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一章ー45 あと一歩

祝・50話!!

 決着をつけようーークロノの言葉により、いよいよ最終決戦がスタートした。


「まずは・・・お前からだな。」


 最初に動いたのはクロノだった。

 驚異的な瞬発力と速度でゆうの探知を上回り、寸秒でゆうの正面すぐに、鎌を携え到達する。


「・・・っ速!」


 ゆうはやや反応が遅れ、そう思ったときにはもう既に、鎌の自身への明確なる殺意を肌で感じていた。


 クラスレッド・ブラスト

「< 赤魔術・疾雷 >」


 そこへ一筋の光が、いや、雷がクロノの背後を狙う。

 クロノは大してダメージも入らないのだが、それでも、分かっていてもつい、反応してしまう。

 僅かながらゆうから体の向きをそらし、振り向きざまに一つーー斬撃でその魔術を断つ。 


 そしてゆうはその、自分への意識がほんの僅か疎かになった、その一瞬を利用して、


クラスホワイト・イクジタクト

「< 白魔術・速度特化 >」


 ゆうによる、高速術式構築からの流れるような魔術行使。

 遅れながらもそれを直ぐに察知したクロノがゆうへと再度、攻撃を試みる。

 振り抜いた態勢そのままに、スピードをうまく利用して、ほんの僅かでも疾く疾く、その鎌でゆうを切り裂こうとする。

 だがしかし、それでも半歩の出遅れが響いてしまう。


「逃げられたっ!」


 切り裂いたのは空のみ、そしておまけにゆうの姿が視認できない。


「どこにーー」

 シフト・ボンバー

「< 命令:爆撃 >」


 ゆうに完全に意識が向かったその瞬間を、クルースは逃さなかった。

 相手に振り向く暇さえ与えずに、この好機をモノにしようと素早く一撃。

 

        ペリオエシス

「厄介だなっ!< 攻撃制限 >」


 だが残念ながら、それはクロノのわずか手前で虚へと還った。


(ーー!今のはヒットしたと思ったのですが・・・本当に嫌な能力ですね。)


 クルースも流石にこれは不服だったようで、舌打ちをして、だが冷静に、次のチャンスを虎視眈々と伺う。


「さて・・・あいつはどこだ?」


 クロノはゆうを探す。

 視認できないことから、魔力による探知に即座に切り替え、その時ーー。 


(・・・・・・っ!この速度は無理だっ!)


 ゆうの魔力を追跡し、居場所を知ることは一旦はできた。

 しかしその追跡も長くは続かず、なんとゆうは、追跡速度のそれよりも圧倒的な速度で周囲を駆けている。


「流石に速すぎだろっ!」

 

 クロノは能力の使用を躊躇い、止む無く通常攻撃へと移行する。


 すると直ぐに、ゆうは剣でクロノの攻撃を仕掛ける、が何とか受け止められてしまう。

 その後もゆうは、速度を武器に猛攻を続けるも、それは徐々に有効ではなくなってしまい、相手の反応が回を増すごとに良くなってきている。 


 そして今、言い訳をする余地も無い程完璧に捉えられてしまう。


「速さだけじゃね、それに同じ攻撃を繰り返していたら、誰だって慣れるさ。」

「クソッ・・・」

 クラスレッド・ブラスト

「< 赤魔術・疾雷 >」

「しまっーー」


 速さを完全に見切られ、攻撃を防がれ、続いて不時着してすぐの速度重視系魔術。

 ビッグサイズの武器を持ち、そして距離は超至近、まさか魔術を使うまい、といったゆうの先入観が、それへの対応を著しく遅らせた。

 何とかタイミングよくバックジャンプしたが、右肩でそれを受けてしまい、そこがややビリビリとしている。


クラスホワイト・ヒーリング

「< 白魔術・治癒 >・・・大丈夫?」

「ありがとうございます。」

「ゆうちゃんも一旦冷静になって。」

「すいません・・・。」


 治癒で傷は治ったが、しかし圧倒的な決定力不足により、またそれ以外の要素等々を引っ括めても尚、こちらの不利は変わらない。

 すると、


「う〜ん・・・じゃあ、さ、ゆうちゃん、取り敢えず私が戦っとくから、何か作戦考えといて!」


 選手交代、彼女は魔力を纏い、クロノへと向かってゆく。

 これは多分、優しさじゃない・・・。

 きっと彼女はーー。


(マギナさん・・・・・・あいつの弱点は・・・確か能力の使用を僕とマギナさんとで判断してたな。だとしたら能力の条件は何だ?)


 そしてマギナとクロノとの戦闘を観察する。


(・・・今、能力を使った。マギナさんには毎回使用して、実際にそれが効果的面発動している。けど僕のときは一回も・・・待てよ・・・確か一回、最初のときに使おうとしてたな。・・・)


「くらえっ!」


 マギナはゆうを気にする暇もないくらい、貪欲に勝利を追い求めている。 


「疲れてんじゃない?蹴りがよろよろっとしてきてるよ。」


 途端、マギナの動きが明らかに鈍くなり、クロノは余裕で避けながら、且つしっかりと煽り立てる。

 すると、

  ーースパンッ!と、空を切る音がこちらまで聞こえてくる、それくらいのパンチが一発、クロノ曰く、よろよろっとしてきたマギナから繰り出され、その緩急の上等な使い方に、クロノは防御する間もなく御見舞された。


 更にもう一発、マギナはすかさず畳み込む。

 だが、


        ペリオタクト

「・・・クッ!< 速度制限 >」


 やはりこれは対応されてしまう。


(また使った・・・っと今!今マギナさんの体が、ゆっくりだけど後ろに引っ張られている!僕の能力も考慮して彼の能力を考察するに・・・運動を{0}にする、いやーー相手の{攻撃ベクトル(仮)}に対して{マイナス0.05}程度の力を与える能力だ!・・・多分。そして自分の速さとの相対的な速さが極端なものについては対応できない!・・・はず。)

 

 こうして考えがまとまったので、またその喜びで、つい大声でマギナの名を呼び彼女を招集する。

 また彼女も、大変名残惜しそうではあるが、期待に答えて瞬時に撤退してきた。

 そしてゆうは、彼女にあるお願い事をする。


「・・・いいのね?」

「お願いします。」


 さて、どうやら勝ち筋が見えたらしく、いよいよゆうも気合を入れ直す。

 そして、


              クラスレッド・アネス

「ゆうちゃん、信じてるからね< 赤魔術・荒風 >」

[雑談]今回で締めくくろうと思ったのですが、やっぱりいろいろ変更しました。

   あと、遅れてすいません・・・。

[ブクマ&評価しましょう!!]50話記念且つ一章完結記念で最終話は明日投稿します。

[予告]次回の更新は、26日(正午)を予定しています。

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