第7話
「もうお許しくださぁ~~~い!!死んでしまいますぅ~~~~」
チャズの悲鳴。そして馬の走る音。
あの女とマリーが去った後、チャズ隊にはパンサーの件で罰則を与えていた。
腕立て、腹筋、スクワットを300回ずつ。その後、城の周りをランニング20周。
もちろん、チャズ隊以外にも別メニューを与えていたが、ほとんどの兵士たちはチャズ隊の罰を楽しそうに見ていた。
そして、極めつけは今のコレ。
「た~~~~す~~~~け~~~~て~~~~!!」
馬の手綱に長いロープをつなぎ、そこにチャズの両足をくくりつけた。つまり、チャズは馬に引きずられているのだ。もうもうと砂塵が舞っている。
チャズがこれを一人でやっているのには理由があった。
本人が自らやると言ってきたのだ。
「兵士たちはもう許してやってください。責任は隊長である私が一人で取りますからっ!!」
そして、今に至る。
まさか引きずりまわされるとは思ってなかったのだろう。チャズ隊の兵士たちは憐みの目で自分たちの隊長を見守るしかなかった。
「・・・もういいか?」
ロックに問う。と、
「まだいけるでしょう」
にっこりとほほ笑み返された。ロックは意外と極悪非道だ。俺より陰湿かもしれない。笑いながら切り刻むタイプだ。
「まぁ、一人でパンサーを殺せなかった上に、逃がしちゃったんすからねぇ~」
腕組みをして見守っているケビンもロックに同意を示した。
確かに、そうなのだが・・・。
・・・・・うん?
「なぁ。あいつ、今、失神しなかったか?」
「・・・白目でしたね」
「うわっ。チャズ、根性無ぇなぁ~」
ロックとケビンが同時にため息をつく。
苦笑混じりに俺は右手を上げた。それと同時に、俺の愛馬がぴたりと止まる。心配気に引きずっていた人間を振りかえっていた。
おい、チャズ。馬にまで心配されてるぞ?
ガリウスがチャズの顔に水をかけた。ハッとして意識を取り戻す。
「あ・・・し・・・指揮官っ!!」
「ああ。もういい。ほら、お前らロープを取ってやれ」
チャズの部下たちはワラワラと隊長に押しかけた。足を結んでいたロープを取るや否や、皆口々に叫びだす。
「隊長!情けないっす!」
「もっと根性見せてくださいよぉ!」
「せっかくナナちゃんにアピるチャンスだったのにっ!!」
慕われてるのか、バカにされているのか、チャズは複雑な表情を浮かべていた。
今年度の試験で奇跡的にパンサーに勝利し、他の試験でも優秀な成績を修めたチャズ。隊長に任命したのが俺だけに、こっちとしても複雑だった。
「チャズ隊は今日は終了。残りの者はランニングの後片付けだ。行け」
ロックら隊長らを先頭にぞろぞろと兵士たちが続いていく。
「走れ!!」と叫ぶとぐんとスピードが上がった。残ったものはチャズ隊と砂埃のみ。
「・・・指揮官・・・・オレ・・・」
「バカ。このくらいで泣くな」
くしゃっと短髪に手を置く。チャズはぽろぽろと泣いていた。
「これくらいの失敗で泣く奴があるか。ただ小さなミスで命を落とすこともあるということを覚えておけ。今回は誰も傷つかずに済んだが・・・・戦場じゃそうもいかないぞ?お前を守ってやる人間もいない。自分の身は自分で守れ。分かったか、チャズ大佐。それともまた中佐に戻るか?」
「いえっ・・・・がっ・・・がんばらせてくださいっ!!」
汚い泣き顔を向ける。それに苦笑いを向けると、チャズは泣きながらも部下たちに支えられて立ち上がった。
大佐になってまだほんの数ヵ月。あいつにはまだまだ勉強させることは多い。
チャズ隊が兵舎に入ったところで、ロックたちがランニングから帰ってきた。
隊長3人がテキパキと後片付けの指示を出している。
時刻は夕刻。そろそろアレが姿を現す頃だった。
「ロック。俺は先に帰る。・・・後は任せたぞ」
「はい。・・・あの大丈夫ですか?」
「・・・いつものことだ」
暮れなずむ空を見ないように、俺は急いで城の中へと入った。
つわりで入院してました><
申し訳ございません。
10月後半から11月とつわりがひどく、動くのもやっと・・・という感じで、ろくに家事もしませんでした><
12月に入り、即入院。「妊娠おそ」という病名?でした。
いや~・・・辛かった><
水も飲めない(吐く)
吐いた上に血も吐く(のどが切れるため)
死ぬかと思いました(笑)←笑いごとか?
今は5カ月です。
引っ越しをして、だいぶ落ち着いたので書き始めようかなと思っております。
更新は週1くらいを目安にがんばりますので、気長におまちくださいませませ~~。