第七話 新たな養子 ショーン
「マリアンヌ、ノア、ルーカス、君達の新しい義兄弟のショーンだよ。仲良くしてやってほしい。」
そうやって紹介されたのは孤児院から来た男児のショーン。まだ5歳だが背が高く、7歳の私より高い。髪と瞳は柔らかな茶色で、瞳はぱっちりとしているが、周りを警戒している為か、鋭い目付きと雰囲気を醸し出している。
‥‥というか、父は養子をもらい過ぎじゃない?跡取りなら1人でいいでしょ?!ただの子供好きにも困るわ‥‥。
「よろしくね。ショーン。」
私は笑顔で右手を差し出した。
「‥‥ふんっ!デーブッ!」
‥‥‥‥‥‥‥デブ‥‥‥。
‥‥‥‥久し振りに聞いたわ、その言葉。ノアが来た当初、よく小声で言っていたわね。今の私はまだぽっちゃり気味ではあるものの、決してデブではないわ!!
‥久々に殴ってやりたい奴が現れた‥。
‥でもあの夢を思い出せ‥不仲になって9歳でアホみたいな死を迎えたくないでしょ?!我慢よ我慢‥‥‥。
「まだ来たばかりで不安よね。これから仲良く‥‥‥」
「うるせーデブ!」
私の言葉を遮るように繰り出される悪態。
「‥‥‥ぷっ‥‥。」
そして堪えながら吹き出すノア。
‥こいつら大っ嫌い!
「そんなこと言わないで!」
その時、天使のような声をあげたのは可愛いルーカスだった。
‥‥ルーカス‥‥!
「お義姉ちゃんは、この丸くてぷにゅぷにゅなのがいいんだからー!」
‥‥ルーカス‥‥。
「デブじゃなくて、丸いだけだよ!」
‥‥ルーカス‥‥それ一緒のことだから、もう言わないで‥‥。それからノアとショーン、吹き出すのやめて‥‥。
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