一章ー10 『 影祓イ 』
12時に投稿しようと思っていたのですが・・・すいません!
ピロン!
フォーチュン
”固有『 起死回生ノ一手 』を発動します”
リザーク
”限定:『 影祓イ 』を獲得しました”
決死の覚悟で魔力を放とうとする直前に、例のごとく、絶妙なタイミングで福音がもたらされた。
そしてゆうは、まるで今までに使用したことがあるかの如く、その能力を使用した。
フォームド リェクス
「< 具象剣 > < 装光 >」
具象剣により顕現した剣は、装光により影を祓う、あたたかな光を纏った。
そしてゆうがそれを一振りすると、影がかき消され、影の刃は忽然と姿を消してしまった。
「何!?」
驚くキングを傍目に、抱きかかえていたクイーンを、安全圏に避難させる。
「我の一撃を・・・貴様、何故最初からそれを使用しなかった?」
どうやらキングは、多少の混乱こそあれ、やはり依然として冷静である。
そして、ゆうの行動の不自然さに気が付いたようだ。
(そんな事言われてもな・・・使えるもんなら使いたかったよ)
ちょうどセツが追いつき、ゆうはクイーンの保護をお願いした。
「助けてくれて、ありがとね。あとはあなたに任せるわ」
「いや、こっちこそ、助けてくれてありがとな。じゃあセツ、頼んだ」
「任されました!」
そう言って、高速でモフってから、再び戦いへと身を投じた。
今度は、新しい能力を携えて、主人公らしく。
戻ると、キングはゆうに再度質問をした。
「貴様は何故、あの能力を使用しないでいたのだ? 出し惜しみをしていたのか? それとも我など能力を使うまでもないと考えていたのか?」
尤もな質問だ。そしてゆうも、正直に返答する。
「いや、違う。別に出し惜しみでもなんでもない。ただ、お前のお陰でついさっき、あの瞬間に、能力を使えるようになった、それだけのことだ」
キングはゆうの発する言葉、その一言一句を聞き逃すまいと、細心の注意を払って聞いていた。
そして、聴き終わると、再度ゆうに問い掛ける。
「言いたい事は分かった。だが、妙だな。我の能力に最も有効な能力が、最大のピンチとも言える場面で、突然発現した、と・・・」
鋭い指摘だ。が、しかし、ゆうにも自分の能力を理解できていないので、答えることは叶わない。
「まったく・・・今日は驚かされてばかりいるな・・・」
キングは半ば自嘲するかのように、そう呟いた。
そして突然、キングの雰囲気が変わった。
ヴァイダス
「『 影使イ 』」
(キングのもとへ、魔力が集まっていく・・・!)
ゆうは、キングがまだ力を隠していたことに驚きつつも、しっかりとキングを見据え、光を纏う剣を構えている。
デイル
「< 影破 >」
(なんだ・・・集まっていた魔力が、突然拡散した・・・)
ゆうは、これから何かが起こると考え、その場でじっと、その時が来るのを待った。
が、一向にその時は訪れない。
(何も起きない・・・)
と、キングが、「我に向かってこないのか?」と挑発した。
(誘っているな・・・まさか、僕が何か特定の条件を満たすと発動する、とか。時間・・・いや、あいつとの距離か?)
ゆうは思考を巡らせる。
と、キングが突然、ゆうの方へと動き出した。
「距離か!」
ゆうは、瞬時に発動条件が距離だと判断し、キングから距離を取ろうと後ろへ駆け出す。
ただ、やはり速度はキングの方が圧倒的に速く、すぐに追いつかれてしった。
「くそ・・・発動する!」
しかし、発動しない。
「何が・・・発動するって?」
「ヤバっ!」
ゆうは、相手の思惑を深読み過ぎたあまり、単純な攻撃への対応が少し遅れてしまった。
しかし、光を纏う剣で、相手の斬撃に対して丁寧に対応し、なんとか受けきった。
(惑わされた・・・でも、取り敢えず近づいても問題ないことは分かった。・・・攻める!)
そう思って、左足を少し後ろに着地させた、その時ーー何かが爆せた。
「何!?」
咄嗟に自分の足に魔力を纏わせ、大きく後ろへジャンプしたため、被害は殆ど無い。
(危なかった・・・。ていうか、反射速度上がってるな。レベルが上がったから、ちょっと能力が上がってるのかもな)
そしてゆうは、再度考える。今、どうして爆せたのかを。
(距離はとれていた・・・あいつがなにかした様子もない・・・となると、残る可能性は、時間、か?)
ふと、キングを見ると、不敵な笑みを浮かべている。
まるで、こちらの苦悩を見透かされているようだ。
(時間、いや、あいつの能力は”影”だ・・・)
何となく、先程爆せた地点を見つめる。
(・・・!! なるほどね)
「キング・・・お前の技、その正体が分かったぜ!」
「そうか・・・で、だから何だ?」
キングは未だ、自分が有利だと思っているのか、余裕である。
ゆうは、それを好機とみなし、詠唱を始める。
ラスト・エイルド
「完封してやるよ! < 天使光剣・qq >」
詠唱完了と同時に、九十九もの、光を纏う大剣が出現した。
カヴィサ
「我も、本気を出さねば・・・死ぬ! < 影破影撃 >」
キングは、その技の異常性を瞬時に察知し、即攻撃へと転じる。
ゆうは、携えている光剣の切っ先を、キングに向ける、まるで、先程のセツのように。
そしてまたキングも、影で作り上げた、光をも吸収してしまいそうなその一振を、ゆうへと向ける。
「・・・光よ!」
「・・・影よ!」
お互いがそう唱えると、それらは一斉に放たれた。
衝突と同時に、周囲は光と影とに呑み込まれ、そして、双方ともに消滅してしまった。
キングは疲労から、片膝を地面に着く。
(なんとか・・・なんとか相殺できた、か。我は少々驕り高ぶっていたようだ・・・)
かなり消耗しているのが、容易に理解できる。
それだけ、ゆうを危険に感じ、それだけ本気であったのだろう。
そして、再度正面を向く。
先の衝撃で、色々な物が消し去られ、お陰で視界は良好だった、が、ゆうの姿が視えない。
「何処へ消えた・・・? まさか、死んだか?いや・・・」
後ろから、声がきこえた。
聞き覚えのある声だ。
キングは慌てて後ろを向く。
「!! 死、神・・・」
これがキングの最後の言葉だった。
早めのお昼に、コッテリしたものを食べたら、ゆうとキングの決着の前に、腹痛との決着を着けなければいけなくなりました・・・すいません。




