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異世界チートは標準装備〜ピンチでも、ピンチじゃなくても起死回生〜  作者: 悠悠ー自適
二章 二等世:プロドシア篇
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二章ー2 不審者

〜翌朝〜


「日差しが暖かい・・・。」 


 あれから一日が経ち、今はもう朝である。

 そして現在、暖かな日差しを感じながら、わずかに残る眠気を覚ますように、ボーッとこの広大な敷地を歩いている。

 

「やっぱ広いな。・・・なんだ?訓練場?」


 不意に、訓練場なる文字が目に止まった。

 何となく、訓練場と思わしき施設へと足を進めると、次いで何やら中から声が聞こえてきた。

 その声につられるように、と言うよりも、ただ何も考えずにそこへと向かう。


 近づいてみると、どうやら中に人がいることが分かった。

 そして流れるようにドアノブに手をかけ、いざ入ってみるとーー突然顔に衝撃が走る。 

 

「痛っい!何だっ、奇襲か?前が見えない!」

 

 何に襲われたのかさっぱりわからないが、ほぼノーガードでくらってしまい、普通に痛かった。

 そしてそれが未だ顔にこびりついたままなので、何とかそれを引っ剥がそうと奮闘する。 

 

「・・・やっと取れた・・・。」


 しばらくの後、それからようやく開放され、それに目を向ける。

 すると、 


「人の顔!?じゃぁないか、流石に・・・えっと・・・何これ?」

 

 なんと、それは人の顔のようにも見える球体?であった。

 ただ、温かみは感じられず、どこかプラスチックみを感じたので、恐らく人工物だろう。

 そうだと直ぐに看破しても、やはり怖いものは怖いので、つい声を上げてしまった。


 そうこうしているうちに、中から人が出てきた。

 顔をちらっと見た感じでは、やや機嫌が悪そうであったため、あまり刺激しないようにこの、何とも言えない気持ちを無理やり抑え込んだ。


「何よあんた?危ないからここを使うときはちゃんと安全確保してからでしょ。それくらい分かりなさいよ!」

「あっ、すいません・・・。」


 出てきたのはーー美しい、JKの様相を呈した、いや、実際年齢は同じくらいの、また同年代と比べても、かなりの成長を感じる節々があったりなかったり・・・そんな魅力ある少女だ。


 なんか理不尽に怒られたような気もしないでもないが、確かにこちらにも非はあり、また、彼女がとてもタイプであったため、そんな事は一々気にしもしなかった。


「で、あんた誰?もしかしてーー。」

「いや・・・えっと・・・ただの一般人です。」

「あっそ・・・それって部外者と不審者、どっちになるの?」

「その・・・一応関係者です。はい。」

「ふーん、で、ここになんか用でも?」

「いえ別に。」


 それどころではない、というのも、彼女に言わば釘付け状態であり、内容があまり入ってこないため、やや物足りないような返答になったしまった。

 だが相手も「あっそ」と、短く言葉を返した。

 そして、もう用も済んだので、さっさとこちらに背を向け室内へ戻ろうとするが、突然パッと踵を返してこちらへと戻ってくる。


「あんた今暇そうだし、あたしの相手してよ。」

「相手?」

「そうよ。ここ、訓練場だもの。」

「えっ?」


 いきなりの展開に、頭がやや置いてけぼりにされてしまう。

 そしてしばらく黙っていると、「何よ?文句あるの?」と、鋭い目つきで睨まれてしまったため、萎縮してしまい仕方無しに、小さく「・・・はい。」と返事をした。


「それじゃぁ・・・いや、やっぱ今日はいいや。じゃあまた明日。時間は今くらいでいいわ。」

「え、あ、あっ、了解です。・・・ん?」

「あと、もし遅れたら埋めるから。」

「う、埋める!?」

「そう。じゃあ、また明日。」

 

 なんと理不尽なことであろうか、会ったばかりの人間に好き放題言った挙げ句、それを破ったら罰則もあるとのこと。

 確かに不可解且つ不条理ではあるが、しかしまた探して話すのも面倒だったため、現実を受け入れることにした。

 



〜翌日・訓練場〜

 朝、言われたとおり、いや、罰則を確実に回避するために、デッドラインよりおよそ15分早く到着した。

 しかし、いざ訓練場に近づいてみると、どうやら中から声がする。

 もう既に来ているようだ。


「早いな・・・まぁでも、遅刻は回避したから。」


 そして扉をゆっくりと開くとーー突如顔面に衝撃が!

 やられた!と、そう思ったに違いない、昨日の教訓をまるで活かすことができなかった。

 昨日と同様にして、そいつと格闘ししばらくして、ようやくそれから開放された。


「やっぱお前か・・・。」


 見ると、やはり昨日のそれだった。


(こいつ・・・なんでこんなに取りにくいの?なんか、何かがうまく顔のパーツに引っかかるんだかで、取りにくいことこの上ない・・・。)


 そうしてそいつの内部を深く観察し、原因の究明を急いでいると、「何やってんの?はやくしてよ。」と催促されたため、残念ながら、観察はそこで中断した。

 因みにこれは、訓練場の練習ロボの頭部らしい。

 なぜ見た目がこうも人間を忠実に再現されているのかわからないが、そうそう壊れることのない代物だそうだ。


(これは、彼女の扱い方が悪いのか、それとも彼女のパワーが相当なものなのか・・・?)


 少し考え、だがこれは考えるべきでないと考えを改めた。


「・・・どうしたの?」

「あっ、いや、何でもない。」

「そう・・・。まぁ取り敢えず、今日は最初だし軽めに、木剣を使った対戦するわよ。」


 そう言われて、何の変哲もない木剣を手渡された。

 どうやらこれを使っての模擬戦をするようだ。

 因みに魔術の使用やスキルの使用は禁止らしい。


「なるほどね~単純に剣の腕前でってことか。」

「ルールは負けたほうが負け、スタートは今から!よーいどん!」

「うぇ?」


 そう言って、ルールをすっ飛ばして、いきなり対戦がスタート、同時に彼女は速攻で間合いに入ってきた。


「いや速いーー。」




〜その翌日〜

 前日は、結局勝敗がつかず「もう遅いしやめよう。」と提案したその一瞬の隙をつかれてやられてしまった。


「あれは酷かった・・・。」


 なので今日は、そんな理不尽をあの木剣で跳ね返すために、気合を入れて、そして昨日よりも更に早くやってきた。

 そして自然にドアノブに手をかけ、ドアを開けようとするが、


「はっ!!今日は引っかからんぞ!」


 何か嫌なものを感じ、扉からさっと距離を取る。

 

「流石に今日は・・・ね。それに、今日は中から何も聞こえてこないし・・・大丈夫、なはず。」


 そのように何度も自分に言い聞かせ、そしていざ、恐る恐る扉へ近づいてみるとーー奴が扉を引っ提げて、勢いよく襲来してきた。


「うわっ!」


 また、衝撃とともに視界が塞がれた。

 今日も残念ながら回避することは叶わず、そして例のごとく、そいつと暫しの格闘を繰り広げた。


 やっと取れたと思った矢先、不意に入口に立っている彼女と目が合う。

 とても冷たい目をしている。

 

「・・・何してるの?」

「・・・えっと・・・」

「早く入って。・・・まったく、遊ぶなんて・・・。」

「・・・すいません。」


 そして二人は無言で室内へと入り、そしてまた、木剣での熱き戦いを繰り広げたのだーー。

[雑談]時が経つのは速いもので、もう11月になってしまったようです。

   どうぞ今月もよろしくお願いします。

   次話から段々とギアを上げていく・・・予定です。 

[ブクマ&評価しましょう!!]ブクマはいいぞ。

[予告]次回の更新は、4日を予定しています。

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