表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最悪の予知夢を回避しようとした結果、溺愛が始まりました  作者: gold kiwi
第二章 ノアは絶対死なせない!
57/67

第四十五話



 パーティーは三階にある大広間で行われる。広間へと続く階段は淡い蝋燭のような光で覆われていて、神秘的な雰囲気となっている。その階段をノアに手を引かれながら上がっていくと、楽団の奏でる美しい交響曲が聴こえてきた。


 前後には美しく着飾られた令嬢や令息がいて、このように大きなパーティーに出席したことがない私は、かなり気後れしてしまっていた。それにあの恐ろしい予知夢もある。


 「‥‥さすが貴族学院のパーティーね。私何だか緊張してきたわ。大丈夫かしら?」


 ノアを見上げると、「大丈夫だよ。僕から離れないようにね。」とにっこり微笑んでくれる。


 余裕の表情ね‥。それに今日のノア、本当に素敵だわ。学生服を着ていても華やかな印象なのに、こんなに素敵なタキシード姿。眩しすぎて目がやられるわ。


 こんな素敵なノアだからこそ、妬まれて毒を盛られるのかしら‥‥?


 「今日のノア、本当に素敵だわ。見惚れてしまうわ‥‥。」


 ノアを見つめたまま固まっていると、ノアは笑って吹き出し、「マリアンヌも見惚れるほど美しいよ。」と頬に手を当て見つめてきた。そして流れるように額にキスをする。


 ‥っ!?何をっ!?


 言い返そうとしたが、背後からヒュッと息を飲む音が聞こえ、振り返った。


 そこには手を口に当て、蒼白な顔で驚いた表情をしている令嬢と、目を丸くして驚いている令息がいた。


 !?見られたっっっ!!


 「コホンっ、ごっご機嫌麗しゅうレミニール会長‥‥。」


 「これはザンダ伯爵家のメリッサ嬢と、ユリーフ。良いパーティーになるといいね。」


 そうにこやかに返すノアと、見る見る泣きそうな表情になっていくメリッサ様。そして目をまん丸にしたまま、口をハクハク開けているユリーフ様。


 「‥‥なぁ、ノア?隣の子は誰なんだい?」


 ユリーフ様に聞かれて、ノアは「義妹だよ。だけど、恋人でもあるんだ。」と私の腰を抱き、引き寄せる。


 「えっ!?義妹‥‥?血が繋がっていないからいいのか‥‥?」


 ユリーフ様はブツブツ独り言を繰り返す。


 ユリーフ様はノアと同級生で、メリッサ様は妹とのこと。‥‥メリッサ様のあの表情‥‥絶対ノアに憧れておられる方ね‥‥。


 そしてメリッサ様は意を決したように口を開き、


 「‥‥レミニール会長!義妹様が恋人なんて冗談ですわよね!?」


 プルプル震えながら訴えられる。


 「冗談ではありません。我が愛するただ一人の‥ 「ちょっとっ!?何てこと言うのよ!?」


 慌ててノアの口を押さえる。


 その押さえる私の手を取り、口付けるノア。


 ‥‥なっ、何でこうなるのよ!?


 ‥‥側から見るとイチャイチャしてるようにしか見えない‥‥。


 「危ないよ、マリアンヌ。ああ‥‥後ろが詰まってきてしまったね。ユリーフ、先へ進もう。話は後ででもいいかい?」


 「えっ!?ああ、そうだね。」


 二人に軽く会釈して、私の手を取り歩き出すノア。


 もう頭が真っ白なまま、ノアについていく私。


 ‥‥ノアは初め、恋人設定は内緒にするとか言っていなかった??何だかおかしな方向へ進んでいない!?


 ーー背後からの殺気だった視線に震えながら、笑顔のノアと共に会場へ足を踏み入れた。




読んで下さり、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ