第五十二話
読んでくださり、ありがとうございます。
不審者に関してはマクゴガナル様の護衛の方が学園に伝え対処して下さるとのことだから、もう心配はないわね‥。
私は気合いを入れてノアを守らないと‥!
心の中で気合いを入れ直し、会場の中を見渡しながらゆっくり歩いた。
ノアと殿下は舞台側で学園関係者と話をしているようね。殿下はいつ、どうやって毒を入れるのかしら‥‥?やっぱり飲食し始めた時よね‥‥?
‥‥うーん。でもいくら考えても分からないわ。殿下がノアを毒殺?‥‥セリア様をめぐって‥‥?
「‥‥‥。それにしてもこのスイーツ達、食べるのが勿体無い位キレイね。」
目線を近くに戻すと、テーブルの上に広がる超一流パティシエが手掛けた美しいスイーツの数々が目に入った。
花束の砂糖菓子に輝くジュレが光るカップケーキや、七色のアイスクリーム、どれもこれも繊細な仕事がしてある。中央には様々なフルーツが飾られた5段の巨大な生クリームのケーキが置かれている。
「‥‥美味しそう。」
‥‥グゥーーキュルキュル‥‥
!?こんなにコルセットで締め付けてるのにお腹が鳴るなんてっ!?
‥‥重大な使命はあるけれど、その前に一つ位頂いてもいいよね?戦の前の腹ごしらえは大切よね!
どれからたべようか迷いに迷って、可愛らしいイチゴのムースケーキを手に取り、うっとりと眺めた。
本当に美味しそうでキレイだわ!顔がにやけてしまう。
一口食べると、上品な甘さが口いっぱいに広がった。
「なんて美味しいの!?」
ケーキの美味しさに思わず感嘆の声をあげ感動していると、背後からクスクスと笑い声が聞こえてきた。
振り返ると、四人の御令嬢がいた。