第十話 湖に到着しました
山裾に広がる湖は絶景だった。
避暑地だけあって冷んやりと気持ちが良い。
‥‥この湖の辺りでお菓子を爆食いして湖に落下して溺死するのよね‥‥?まぁ、お菓子は爆食いしないから窒息はないと思うけど、足を滑らせて落ちないように気をつけないとね‥‥。万が一落ちても泳ぎは侯爵家の広いお風呂で練習したし‥‥怒られたけど。
‥‥ああ、でも何が起こるか分からないから緊張するわー!
そうこう考えていると、ノアが近寄って来た。
「‥‥何考えてるの?僕がキスしろなんて言ったこと?‥‥ごめんね。」
ノアが罰の悪そうな顔をして、謝って来た。一人称が俺から僕に変わっている‥‥落ち着いたようだ‥‥。それにしても今そのこと忘れていたのに、思い出させないでよ!?
‥‥また変なドキドキがやってきた‥‥。
‥‥顔が赤くなる‥‥。
ガバッ!!!
突然、背後から抱きつかれた。
ルーカスだ!
「何してるの?遊ぼうよ!」
人懐こい笑顔のルーカスは私の手を引っ張り、歩こうとする。
「分かった、分かった!行こう!ねぇ、ノアもショーンも皆で遊ぼうよ!」
「‥‥‥‥えっ‥‥‥僕お義姉ちゃんと2人で遊びたかったな‥‥‥。」
ルーカスが消え入りそうな声音で呟いた。
「え?何?聞こえなかった。何て言ったの?」
「何でもないよ!ほらお義兄ちゃん、お義姉ちゃん、一緒に遊ぼ!お義兄ちゃん、手加減しないから死なないでねっ!」
「死ぬか!?お前こそ覚悟しろよ?!」
物騒な会話をする2人。でも根は仲良しだから大丈夫よね!?
「俺は巻き込まれないよう頑張るわ。」
ショーンも冷めてはいるがやや物騒‥‥。
何だか心配になって来た‥‥。だってやたら強いのよ、この3人‥‥。
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