表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最悪の予知夢を回避しようとした結果、溺愛が始まりました  作者: gold kiwi
第二章 ノアは絶対死なせない!
35/69

第二十三話 ノアside②


 馬車では僕とルーカスの間にマリアンヌが座り、前席にショーンと護衛のジョンが座っていた。


 ルーカスは始終笑顔で彼女の手を握っている。


 ‥‥またマリアンヌにくっついて‥‥。


 「マリアンヌ、ルーカスは一般の6歳ではない。かなり精神年齢の高い6歳だから、そんなにベタベタするのは良くないよ。」


 ルーカスを睨みながら、彼女に釘を刺すように言った。ルーカスはそんな僕を睨みつけ、次に彼女に泣きそうな視線を向けた。


 「ほら!ノアがそんなこと言うから!可哀想なルーカス。精神年齢が高いのは貴方達でしょ!?」


 彼女は「よしよし」とルーカスの頭を撫でた。


 「だから!その見目に騙されるなよ!バカ!」


 「バカとは何よ!ノアの方がバカでしょ!?」


 「ほらまた始まった‥。うるさいんだよ、お前ら!」


 僕と彼女はよく口喧嘩をする。その原因は100%このルーカスだ。ショーンも呆れている。


 「うっ、うっ、うぇーん!」


 「ほら!ルーカスが泣いちゃったじゃない!大丈夫よ‥‥ルーカス‥‥チュッ!」


 「あーーーー!!」


 「お前今キスしたな!?ルーカスにキスしたな!?」


 「何よ‥。いいじゃない‥。ほっぺにチューしただけよ。泣いちゃったんだから仕方ないじゃない!?」


 ‥‥キスまでするか!?普通しないだろ!?‥‥キスするなんて‥‥!


 もの凄く腹が立った。


 「それじゃあ、俺も今から泣くからキスしろよ!」


 「‥‥‥‥‥は?‥‥‥そんなの、するわけないじゃない‥‥。」


 ‥‥自分で自分の発言に驚いたが‥‥。


 彼女も僕の発言にひどく赤面し、焦りだす。


 僕のことを異性として意識してくれているのか?


 そんな彼女の様子を見てルーカスも不機嫌になった。


 そして湖に到着した後、鬼ごっこと言いながらいつもの真剣勝負が始まる。


 負けず嫌いの僕は優秀な義弟と言えど誰にも負けたくはない。


 ルーカスは魔法のセンスが抜群で、規格外に強い。剣術や体術は僕の方が上だが、魔法は全く歯が立たない。


 そしてショーンは3歳年下にも関わらず、僕より背が高く、剣術や体術の腕も上だ。魔法力は僕の方が上だが‥。


 だが、僕も魔法や剣術は出来る方だし、彼らよりも頭脳は優っていると思っている。彼らの隙をついて何とか勝ちたい!


 腕の立つアランとジョンも参加し、ルーカスの魔法やショーンの素早さに翻弄されながら、壮絶な鬼ごっこは続いていた。


 何とか隙をついて戦っている最中、信じられないことが起きた。


 遠くに避難していたマリアンヌが何故か湖に落ちたのだ!


 マリアンヌ!?一人で何してんだよ!?


 急いで引き上げられた彼女はもう既に意識がなく、呼吸も止まっていた。


 「マリアンヌ!!」


 攻撃魔法は訓練していたが、治癒魔法を訓練していなかったことをひどく後悔した。そして彼女の息を吹き返さないといけない為、心肺蘇生を開始したのだが‥‥。


 すかさずルーカスが人工呼吸しようとしたので急いで引き離し、自分がしようとしたけれど義父に引き離されてしまった。


 そして結局、人工呼吸を施したのは義父だった。


 しかも治癒魔法を吹き込みながら、手際良く実施されていた。


 魔法を使われるところは一度も見たことがなく、少し頼りない義父だと思っていたが、実はこんなあざやかに治癒魔法が使える方だったなんて‥‥。


 義父を改めて見直し、今後治癒魔法を訓練することを決意した。


 


 

読んで下さりありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ