの・・・一旦落ち着きましょう。頭を上げてください」


 ユウはすかさず、定型文的に慣れた感じで男性に頭を上げるよう促す。

 すると男性は、その通り頭をバッと勢いよく上げる。


「あんた、いえ、あなた様は見たところ、まともで頼りになりそうな冒険者様だとお見受けします」

「僕が?」

「えぇ・・・ここの冒険者は誰もかれも、品位もなにもない、ただの荒くれ者ですから・・・」


(・・・まぁ、たしかに。ギルドはなんか異様にうるさいし、汚かったし・・・タバコかなんかの臭いしたし・・・たしかに) 


 思い出すのはギルドの惨状。

 街は一見普通、というか普通なのだがギルドが荒れに荒れていた。

 

(なんか変なやつにも絡まれたしな・・・あれは怖かった)


 そう、実は早々にギルドで喧しいガ・・・元気な少年たちの長らしき少年(推定19歳)(冒険者)に絡まれたのだ。

 しかしユウは、視線を合わせることもなく、一撃でノックアウト。

 それによって現在、ギルドは普段よりも静かであり、ユウがやってくると、ほぼお通夜になる。


「まぁ少なくとも、ここの冒険者の誰よりも頼りになる自身はもの凄くありますが・・・」

「お願いします! 私の娘を助けてください!」


 ユウが言い終わるのと同時に、神にすがるように、ユウへとそういった眼差しを向け、熱意マックスで再度懇願する。


(そういえば、さっきもそう言ってたな・・・)


「分かりました。詳しくお願いします」

「・・・! ありがとうございます」


 そうして、何やら不穏な依頼が幕を開けた。


「先日、領主様が突然、私の娘を是非家に呼びたいと。勿論断りました。どうせ碌でもないことになるのが目に見えていますからね。・・・しかし、それから来る日も来る日も色々な嫌がらせと、そして勧誘が続いて・・・私は娘のためを思えば、それくらい何ともなかったのですが・・・しかしだんだんと体に異常が。ストレスでしょう。結局優しい娘は私のためを思って・・・。それからもうひと月、一向に娘からの連絡がなく・・・」


(・・・こういうことが、まさか本当にあるなんて・・・許せない)


 ユウは、内から内から怒りが湧き上がるのを感じる。

 たしかにこういった系統の話は、小説なんかでは鉄板である、が、それが現実で許されて言い訳がないのだ。

 そういった想いが沸々と、彼を占める。 


「・・・分かりました。僕がその依頼、引き受けます」

「それは・・・本当ですか? ・・・ありがとうございます」


 ユウの言葉を聞いてすぐ、男性は気が抜けたのか、地面に座り込んでしまう。


「大丈夫ですか?」

「すみません・・・最近寝れていないもので」


(これは・・・一刻も早く安心させてあげないと)


「分かりました。では早速、捜索を開始します。娘さんには、なにか僕でも容易に判別できるような特徴はないですか?」

「そうですね・・・娘は私と色違いの、うさぎをかたどったような首飾りをしています」

「そうですか・・・他にはなにかありませんか?」


 すると男性は、しばらく考え込んだ後、自分のポッケなど、なにかないかと探す。


「・・・他には家族写真しか」

「・・・それ見せてください」

「えっ? ・・・あっ、これを見せればよかったのか・・・」


 どうやら本当に極限状態らしい。

 しかし何にせよ、ユウはそこに笑顔でいる娘さんを見る。


「・・・ありがとうございました。これで多分、大丈夫です」

「そうですか。」

「では、あなたを家に送り届けてから、いよいよ捜索開始です」

「いえ、私は大丈夫ですので・・・早く娘を」

「でも・・・」


 その男性の、強い意思を感じる、娘への想いを感じる。


「・・・分かりました。では、僕に任せてしっかりと休んでいてください」


 そうしてユウは男性を残し、直ちに捜索を開始した。




「やはり、目ぼしい所にはいませんでした」


 あれから一日と少しの後、ユウは男性の自宅へ報告に参上した。


「もう調べたんですか!?」

「えぇ。怪しいところを見つけては、手当たり次第突入しました」


 ユウは至って真顔で、かつ冷静に報告する。

 それもかなりアウトのような気もするが・・・人命がかかっているためやむを得ない。

 また、ユウのがばがば捜索そして、理不尽な突入により、いくつかの悪事が暴かれ、今この街の、裏の界隈は大いに荒れている。


「そうですか・・・というよりも、私家の場所言いましたっけ?」

「えっと、家族写真に写ってた建物を頼りに。あれ、ここの前で撮られた写真ですよね?」

「えぇ・・・その通りです」


 と、このように、気持ちよく自分の推理を述べているものの、実際はかなり焦って、奇跡的に覚えていた、写真に写っていたこの場所を目指すよりも他になかったのだ。


「残るはあと一箇所です」

「・・・領主様の家、ですね」

「・・・はい」


 そうして若干の緊張がはしる。

 覚悟はしていたが、まさか本当にここまでになるとは、といった感じのようだ。


「あの・・・大丈夫なんでしょうか?」

「何がですか?」

「いえ、ただ警備など、いろいろと大変ではないかと思いまして・・・」

「大丈夫です。きっと助けます」

「・・・あなたに依頼して、良かったです」


 そこで初めて、男性は少しの笑顔を見せた。

 少しだけ苦しそうな、でも希望のある笑顔だ。

 それを見てユウはーー。


 特別なことは返さない。

 まだ依頼は完了していないのだから。


「・・・・・・では、行ってきます」


 いざ、完了へのカウントダウンを刻み始めた。

[雑談]もう12月、今月も好き勝って書かせていただきます。

   どうぞ気楽にお付き合いください。

[ブクマしましょう!!]

[予告]次回の更新は、4日を予定しています。

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