一章ー11 モフモフ
陳謝の投稿です。
「ふぅ、かなりヤバかった〜!」
そうしてゆうは、地面に大の字になって寝転んだ。
一方セツも、かなり疲弊し、木にもたれかかって、目を瞑っている。
(しかし、あんな大技隠してたなんて・・・まさか相殺されるなんて思わなかった・・・。まぁでも、大技やったあとは、疲れてるから、案外普通の攻撃が効いたりするって、嫌というほど知ってるからな。)
ピロン!
”Lvが58に上がりました”
「おっ、かなり上がったな」
”裏ミッション達成を確認”
達成報酬
・〈 諜報 〉
・〈 未来視 〉 (どちらか一つを選択)
・影ノ勇者のパット
達成報酬は、どうやらスキル一つと、恐らく装備であろうもの一つである。
(うむ、また二択か・・・。恐らく諜報は鑑定てきなやつの人聞きが悪くなったやつだろ、で、未来視は多分そのまんまだ。でも、どのくらい役に立つかわからんしな・・・)
悩みつつもゆうは、〈 諜報 〉を頂くことにした。
(よし、まぁ名前はなんか嫌だけど、鑑定スキルゲット! あともう一つ報酬があったはず・・・)
そして、その下の字面に目をやる。
・・・ゆうは絶句した。突っ込み所が満載すぎる。
(えっと、影ノ勇者って誰? てか女なんだ・・・てかパットなんだ・・・どうやって、いや、なん、いや、どう・・・)
かなり混乱している。
(取り敢えず、鑑定してみよう)
「〈 諜報 〉!」
スキルを使用して、しばらくした後、データが例のごとく表示された。
名称:極上のパット
特徴:独自の研究により、大幅な軽量化に成功!
シリーズ史上一番のつけ心地<以下省略>
追加効果:使用中は、以下の効果が得られます
・身体能力微増
・炎、水属性攻撃軽減
・回避率微増
・魔力消費量減少
・〈 光魔法・低級 >使用権限付与
「・・・」
ゆうは、再度絶句した。
そしてつい、驚きを隠せなくなってしまった。
「パットって、こんなすごいものなのか!」
ゆうの驚愕した声が、響き渡る。
先程の大技で、風通しが良くなったため、尚良く響く。
その声に驚き、近寄ってきていたセツも、ゆうから少し距離をとる。
「ゆ、ゆうさん・・・いやらしいです。せくはら反対です!!」
そしてセツは、頬をぷくっと膨らませて、反射的に胸元を隠す。
「・・・ごめんなさい」
ゆうは、軽くお叱りを受けた。
普通なら、この程度ではすまなかっただろう。
最悪の場合冷たい檻の中で、異世界生活を送るところになっていたかもしれない。
−−反省中
”続けて******を獲得しました”
(今それどころじゃないから!)
追加で何かを獲得したようだが、今はそれどころではなく、一蹴した。
そして、深呼吸をし、夜の澄んだ空気を肺いっぱいに取り込み、心を落ち着けた。
「もう反省は結構です」
「・・・はい」
お赦しがでたので、正座から開放された。
少し足が痺れている。
「では改めて、ゆうさん、ありがとうございました。私が不甲斐ないばっかりに・・・」
「いや、そんなことないよ。セツさんがいなかったら、とっくに負けてたよ。ありがとう!」
「・・・はい!」
二人はより一層仲が深まった。そんな気がした
お互いに称賛し合ったところで、セツが素朴な疑問をゆうに投げかける。
「ところで・・・どうしたんですか?」
何に対して疑問を持ったのかというと、それは、ゆうに甘えているクイーンのことである。
クイーンは、顔をゆうの腹部に擦りつけ、尻尾を恐ろしいほど振っている。
「なんかこう・・・」
「こう?」
「めっちゃモフりたい!」
モフりたいと言いつつ既に、ゆうの手はクイーンの美しい毛並みを堪能している。
セツが「もうモフってますよ!」とツッコミを入れたが、ゆうは尚もモフり続けている。
そしてまた、クイーンも、ゆうにモフられて満更でもなさそうだ。
セツはこの、ゆうとクイーンのイチャコラ(モフりモフられ)をジト目で見る。
(無事勝てたので、これくらいなら許しましょう。本当に無事で良かった。本来なら十中八九S級案件だったのに・・・。ギルドが依頼の、それも昇級試験の難易度を見誤るなんて・・・)
そんな事を考えつつ、モフり続けているゆうを見ている。
この様子だと、恐らくあと半日ぐらいは余裕でモフり続けそうなので、取り敢えずギルドに戻るように促した。
ようやく帰れると思った矢先、新たな、というより目の前にある問題に直面した。
それは、このクイーンのことだ。
とても人懐っこくて、大変無害そうではあるが、少なくともあの相当強かった個体とやり合える程度には強いので、本来なら即刻討伐すべきなのだが・・・。
「お前はどうしたい?」
ゆうは、クイーンと目を合わせ、半ば思考放棄的な考えで問いかけてみた。
するとそれが、思わぬ結果を産んだ。
「私は、あなたについて行くわよ」
なんとまあ色っぽい声が、どこからともなく聞こえてきたのだ。
「・・・セツ、お前、急にそんな、なんというか、うん・・・」
「・・・! いや、わ、私じゃないですよ!」
じゃぁ誰が?
勿論残る選択肢は一つだ。
「私よ」
案の定、ゆうの胸元より下あたりから、その声は聞こえてきた。
下を見ると・・・あるのはモフモフと地面と薬草だ。
と、ゆうは、
「最近の薬草は喋るのか〜。すごい時代になったなぁ」
「真面目に考えてください!」
「分かってますとも」
そして、モフモフに目をやる。
「ねぇ、旦那様? 私は勿論あなたについていくのだけれど、良いわよね?」
「だ、旦那様?」
「だって、あんなに激しく求められたら・・・。それに、”トキメキ”を感じたのですもの」
セツは顔が赤くなっており、我を失い何かをブツブツと唱えている。
「だ、旦那様・・・ダンナ様・・・だんなさま・・・」
一方のゆうも、妖艶さにやられてしまっている。
(ていうか、求婚した覚えなんてないんだが・・・)
すると突如、ゆうは押し倒されてしまった。
気づくと、尻尾と耳がオプションで付いている、妖艶な女性に裸で抱きつかれていた。
その女性は、胸に顔を擦り付け、甘えている。
疲労からか、それとも別の何かからか、ゆうは撃沈した。
略




