一章ー14 Aランク
バトルはもう少々お待ちください。
〜ギルド〜
宿でお昼から次の日の早朝までぐっすり寝たゆうは、少し早めにギルドに来ていた。
とてもよく眠れたのか、その表情は、いつになくスッキリしている。
(さて、今日は何をしようかな。ていうか、僕って何の為にこの世界に来たんだっけ?)
この世界に着いてからというもの、イベントが次々に発生してしまい、それに流されて今日まで来てしまったので、一度立ち止まって冷静に考える。
(えっと・・・勇者とかを探すのが僕の役割で、取り敢えずこの世界を攻略してこい!って感じで派遣されたんだっけ?・・・攻略?やっぱり魔王を倒せばいいのか?)
魔王、それはゆうにとっては何かと因縁のある存在である。
初めての異世界では、魔王に敗北し、探索者として初めて向かった異世界では、魔王要素ゼロの変質者を撃退した。
(思い返してみると・・・振れ幅酷いな。魔王って聞くと未だにジーパンが頭をよぎる・・・。)
ゆうはこの現象を、ジーパン現象と命名した。
それはさておき、ゆうは一つ、疑問に思ったことがある。
(なんか、この世界で一回も魔王みたいな単語聞かないな・・・あとでガイさんにでも聞いてみよう。)
不確定要素が多い中、ゆうは現時点での目標を設定することにした。
(魔王の強さも居場所も分からんし・・・取り敢えず、Sランクを目標にしよう!)
こうして、Sランクになるという新たな目標を胸に、心機一転、依頼を受注しに受付まで行く。
「おはようございます!これ、お願いします。」
初めて見る受付嬢だったが、込み上げてくる陰キャを抑え、爽やか(なつもり)に話しかけた。
すると、
「ゆう様です!ゆう様が降臨されました!繰り返します。ゆう様が降臨されました!ゆ・・・」
ゆうの顔を見るなり、受付嬢が突如騒ぎ出した。
ゆうは戸惑う。
もしや、さっきのエセ爽やかが本当に絶望的すぎて、おかしくなったのではないかと不安になる。
ゆうがそんなことを思っているとはつゆ知らず、受付嬢は騒ぎつつけ、これを聞きつけたガイさん及びその他の受付嬢が集結した。
(な、なんだ?)
もう殆どお祭り状態になり、ゆうは一層混乱した。
すると、ガイさんがその場を静める。
(やっと静かになった・・・。)
「ゆうくん、いや、ゆう殿・・・」
「はい!」
「・・・Aランク昇格おめでとう!皆拍手!」
どうやらAランクに無事昇格したらしい。
それに伴い、呼び方も”ゆう殿”へと昇格した。
そして、昇格を祝うために、みんなが集まってくれたようだ。
「あっ、えっと、ありがとうございます!」
「本当におめでとう!まさか、このギルドから二人もAランクが誕生するとは・・・。」
どうやらよっぽど嬉しいらしい。
因みに一人目は、言わずもがな、みんな大好きセツさんだ。
拍手喝采は、その後しばらく続き、そして皆再び業務へと戻った。
そして褒めたれたゆうはというと、満更でもなさそうな表情をしている。
すると、ガイさんがゆうの方をポンと叩き、話しかける。
「ゆう殿、Sランク、遠慮しなくていいからね。」
(もうSランクの話してるよ・・・でも、期待されて悪い気はしないけど。・・・そういえば!)
ゆうは、ふと疑問に思ったことを、ガイに聞いてみる。
「Sランクって、全員で何人いるんですか?」
「全員で5人だ。そして・・・」
「そして?」
「そのうちの一人はなんと、セツ殿なのだ!」
「えっ、じゃぁ!」
「そう、ゆう殿のAランク昇格と同時に、セツ殿のSランク昇格も決まったのだよ!」
(セツさん、凄いな!僕も頑張ろう!)
「Sランクになると、何か変わることとかってありますか?」
つい、興味がどんどん出てきてしまい、根掘り葉掘り質問する。
「ふむ・・・まぁ変更点は大きく4つだ。
・拠点を本部へ移動しなければならない
・特別案件の受注が可能になる
・顔パスがいたるところで使えるようになる
・秘匿情報を知ることができるようになる」
「なるほど。」
ガイさんは、セツはもう本部へ移動するから、会うのはかなり大変だと付け加えた。
セツさんにどうしても会いたいのなら、自分もSランクになるのが一番手っ取り早いとのことだ。
「因みに、Aランクの依頼も、残念ながらここでは受注できないのだ。」
「えっ、そうなんですか!?」
「ここはどちらかといえば田舎だから、Bランクの依頼までしか対応出来ないのだ。」
「なるほど。」
付け加えると、昇格試験のときにセツが来たのも、本部がセツに依頼をだしたためである。
「あの、そしたらどこで依頼を受けれるんですか?」
「それなら東の都市へ行くといい。本部も近いし、一番大きなギルドだ。」
(つまり、もうここを出ないといけないのか・・・)
ゆうは、ほんの少し寂しさを感じた。
その後、ガイともう少しだけ言葉を交わし、最後に金色のライセンスを渡された。
身分証明にも使えて便利だそうだ。
「ではゆう殿、しばらくは会えないが、寂しくなったらいつでも帰ってくるといい。」
ゆうは静かに頷く。
寂しさはあれど、ガイ達の期待を一身に背負って、今、慣れ親しんだ場所を出る。
いざ、Aランクの依頼を受けに。
ステータス
スキル:見切り 即死耐性 剣術(中級)
白魔術(上級) 赤魔術(上級)
魔力操作 具象剣 威圧
スキル(レア):魔力相乗 魔力変換 諜報
恒時スキル:魔術強化 回避率上昇
魔力保有量上昇 自動治癒 竜特攻
称号:抗ウ者
アイテム:炎竜の両手剣 影ノ勇者のパット




