一章ー12 呼び出し
初・ブクマいただきました~!
感謝の投稿です。
もうすぐ朝日が昇り始めるか、という頃、ゆうは目を覚ました。
隣にはセツと、あの見知らぬ女性が、今度は衣服を纏ってそこにいた。
「ごめんなさいね、あなた。つい・・・ね」
ゆうはただ、呆然とその女性を見つめている。
「・・・ゆうさん!」
セツがまたジト目をするので、ゆうも強固な意志で、煩悩を払い除けた。
しかし、またクイーンがゆうを殺しにかかる。
「あの・・・旦那様と、あなた、どっちで呼んだ方がいいですか?」
「・・・えっと・・・じゃあ、あなた、で」
「分かりました。あ・な・た」
(〜〜尊い!!!)
思わず心のなかで悶絶してしまう。
クイーンの神対応(?)に、ゆうは満更でもなさそうだ。
「ゆうさん・・・いつからこの方と結ばれたんですか?」
そうしてただクイーンだけを見つめていると、セツが拗ねたような声で問い掛ける。
「えっと・・・あれ?」
「うふふふ」
ゆうは混乱した。
確かに言われてみれば、と。
だが、クイーンがあまりにも美しいためそれでいいという事にした。
一方のセツは、取り敢えずゆうはどうしようもないと判断し、話を続ける。
「ゆうさん、ホントにこの方をどうするんですか?まぁ今の状態なら、連れ帰っても問題ないですが・・・」
「・・・確かに」
どうするか、つまりずっとクイーンを連れて冒険を続けるのか、ということだ。
そしてそれに対するいい案がないことに気づき、ゆうは頭を抱える。
するとクイーンが、打開案を提唱した。
「あなたは、召喚のスキルを持っていますか?」
「召喚?」
ゆうは、その言葉に一瞬で反応する。
ロマンを感じ、欲しいなと常々思っていたからだ。
絶対にドラゴンやらなんやらを出すイベントがあると思っている今日このごろだが、そう上手くはいかないのが世の常である。
が、まだ分からない。いつの間にか出現しているかもしれない。そう思い、ステータスをひらく。
(・・・ない。そういえば、『 影祓イ 』もいつの間にか消えてるな。この前のといい、今回のといい、何なんだろうか?僕の能力なのだろうか?)
「・・・あなた?」
「あっ、持ってない・・・です」
つい、考えが脇道にそれてしまい反応が遅れた。
もうそろそろゲットしても良い頃合いだと思ったが、と、天に祈る。
「なら・・・強引に魔力での呼び出しにしましょうか」
ここで、説明タイム
・召喚 :スキルを行使する
生き物を呼び出す
呼び出す際対象に対し、制約は殆どかからない
・呼び出し:魔力を対象と自分との間の回路に流し込み出現させる
回路は事前に作っておく必要がある
対象は能力を制限される
召喚者の疲労が激しい
・具象化 :対象と同程度の魔力により対象をその場に創り上げる
制約なし(100%以上のパフォーマンスをすることもできる)
魔力が想像を絶するほど持っていかれる
できる人はほとんどいない
これを知りゆうは、ふと何かを思いついた。
「・・・」
何か考える素振りを見せ、そして突然セツに熱い視線を向けた。
「・・・なんですか?」
依然としてセツは、ほんの少しだけ拗ねているようだ。
しかしそんなことなどお構いなしに、セツを見つめ続ける。
「えっと、ゆうさん? その・・・えっと・・・」
結局セツは、拗ねていたことも忘れて、そして思わず左手で視線を遮り、恥じらった様子でいる。
セツがそうしてドキドキしている中、ゆうは何を考えているのかというとーー。
(具象剣の扱いだって、かなり難しいのに、セツさんは、あの魔剣を出現させているわだよな・・・。もしかしたら、凄い才能なんじゃ・・・)
やはり大したことは考えていなかった。
また、いつまでもセツを見つめるゆうに対し、クイーンが少し不満をあらわにする。
「あなた・・・そんな堂々と浮気されては、私・・・」
「・・・え? 違っ、違うから!」
「何が違うんですか、ゆうさん!」
反射でつい、余計なことを。
そしてそれが災いし、両者の逆鱗に触れてしまったようだ。
結局ゆうは、この場を収めるのに十分ほどの時間を要した。
余談だが、< 具象剣 >は、召喚の一種らしい。
条件は、魔力の比較的少ない、若しくは魔力を持たない剣を呼び出すものらしい。
ゆうが普段使っている剣は、普通の剣なので召喚できる。
が、竜と戦った際の戦利品として手にした「炎竜の両手剣」は、魔力が多いため、だめらしい。
なのでもうしばらくは、収納袋の番人になってもらおう。
話を戻す。
「つまり、あなたと私との間に魔力の回路を作れば、いつでも私を呼び出せるのよ」
「それは便利だな! よし、やろう!」
普段は割りと優柔不断な方だが、今回はすぐに決断した。
やはり、内に秘めた厨二の精神を無下にすることなどできなかった。
そうしてゆうが躍起になっていると、クイーンがーー。
「そう言ってくれてよかったわ・・・」
「・・・どうしたの?」
「・・・もう出来てるのよ・・・私とあなたとの間に・・・」
クイーンは、深い意味ありげにそう言って、自分のお腹に手を当てる。
そしてそれをもろに喰らったゆうはーーしっかりと気絶した。
(その言い方は、反則だってーー)
少しして、ゆうは復活した。
「えっと、じゃぁ、もう呼び出せるようになってるってことで良いの?」
「えぇ・・・。そこに魔力を流すだけでいいわ」
起床後すぐ、思いの外真面目に会話を進める。
またゆうは、新機能に対して便利だな、と思った。
しかし同時に、呼び出すタイミングがイマイチ分からないとも思った。
(流石に戦闘中に呼び出すのはあれだし・・・かといって、何でもない時に呼び出すのもなぁ・・・)
しばらく考えた後、未来の自分への課題とすることにした。
(しかし・・・回路を繋いだ覚えは無いんだが・・・)
回路ができている、と簡単に行っても、なにもそんな単純な話ではないはず。
魔力のコントロールはものすごく大変で、繊細で、本当に難しい。
「えっと・・・いつ僕と回路を繋いだの?」
「それは・・・」
「それは?」
「あなたが寝てる間、です」
(・・・なんで、なんでその時起きていなかったんだ!! 僕のバカぁ!)
心のなかで、またしても大絶叫する。
後悔先に立たず、という言葉を深く理解した瞬間であった。
因みに、その方法は聞かないことにした。
(うん、多分大したことじゃない、うん。だって、セツさんも居たんだし・・・)
気になるには気になるが・・・聞かないことにした。
が、それを察知したクイーンが、ゆうに身を寄せて囁く。
「気になるんでしょ・・・方法」
「いや・・・その・・・」
ゆうはクイーンの色気にやられてたじろいでいる。
流石に少年には少し刺激が強かったようだ。
しかしクイーンは追い打ちをかける。
ゆっくりと、顔をゆうの首元へと近づける。
「えっと・・・どうしたの?」
そしてーー
「カプッ」
クイーンはゆうの首筋を甘噛した。
それを見ていたセツとゆうは、いよいよ収拾がつかなくなった。
最後にクイーンは、「ごちそうさま」と言い残して、その場をあとにした。
「・・・」
もうすっかり朝になり、暖かな朝の日差しが、残されたふたりを照らしている。
改めて、初・ブクマありがとうございます!
50話位までいかないと、無理かな・・・なんて思っていたので、本当に嬉しいです!
ブクマしてくださった方も、しようかな〜と思ってやっぱりやめた方も、こんなのにするわけ無いやん!と思っている方も、この作品について真剣に考えてくださり、ありがとうございます。
おかげさまで、久々に熟睡でき、モチベも上がったので、これからも投稿頑張ります!
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