一章ー18 フルメタルベア(討伐済み)
今度は投稿予約一日間違えたー!
「あ、お疲れ様です!戻られたということは・・・」
テレスは直ぐにゆうを察知し、そして彼の無事を確認し、嬉しそうに話しかける。
「はい、倒してきました!」
「それは良かったです!」
そしてゆうは、便利袋から回収した素材をいくつか取り出した。
「す、凄く綺麗な状態ですね!」
ゆうが取り出した素材は、どれも殆ど生きているときと変わらぬ状態であり、それに対しテレスは思わずゆうを称賛する。
「この部位なんか、全く傷がないですし、素材の剥ぎ取り方もそうなんですけど、まるで即死させられたかのような状態で・・・本当に凄いです!」
(そうなんだ・・・メイサさんから素材の剥ぎ取り方について、一応教えてもらっといて良かった!)
そう、ゆうはあの地獄の日々の中で、なんと自主的に学んだのだ。
その理由は、ゆうは絶望的に手先が不器用なので、十分な知識と沢山の経験がないと到底できない、と不安に思ったためである。
因みに、最初のうちは肉や魚などなどの捌き方から教わり、次いでよく分からない、恐らくメイサが何処かから調達してきた化け物の残骸のようなもので練習させられたのだ。
わざわざ述べる必要などないと思うが、初心者であったゆうは練習中、何度も気が狂いそうになった。
こうしてゆうが、過去を回想していると、テレスが急に静かになった。
「・・・」
ゆうは、不思議に思い声をかける。
「あの・・・」
「・・・これ、違いますね。」
どうやらここで、ゆうが討伐対象を間違えたことが判明してしまった。
ゆうは、やってしまったと頭を抱える。
「これは・・・フルメタルベアですね。上位種です。」
「・・・えっ?」
「フルメタルベア。アイアンベアの上位種です。そもそも体長が圧倒的に違うので、間違えるはずはないと思うのですが・・・。」
そう言いつつ、ゆうの方を向く。
するとゆうは、取り敢えず視線をそらす。
「それにもし間違えたとしても、体の硬度がまるで違うので、普通ならこのように斬れないのですが・・・」
そしてテレスは、ある一つの素材に目をやる。
それはフルメタルベアの右腕の部分であり、殆ど傷もない。
(あっ・・・そういえば、調子に乗ってあの両手剣で解体してみたんだった・・・。もの凄く斬れ味いいし、解体専用としてならいいかと思ったのだが・・・。)
ゆうが内省をしていると、テレスが再度発言する。
「・・・まぁゆうさんなら、これくらいやってくれると思っていましたよ!しかし、本当に凄いですね!まさかSランク相当のモンスターを、殆ど傷をつけずに討伐してしまうなんて・・・。」
(あれ、Sランクだったんだ・・・なんか、それにしては弱いな。)
そう思うのも無理はない。
Sランクと言われてゆうが最初に思いつくのは、やはりあの狼だ。
竜も確かに強かったが、あの狼にはしっかりとした知性があり、戦いに慣れていた。
そしてその強さは当に常軌を逸しており、『 起死回生ノ一手 』及びセツやクイーンの協力なしでは到底勝ち得なかっただろう。
そんな強さの狼と、あの熊とを同じSランクであると一概に言ってしまっていることに、ゆうは少々疑問を持ったのだ。
「この分なら、すぐにSランクに昇格してしまいそうですね!」
テレスはそう言って、無邪気に笑う。
そんな姿を見て、ゆうはAとかSとかどうでもいい、と一瞬思ってしまった。
その後、素材の買い取り等を済ませ、ようやく依頼が完全に完了した。
「お疲れ様でした。これでこの依頼は完全に終了になります。」
「そうですか。あっ、こちらこそ、お疲れ様でした。」
「そういえば・・・!」
やっと終わったかと思いきや、テレスは何かを思い出したようで、話を続けた。
「先程大きな爆発音の後に、山が削られるというような事件が起きたのですが・・・幸い被害は出なかったので良かったですが・・・」
これを聞き、ゆうは何かを思い出した。
(・・・そういえば!ノリだか好奇心だかで放ったやつが、確か山を削ったような?・・・他人事だと思ってた。)
両手剣の威力の方に気を取られすぎて、すっかり軽く流していたが、ようやく自分のしでかしたことに気付いたようだ。
称号:自然の敵を手にする時も近いかもしれない、そう思った。
そして最後に、ミテラは「取り敢えず、ゆう様が山を削ったと上に報告しておきますので。」と言い残し、ギルドの奥へと消えていった。
どうやらゆうの仕業であるとバレていたようだ。
(・・・逃げてもいいいかな?)
一瞬悪い考えが浮かんだが、即座にそれを捨て去り、取り敢えず疲れたので宿へと向かった。
あと2、3話ほどで、日常回も一旦終わりです。
もうしばらく、ゆうの日常にお付き合いください。




