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一章ー40 同等以上

またサブタイトルつけ忘れた・・・。

〜不明〜

       

       クラスレッド・フォルド

「う〜ん・・・< 赤魔術・炎撃 >」


 今度はやや魔術を余分にのせて、威力もそこそこある魔術を放つ。

 そしてそれは相手へと、ゴウっと威勢よく飛んでいきーー消滅した。


「やっぱり・・・当たってない、かな。」

「どういう意味ですか?」


 直撃したようにも見えたが、しかし実際はその寸前で軌道が変わり、拡散、しかし勢いまでは殺されずにそのまま後方のものを破壊したのだ。


「う〜ん・・・多分だけど、魔術程度だと干渉することができない?それとも・・・?」

「・・・は?」


 流石のマギナも、その現象については全くの無知のようで、ある程度の見当はついているものの、確証がまるでなく、殆ど勘である。


「しっかしアイツ・・・私の魔術をくらっても、まったく何も反応しないなんて・・・屈辱。」

「あなたの攻撃に殆ど反応できないなんて・・・屈辱です。」


 そしてまた、マギナは術式を構築する。


「さ〜て、もう一発・・・< 赤魔術」


 と、そこで術式の構築は中断された。

 なぜならば、、


「・・・泣いてる?」


 相手の目から、雫が一滴ーー。

 状況はよくわからないが、念の為クルース達は警戒を強める。


 男、いや、見た目で判断するならば、少年と表現するのが適かもしれないが、その人物はその後空を見上げ、手を開いたり、握ったりしながら、感覚を確かめるようにしている。


「はぁ・・・まだ少し眠いしダルい・・・。」


 その後、眠そうな顔でボーッとしながら、地面を見つめている。


「あなたが、シルさんたちを・・・?」

「ん?シルさん?・・・誰?」

「あなたがつい数時間前まで戦っていた相手ですよ。」

「・・・えっ、と・・・」


 相手はまるでわからないと言わんばかりに首を傾げる。

 しかしクルース達は、彼とその周囲の魔力の残滓から、犯人は彼であると確信している。


 その後も二人は男に対して聞き問答を繰り返すも、相手は否定するばかり、いや、正確には「知らない」の一点張り。


「私達を舐めているのですか?」


 クルースは、今にもこの男に飛び掛からんとする勢いで、だがそれを抑えつつ、男に全霊の注意を払う。


「折角異世界で静かに過ごしてたのに・・・変なのに体を乗っ取られそうになって・・・殺人の罪を着せられるなんて・・・最悪だ。」

「異世界?乗っ取られた?」

「あの・・・もう行ってもいいですか?」


 情報が一気に、波のように押し寄せてきた、クルースらにとってはそんな感覚だったのだろうか、一瞬だけ

、この男の言葉がまるで理解できなかった。

 そして次の瞬間、ようやく言葉が入ってきて、クルースは「なぜこんな男に負けたんだ・・・。」という思いが込み上げてきた。

 それが怒りの感情へと変わるがーー。


「う〜ん・・・取り敢えず、私と戦おうよ。」

「何で?」

「私よりも弱かったらあなたは犯人じゃない。」

「なんて理不尽な・・・。」


 マギナな平気なのだろうか、未だつらい顔一つ見せない。

 その事実に対しても、クルースは複雑な感情をいだきながらも、取り敢えずそれは後回しにする。


 マギナから戦いを挑まれた男は、嫌そうな顔をするも、その後に、


「サトル・クロノ、名前だけは教えときますが・・・さっさと終わらせますので。」




 〜ギルド本部・ICU〜


 ゆうは現在、本部にいる。

 理由は言うまでもない。


「セツさん・・・・・・」


 彼の慈しみ深い視線の先には、いつにもなく色白の、彼のよく見知った少女の姿があった。

 ゆうは、彼女を暫くの間ぼんやりと見つめる。

 そしてふと、ギルドでの出来事を思い出す。


(僕はなんであの時・・・いや、勇気がなかったんだ。何かできる、何かの役に立つという自信がなかったんだ・・・。)


 夥しい数の後悔と、拭いきれない不安が彼を襲う。


「異世界に来れば・・・異世界に行ければ・・・なんて、」


 一人、呟く。


「はぁ・・・まさかこんなに精神的疲労が蓄積するなんて・・・それもそうか。だって毎日が180度変わったんだから・・・。」


 よくよく考えて見るに、そもそも素人が異世界に行ったところで、何ができるわけでもないのだ。

 そんなような、負の何かが、口から心から溢れにあふれる。 

 そしてふと、先程の出来事がありありと、頭の中で再生された。



「クルース、行くよ。」



「例の場所は、恐らくこのあたりです。その周辺は、」


(「僕も行きます!行って戦います!」)


 ゆうは、心のなかでそう叫んだ。

 しかし、心の中の声でさえ、ゆうには頼りなく聞こえた。

 そしてゆうは、二人の出発を、ただただ立ち尽くして見送った。



 「セツさん・・・」


 そしてまた、セツの名前を呟く。

 もうそれくらいしか、できることがないのだろう、もしかしたら、精神的安心を求めているのだろうか。

 その後しばらく、彼はこの場に留まっていた。




〜XX(座標不明)〜


「また弾かれた!」 


 マギナはそう不平を言う。

 そしてまた魔術を行使する。


  クラスレッド・ウェスト

「「< 赤魔術・水壊 >」」


 マギナが魔術を放ち、そしてクロノもまた、同じ魔術を放つ。

 そしてそれが、無数の水の弾丸が一対一でぶつかり合い、霧散する。


 マギナはこの、一進一退の不毛な攻防を楽しんでいるように見えるが、一方のクルースは、視界が悪くなり、援護にも入ることができず、ただただ迷惑なので、やめてほしそうにしている。 

 しかし残念ながら、彼女はまったく他人を気にしない。


「これならどうだ!」


 めげずに再度トライする。


 クラスレッド・ブレイズ

「「< 赤魔術・豪炎 >」」


 視界の隅から隅までを、まさに豪炎と呼ぶにふさわしい炎が埋め尽くす。

 同等同質の、しかしベクトルの違う炎は互いに干渉し合い、そして周囲へ大量のエネルギーを熱として放出、今にも木やらなんやらが発火しそうである。


 その後も彼女らの魔術は、同質・同速・同タイミングで放出・飛翔・着弾の過程を繰り返す。

 

 すると、いつかのタイミングで、


「そろそろ遊ぶのはやめてください。」


 クルースが魔術の打ち合いを一時中断させる。


「ん?」

「お互い本気は出していないようですが、技も威力も何もかもが同じなので、ただただ不毛なだけです。」 

「そうだね~。まぁもしかしたらあいつが犯人じゃないかもしれないじゃん、と思ったのよ。もし私よりも弱かったらさ、シルさんなんて、絶対に倒せないし・・・でも、私と同程度の力はあるみたいだし・・・。」


 そしてセリフの最後にボソリと、他者に聞こえない程度に何かを呟いた。

 直後彼女の、いつもの明るいオーラがぱったりと途絶え、代わりに魔力がより濃くなった。

 クロノは、反射的に彼女と距離を取り、息を呑む。


         アスレフト・グレイ

「さようなら、、< 灰魔術・鏡加速 >」

[雑談]第一章ということで、ここまで大部早足で、というか色々かっ飛ばしてきた、という自覚はあります・・・。

   でも、はじめの章位は良いか!と自分を甘やかしています。

   第一章もあと10話程なので、ハイペース(?)ですが、どうぞお付き合いください。

[ブクマ&評価しましょう!!]しましょう!

[予告]次回の更新は、13日を予定しています。

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