一章ー21 エルフ
29日はやはり投稿できませんでした・・・。
大変申し訳ございません!
週末に振替投稿します。
〜街〜
珍しく早く起きたゆうは宿を出て、いつものようにギルドへと向かおうとする。
しかし、早起きのお陰で時間に余裕があるので、少し街をブラブラすることにした。
ここはかなり大きな都市であり、発展しているが、領土的にそこまで大きいと言うわけではなく、意外とコンパクトに収まっているのだ。
そしてこの、広すぎず狭すぎずの間隔が、ゆうのお気に召したようだ。
思えばゆうは、異世界に来てからというもの、のんびりと散策する機会などがなかった。
なので、ただ商店街を歩いているだけだがかなり満足している。
「凄いな、知らんものがいっぱいある。」
ゆうが現在見ているのは、所謂ポーションというものだ。
しかも、なんと液体の色が水色だけではなく、オレンジ色等数種類あるのだ。
「あの・・・これって全部種類が違うんですか?」
ゆうは思わず、お店の人に声を掛ける。
「いや、効果は全部同じだ。ただ、うちは味にもこだわっていて、例えばこのオレンジは柑橘系の果物の味だ。かなり人気だぜ!」
ゆうは、
そしてつい、二つ買ってしまった。オレンジ味を一個と、ぶどう味を一個だ。
(しかし、なんか思ってたよりも多様化してるな!それに果物があったとは・・・。でも、そういえばミテラさんが作ってくれた料理に、カレーとかハンバーグとかあったし・・・意外と色々あるな。)
そんな素朴なことを考えながら、ゆったりと朝の時間を過ごしている。
「次はどこを見よッ・・・」
すると突然、背中に何かを感じた。
しばらくフリーズした後振り返ると、どうやら知らない少女に抱擁されたようだ。
状況がよく分からず、取り敢えず思考を停止しながら少女を見つめる。
すると、少女と目が合う。
「あの〜」
ゆうが思わず声をかけようとする。
すると、少女は突然抱擁する手をバット放してゆうから距離を取った。
そしてまたお互いに見つめ合う。
「・・・あのっ!」
「は、はい!」
突然の大声が、早朝の商店街に木霊する。
周囲の目が集まる。
「あっ、すいません・・・。えっと、あっちで話しましょう。」
ようやく冷静になったらしく、ゆうに場所を変えようと促す。
そしてゆうも、それに頷き、着いていった。
「さっきはすいませんでした・・・。」
「いや・・・いいんだけど、どうしたの?」
「まず、初めに聞きたいことがあるんですけど、えっと・・・」
そう続けるが、どうやらゆうの名前がわからないらしく、口を噤んだ。
それを察したゆうは、名前を教えた。
「ゆうさんは、冒険者さんですか?」
「あっ、そうですけど・・・。」
そう言って、ライセンスを提示する。
すると少女は、それを見るなり喜びの色が顔に現れる。
「あのっ!お願いがあるんですけど・・・えっと、竜を倒すお仕事なんて・・・どうですか?」
「?どうですかと言われても・・・」
ゆうは、あの時の竜を思い出す。
(ん?だってあれだろ、竜って・・・あの僕の腕を吹きとばす、デカいやつ。えっ・・・)
色々と思うところはあるので、取り敢えず何故自分に声をかけたのかを聞いてみた。
「噂を耳にしたんです。まだ新人だけど、竜を討伐したAランクの冒険者がいるって・・・。だから一度会ってみたかったんです。それが本当か確かめに。まぁ、どうやら本当みたいですけど。」
「確かに僕はAランクで、竜も倒したことあるけど・・・なんで本当だって分かったの?」
「それはさっき確かめたからです。」
(ん?確かめた?・・・いつ、どうやって?)
ゆうの疑問を察した少女が、説明を補足する。
なんでも、少女はエルフというかなり特殊な種族であり、さっき抱擁した時に調べたらしい。
「・・・なるほど、エルフね、エルフ。エルフ・・・ん?エルフ?」
ゆうは何かに気づいた。
(エルフって・・・!)
ゆうは、静かにガッツポーズをする。
憧れのエルフに会えて、喜びが抑えられないようだ。
「・・・だから、私達の里を守ってください!」
どうやら今大事な説明がなされていたらしいが、又もや聞き逃してしまった。
それを取り繕うために、取り敢えず「分かった。」と一言肯定したが、こっちに来てからこういった事案が多発しているので、人の話はしっかり聞こうと反省した。
「では、行きましょう!竜を討伐しに!」
「行こう!・・・ん?」
ノリノリで返事をしたが、どうやら自分が大事なことを聞き漏らし、そしてそれを肯定してしまったことに気づいた。
ゆうは本日、人の話をしっかり聴くことの大切さを改めて学んだ。
こうして、二回目の竜討伐へと向かった。




