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最悪の予知夢を回避しようとした結果、溺愛が始まりました  作者: gold kiwi
第二章 ノアは絶対死なせない!
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第四十七話

 ‥‥はぁぁ。マクゴガナル様、怖かったわ。それにしても私も悪かったけど、殿下も殿下よね。あれじゃあ勘違いされてもおかしくないわ。


 「どうしたんだい?溜息なんかついて。」


 ノアが私を覗き込み、優しく尋ねてくれる。


 「ううん。何でもないの。ちょっと疲れたなと思って‥‥。」


 「マリアンヌはパーティーに慣れていないからね。今日は早めに帰ろう。それまで頑張るんだよ?」


 ノアは私の背中を優しくさすり、私の頬をそっと撫でた。蕩けるような笑顔も向けてくる。


 ‥‥ノア。あまり勘違いされる様な行動はやめてほしいわ。


 ノアは私の顔を覗き込みながら(しき)りに頬を撫でてくる。ペットと勘違いしてない!?


 「ノア、しつこいわよ?勘違いされるからやめてよ。」


 ノアをキッと睨んで手を払い除けたが、ノアは何も聞いておらず、「マリアンヌは怒った顔も可愛いね。」と相変わらず笑顔を向けてくる。


 「だから、しつこいってばっ!」


 ーーその時、周りから殺気を伴う視線を感じたーー


 ‥‥っ!!何!??


 周りを注意深く見渡すと、私を睨みつける令嬢方の多いこと!!


 ーー思わず息を飲んだ


 ーーー!!!!


 もう蛇に睨まれた蛙状態で俯いて固まることしか出来なかった。









 ‥‥‥マリアンヌ‥‥‥


 「‥‥‥マリアンヌ?聞いているかい?」


 「えっ?何?」


 「僕は生徒会長だから今から壇上で挨拶しないといけないんだ。すぐに戻ってくるから、ここで待っていてくれる?」


 !?ノア、行っちゃうの!?


 ここで1人は怖いわー!!!


 「まっ、待ってノア。1人はちょっと‥‥。」


 思わずノアの服の端を引っ張ってしまった。


 「‥‥‥っっ!!」


 ノアは口に手を当て、顔を赤らめ私を見つめる。


 「‥‥‥そんな潤んだ目をして‥‥可愛い過ぎるっ!破壊力が凄まじ‥‥。」


 眉間に皺を寄せてそう呟きながら、突然ギューっと抱きしめてきた。


 しまった!!


 避けられなかった!!


 もうどこからどうみても恋人だわ!!


 ノアに抱きしめられ、胸の中で周りの反応をぐるぐる考えていると、だんだん血の気が失せていった‥‥。


 「さぁ、行ってくるよ。すぐに戻るからね‥‥。」


 ノアは名残惜しそうに呆然とする私を残し、壇上へと向かった。


 私はもう周りを見る勇気なんてなかった。


 何にも悪いことしてないのに‥‥針の筵状態だわ‥‥。


 そして、俯いていても聞こえてくる噂話。







 「‥‥やっぱり魅了の魔術を使われるのは本当だったのね。ノア様の様子もおかしいわ。」


 「卑怯よね。学院の人気を二分する2人に魅了をかけるなんて。私、ノア様のファンクラブに入っているのよ。」  


 「先生に相談して、退学してもらうべきよ!でないと他の生徒も惑わされるわ!」


 「というか、魅了の魔術って禁呪じゃなかった?捕まえてもらうべきよ!!」


 「マクゴガナル様もお可哀想だわ。殿下と幼馴染で婚約者候補にもなられているんでしょう?あの子とは格も違いますし、心中お察ししますわ。」







 ‥‥何コレ?


 ‥‥私‥‥悪女にナッテナイ?


 


 


 


 

 



読んで下さり、ありがとうございます。

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