一章ー22 竜・・・楽勝
「あの・・・すいません・・・。」
「はい?」
目的地へと歩いている最中に、ゆうがそのエルフの少女に話しかける。
「えっと・・・その・・・名前は何ですか?」
どうやら陰キャの性が出てしまったようだ。
「あれ、言ってませんでしたっけ?私はユナと言います。」
「・・・ありがとう。」
そんなぎこちない会話がなんとか続いていた。
〜道中〜
「もうすぐ着きますよ。」
現在ゆうは、ギルドから見て北東にある山に来ている。
取り敢えず、エルフの里なる場所へと行くことになったからだ。
そして、なんでもエルフ特有の魔力のようなもので、里が隠されているため、通常見つけることができないとのことだ。
その後も山の中をどんどん進んでいく。
ユナは、軽やかに山道をゆくが、ゆうはそうはいかず、割りと悪戦苦闘している。
(・・・今一瞬ーーなんか、変な感じだな。)
しばらくして、ゆうは何か違和感を感じた。
それの正体はわからないが、恐らく結界のことだとゆうは考える。
そして、段々とゆったり易しい道になってきたので、気分転換がてら空を見上げる。
「綺麗だな〜・・・ん?」
「どうかしましたか?」
「いや・・・なんか空を見上げたら、変なのが飛んでたような?」
その言葉に、二人は空を見上げる。
すると確かに、一瞬何かが横切った。
「あれは!」
「・・・。」
竜だ。
ユナの表情が一気に暗くなる。
どうやらあいつがその討伐してほしい竜らしい。
一方のゆうはと言うと、
(なんか・・・小さいな。前のヤツのほうが大きかったよな。それに魔力もアレと比べたら、まだまだ子供だな。)
どうやら珍しく冷静に分析し、そして余裕すら感じているようだ。
ユナは、「急ぎましょう。」短く呼びかけ、歩行速度を速めた。
二人は急ぎつつ、時々空を見上げながら歩いている。
すると、竜に向かって何かが飛びかかっていく様子を捉えた。
ユナはその人物に見覚えがあるようで、少し取り乱し、そして駆け出した。
「クソッ・・・なんて強さだ!」
竜に果敢にも挑んでいた人物、それはまだユナと同い年くらいの少女であった。
少女は、闘志を宿した目で、竜を睨む。
「ノア!」
突然、ユナの声が聞こえた。
そして少女もまたそれにすぐ反応する。
「ユナ!・・・避難してろ!」
「嫌です!」
どうやらノアと呼ばれているその少女は、自分で竜を討伐する気らしい。
そんな感動的な少女たちの再会であるが、竜にはそんなことは関係ない。
ゆっくりユナの方を向き、不審な動きをしだす。
ノアはそれを察知し、魔術を放とうとするも、竜の羽ばたきで吹き飛ばされてしまい、うまく構築できない。
「クソッ!」
ノアはすぐに体制を立て直し、魔術の構築を再度開始する。
しかし竜は、ノアなど眼中にないとでも言うかのように、若しくは先に仲間を潰しておくとでも言うかのように、狙いを完全にユナへと定めた。
「口を開いて、喉が・・・ブレスか!ユナ、逃げろ!」
そうは言うものの時既に遅く、広範囲に被害を及ぼすブレスからは逃れることができない。
ノアもそう思い、ブレスを食い止める、いや、せめて照準をずらすべく、必死に魔術を放つ。
ユナは、怯えて、足がすくんでその場にへたり込んでしまった。
そして無情にも、ブレスが放たれたーーがしかし、それがユナへと届くことはなかった。
フォームド
「< 具象剣 >」
ゆうは、恐れずにその炎へと突っ込み、そして剣で華麗に一刀両断してみせた。
「あっ、やっぱ威力低いわ。てか温度も低いわ。」
「・・・あ、あんたは?」
「あっ、どうも。ユナさんの知り合いです。一応冒険者です。」
ノアは、いま起きたことが理解できず、または驚きのあまりぽかんとしている。
竜も、驚いた気色はあれど、再度ブレスを充填する。
「うん、しつこいな・・・。てか芸が無いな・・・てかやっぱり弱いな、あの竜。」
「弱い?馬鹿な・・・」
ゆうの発言に、ノアは驚きが隠せない。
そんなことはお構いなしに、ゆうは竜討伐へといよいよ本気を出す。
「あっ、そこにいてくださいね。」
そう言って、ゆうは竜と対峙する。
竜は狙いをゆうに定め、そして再びブレスを放つ。
しかし、ゆうは全く動じていない。
迫りくる炎を前に、全く冷静であり、そしてゆっくりと右の掌を、ブレスに合わせるように突き出す。
そして静かに一言。
クラスレッド・ウェスト
「< 赤魔術・水壊 >」
すると、突如出現した、言わば水の砲弾が、ブレスを迎え撃つ。
それらは衝突と同時に、音と水蒸気とを発生させた。
一気に視界が悪くなる。
「なんだ・・・今のは?」
はゆうの魔術に、ブレスを相殺した技に驚く。
また竜も、やや混乱しているが、視界を確保すべく羽を羽ばたかせる。
それのおかげで、瞬く間に視界は良好になった。
だが、先程までいたゆうの姿がどこにも見当たらない。
ノア及び竜は、ゆうを探す。
その時、ゆうは竜の真上、上空にいた。
これは、< 白魔術・飛翔 >の効果である。
そして、竜を上から観察している。
「まったく・・・竜ってなんでこんなに出てくるんだか」
そんな余裕なことを考えているが、しばらくして
メノス
「< 帯電 >・・・行くか。」
ゆうは、それと同時に高速で下降する、眼下の竜目掛けて。
竜は遅れてゆうに気づき、防御姿勢を取ろうとする。
しかしゆうは、スピードを緩めることなく、そしてすれ違いざまに、雷を帯びたその剣で、竜の急所を突き、そして着陸した。
竜は為す術もなく、その後墜落した。
「「えっ・・・・・・。」」
ノアと、正気に戻りノアの元へと駆けつけたユナは、それを見て、最早思考が停止した。
最近結構忙しくて、毎日投稿できるか分かんないです。
2日に一回は投稿するようにしますが・・・ご理解お願い致します。




