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一章ー9 クイーン

           エルナ

「さらばだ・・・< 影ノ一太刀 >」


 セツは、もろに攻撃をくらい、更に身体が打ち上げられているので、次の攻撃は不可避。

 絶体絶命の状況であるが、ここで遂に、あの男が動く。

 セツまではかなり距離が離れていたが、一瞬で距離を詰め、セツを守るように抱きかかえる。


「何?」


 ゆうは、防御のために纏っていた魔力を全て足に集約させ、尋常ではない速度でやってきたのだ。

 ただ、セツを確実にキャッチするためブレーキをかけたので、速度は落ちてしまった。

 結果として、その攻撃を回避することが出来なくなってしまった。


「ヤバイ・・・!」

「ゆう・・・さん・・・?」


 セツは、普段の口調に戻っている。

 しかし、無常にもその影の刃は止まることなくゆう達へと向かう。


(セツさんは・・・守りきれ!!)


 ゆうは覚悟を決め、残りの魔力で出来る限りセツを保護した。


「あら、かっこいいのね。」


 すると、ゆうの影からもう一体別個体の狼が現れ、攻撃を防いでくれたのだ。

 驚愕するゆう。


「あの・・・あなたは?」


 ゆうが質問するが、それが答えるより先に、キングが答えを言ってしまう。


「なんだクイーン、何のつもりだ?」


(クイーン? この狼の名前か?)


「別に、ただあなたに嫌気が差しただけよ。それに、イケメンを一人この世から葬ろうだなんて・・・酷い話だわ」

「ふんっ・・・くだらん」

「しばらく私が相手をしてあげるわ。イケメン君、早く安全なところに行ってなさい」


(よくわからないが、セツさんはかなり消耗しているから、早く安全な場所で治療しよう)


 こうしてゆうはセツを連れ、安全だと思われる所まで避難した。


 ピロン!


 ”< 魔力操作 >がLv3に上昇しました”


 ”< 魔力変換 >を獲得しました”


(魔力変換?)


 魔力変換とは、一言で言ってしまえば魔力の性質を変化させるものだ。

 ゆうが先程無意識のうちに行った、纏っていた白魔術による防御を身体強化に強制的に変更したのがいい例だ。


(さっき、白魔術を使ったとき、無駄にたくさん魔力を消費しておいてよかった・・・)

                      

「じゃぁ早速・・・< 魔力変換 >そして、

クラスホワイト・ヒーリングカーテン

< 白魔術・癒やしの簡易空間 >」


 ゆうは、即座にセツに纏わせた魔力による防御の性質を、治癒の性質へと変化させた。

 すると、余剰分の有り余る魔力で、瞬く間に回復した。

 これは、ゆうの白魔術の効果も勿論だが、キングが奇襲を成功させることに重きを置き、威力のある技を選択しなかったのも、一つの要因だろう。


「セツさん、大丈夫ですか?」

「あっ、ゆうさん・・・えっと、あの、その・・・ありがとうございました」


 やはりいつものセツに戻っている。

 そしてあの魔剣も、いつの間にか姿を消している。


(あっ、完全にいつものセツさんだ)


 ゆうは何となく安心した。ただ、先程の彼女も魅力的だったと思わないこともない。


「私、まだまだ新人なので、索敵と魔力の収束とを同時にできないんです・・・」

「ほんとにぜんぜん大丈夫だよ。何なら僕なんか、女の子に一人で戦わせてたやつになってしまったんだから・・・今から挽回するよ」


 ゆうは、自分で言っていて、本当に心が苦しくなった。


(女の子にだけ戦わせるなんて・・・)


 こうして二人はキングの元へと急いだ。




 一方ゆうを逃したクイーンは、キングと互角に戦っていた。

 キングは、セツのときと同じ戦闘スタイルで、影と地面とを高速で移動している。

 しかしクイーンは、キングと同等、いやそれ以上の速度で移動し、影を踏んだ。

 キングは、慌てて影から飛び出す。


「甘いわね」


 するとその影は、突然消えてしまった。

 まるで、光に侵食されたかのように。


  ディプロ

「< 光光 >」


 次いで、キングは妙な不快感を覚えた。


「これは!! お前・・・!」

「私は本気よ」

「なるほど・・・」


 そう言うと、キングは沈黙した。


「・・・何をしているの?」


 するとクイーンは、足元に違和感を感じる。

 見ると、右後ろ足が影に掴まれていた。

 クイーンは、脱出を試みる。勿論キングへの警戒も怠らない。

 だが、いつの間にかキングは視界から消えていた。


 そして、右後ろ足が影から脱出すると同時に、その影からキングが出現した。


「あなたの割には、頭を使ったわね」


 しかし、その攻撃さえも、悉く躱されてしまう。


「本当にお前は厄介だな」

「そう?ならせめて、真っ向から向かってくれば、いいんじゃないかしら」


 クイーンが、それとなく挑発する。

                

「ならば、そうさせてもらおう! 死んでも恨むなよ」

「あら、一体何をするのかしら?」


 クイーンは、未だに余裕の表情を浮かべている。


   エナ・ルマ

「< 影ノ大太刀 >」




 ゆうはセツと共に、キングの元へと急いでいた。


「ゆうさん、先に行ってください。私、走るのはあまり得意ではないので」

「分かった」


 こうして、ゆうは単身でキングの元へと急いだ。


(見えてき・・・!! あの技は!)


 キングの姿が見えると同時に、自分の身代わりに戦ってくれているクイーンが、

 窮地に立たされていることを理解した。


(あの技は、さっきの・・・いや、それよりも威力が上がっているな)


 ゆうは焦る。恐らく、あの攻撃より早く、あの場にたどり着くことは可能だ。しかし、威力及び射程が上がっているあの攻撃にどう対応するか、対処できるのか、皆目見当がつかずにいるのだ。

 だが、迷うことなくキングとクイーンとの間に割って入った。


「あら・・・」

「また貴様か! まぁいい・・・二人まとめて真っ二つにしてやろう!」


 ゆうは理解した。これは対処できないと。

 でも、だからといって諦めたわけではない。

 白魔術を鬼のように速く構築し、最後まで抗うという意志を固めた。


(取り敢えず、この魔力を魔力転換であれにぶつける。そのあとは知らん!)


 決死の覚悟で魔術を行使する、まさにそのとき、


 ピロン!


      フォーチュン      

 ”固有『 起死回生ノ一手 』を発動します” 

明日も投稿頑張ります。

気が向いたら、評価等々お願いします。

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