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砂漠の国に落ちてきた魔女  作者: 中原やや
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第3話

「何なんだよ・・・」

 夕食の席で、俺は今まで溜めていた息を大きく吐き出した。目の前に座っているランスがくすりと笑う。

 

 城に戻ってきた俺の最初の難は、女を馬から下ろすことだった。

 先に降りた俺がいくら宥めすかしても、女はマックスにしがみついたまま、首を左右に振り続けた。その騒ぎに馬子のクリスとヒースの父子も加わるが、どうやっても無理。ダメでもともと、愛馬マックスに頼んでみたところ、ひひんといなないた後、女は素直に馬から降りてきた。

 全く!何なんだ!!

 馬を馬子に預け、次に向かったのは王の間。兵士たちの訓練の状況と、滝でのことを報告するためだった。

 ジョン陛下は俺の報告を静かに聞いていたが、女の話になったところで、形の良い眉をひくりと持ち上げた。

「ジェイド」

「はっ。何でございましょう?」

 陛下はじっと女を見つめていた。青い目の陛下を女も半ばうっとりと見つめている。その陛下の口が動いた。

「この女、<魔女>にしてみてはどうだ?」

 そのお言葉に、王の間にいる全ての者が固まった。陛下の傍に仕えている大臣たちもおろおろしている。そりゃそうだろう。

「陛下?!何を・・・・」

「黒い髪に、黒い瞳。どこの国とも分からぬ言葉を話すのであろう?昔話の通りではないか。ならば、<魔女>として扱え。というか、<魔女>にしろ」

 ほぼ命令じゃねーか。

 俺は隣でぼ〜っとしている女を見ながら口を開いた。

「つまり・・・。陛下はこの女を<魔女>として扱うことで、リーアム国に出し抜ける・・・とお考えになったんですね?」

「勘が良いな」

 にこりと笑う20歳の国王。陛下は女を見下ろして、楽しそうに言った。

「我が国に魔女がいるという噂は徐々に広まっていくに違いない。それはおそらくリーアムにも届く。そうなれば、もはやリーアムは戦意喪失!魔女がいる我がバース国に勝てるはずはない!」

 ぐっと右手を握りしめる若き国王。その傍らで、左大臣がぽつりとこぼした。

「・・・はったりだと分かったときは末恐ろしいですが・・・」

 ひくりと陛下の笑顔がひきつった。どうやらここまでは考えていなかったらしい。

「もしくは、リーアムの方とて、魔女を仕立て上げるかもしれませんね」

 と、右大臣まで口を開いた。陛下の笑みはもはや消えている。せっかくの男前の顔も変に歪んでしまった。

 陛下は大臣二人にぎぎっと首を回したかと思うと、俺に視線を合わせた。

「・・・ジェイド、何とかしてくれ」

 泣きつかれた。

 俺は大臣たちと目を合わせると、小さく頷いてみせる。

「まぁ、魔女かもしれないですし、その噂は自然と広まりますよ。こんな格好ですし、何もしなくても城の者たちにもすぐバレるでしょう・・・。リーアムが攻めてきたら、その時はその時で私たちが返り討ちにしてやりますよ」

 ニヤリと笑って見せると、泣きだしそうになっていた陛下の顔がぱっと明るくなった。あどけない顔でにっこりと笑う。

「よかった。さすがジェイド。それじゃあ、よろしく。その女のことはお前が全責任を負うように。以上」

「えっ・・・?ちょっ・・・待っ・・・・」

 口を挟む余地などなかった。「以上」の言葉と同時に、守衛が俺を王の間から追い出す。遅れて女も小走りでついてきた。締め出された俺を心配げに見上げる女を見て、ふと昔飼っていた小動物を思い出した。

 いつも俺の傍にくっついていた。俺を見ると嬉しそうに尾を振り、お手やお座りもする。何でも言うことを聞く従順なヤツだった。

 が、コレは犬ではない。


「・・・全く、あの人は・・・」

「あの人って陛下のこと?」

 つい声に出しぼやいてしまった。ランスが一口大にちぎったパンを口の中に運びながら問う。俺は頷いた。

「陛下は、自分が嫌な仕事を俺たちに押しつけてるとしか思えない」

「それはそうかもね」

 口の中の物を飲み込み、ランスは軽く受け流す。

「でも、ジェイドだったら完璧だし。それを陛下も分かって仰ってるんだから、ね?」

 再び小さくため息を吐いた。


 女を連れて次に向かったのは侍女たちの部屋だった。

 俺やランスの世話をしてくれているマリーという女性に、この女の世話も任せたかったのだが・・・。

「まぁ、可愛らしい魔女様ですこと!ジェイド様、このお方はどうなさったのですか?」

 マリーの年は40後半。俺たちがまだ兵士見習いだった頃から面倒を見てもらっていた、母親のような存在だった。

 マリーは好奇心に満ちた瞳で俺と女とを見比べた。侍女に真実を告げる。

「<光る滝>で保護した。俺たちの言葉が分からないらしい。だから―――」

「それは大変だったでございましょう?」

 マリーに言われ、俺は大きく頷いた。ついでにため息も落とす。

 マリーはにっこりと女に笑いかけると、優しく言った。

「お嬢様、まずはこのお召し物を交換いたしましょうね?よろしいですか?」

 マリーは自分の召し使い用の制服を引っ張った。そして、次に女の服のような物を指差す。それを何度も繰り返すうちに、女はやっと首を縦に振った。ほっと安堵する俺とマリー。

「じゃあ、マリー。後はよろしくな。陛下が『魔女らしく』って仰ってたぜ。俺はまだ仕事が残ってるから―――」

「はい。畏まりました。魔女様らしく、ジェイド様のお好みに合うようにいたしますね」

「・・・そういうのじゃねーからな・・・」

 マリーのふふふという柔らかい笑い声と、女の俺を見つめる瞳に一瞬ドキリとした。


 その後、昼食を食べ、ロックたちと合流。兵士たちの訓練の成果を聞き、午後の訓練へ。それらが終わったのが、つい先ほど・・・。

 俺は三度目のため息をついた。


「ほら、ため息をつくと幸せが逃げていくよ?」

「俺らに幸せなんて無意味だろ」

 片肘をテーブルにつき、フォークでぐさりと付け合わせのテトを刺した。その時、食堂の扉が開く音がした。

 食事をしていた兵士たちが一瞬にしてざわめいたのが分かる。俺の後ろに扉はあるから、ここからでは見えないのだが・・・。一体どうしたんだ?

「ジェ・・・ジェイド!」

 ランスの青い目が驚きで見開かれている。俺は「何だ?」とランスや兵士たちが見つめている扉へと首をひねった。

「あ・・・」

 思わず声が出てしまった。

 にこやかなマリーの隣で、やや頬を染めて俯く馬語を話す女。フード付きのゆったりとした白いローブに身を包んでいる。黒い肩までの髪はゆるく編まれ、赤や緑のガラスの飾りで止められていた。腰のベルトにもそれと同じような色とりどりのガラスがついていた。

「どうですか?ジェイド様、ランス様」

 マリーに問われ、俺とランスは顔を見合わせた。

 ・・・・なんつーか・・・これは・・・

「・・・魔女・・・だな」

「うん・・・だね」

 それしか言えない。マリーは「可愛らしいでしょ?」と付け加えると、女を空いている俺の席の隣に腰かけさせた。ふわりと甘い香りが漂う。この男だらけの兵舎棟の食堂にはない香りが鼻腔をくすぐった。

 <光る滝>で見た女の顔とはまるで違っていた。あの時は恐怖で顔は歪んでいたし、泣きわめいていたが・・・化粧をした女はまぁまぁいける。最も、<絶世の美女>には足もとにも及ばないが。

 女は席に着くと、マリーが持ってきた料理のプレートをじっと見つめていた。

「それでは、ジェイド様、ランス様。後のことはよろしくお願いいたしますね。お召し上がりになりましたら、お嬢様のお部屋が2階にございますのでそちらでお休みになられるか、ジェイド様のお部屋にでもお連れになって下さいまし」

「だから!マリー、そういうのでは―――」

 俺の非難の声も、からかっている侍女には聞こえないらしい。笑いつつ、食堂を出て行ってしまった。ランスがくつくつと笑っている。同じ長テーブルに座っているロックら隊長たちも笑っていた。

「ったく・・・」

 小さく舌打ちすると、隣の女と目が合った。こちらの様子をずっと見ていたらしい。俺は急に恥ずかしくなり、咳払いを一つするとナイフとフォークを手に持った。

「これがナイフ。こっちがフォーク。ほら、ランスを見てみろ。ああやって食べるんだ」

 子供に教える親の気持ちがなんとなくだが分かった気がした。

 女の反応を見つつ、俺も肉を切ると口に運ぶ。

 女は両の掌を胸の前で合わせ、何事かぶつぶつ呟くとナイフとフォークを手にした。そして、それらをうまく使い食べ始める。どうやら食べ方は同じらしい。肉を一口食べると、嬉しそうな顔をこちらに向けた。

「うまいか?良かったな」

 思わず微笑む。と、ランスと目が合った。

「・・・何だ?」

「ううん・・・・。何でもない・・・けど・・・。ジェイドのそんな穏やかな顔、久しぶりに見たなって・・・」

 言われ、俺ははっとした。

 確かに最近、このように女と接したことはなかったかもしれない。

 日々、戦の訓練に明け暮れ、野郎だらけの会話は下品なことこの上ない。マリーら侍女たちと接するのとも違うし、娼婦のそれとはワケが違った。

 隣の白い魔女はおいしそうにもくもくと食事を平らげている。

 気がつけば、食堂にいる兵士たちは皆、この女を見つめていた。

「・・・ランス、なんか睨まれてねーか?」

「ジェイド、今頃気付いたの?・・・さっきから、僕、怖いんだけど・・・」

 俺たちに突き刺さる視線。あいつらより、俺たちのほうが位が上だから誰も何も言ってはこないが、もしこの場に俺やランスがいなかったら―――そう考えると少し恐ろしい。

「食べたら、女を連れてすぐ出るぞ」

「・・うん、分かってる」

 飢えた狼の群れの中に、女を一人で放っておくわけにはいかなかった。

 にしても、マリーはどうして女を兵舎棟に?侍女たちの部屋で飯を食べていた方が安全だろうに・・・。もしくは、逆か?俺かランスをこの馬女とどうにかしようとしてるのか?

 兵士たちの邪な思いを全く知らない女は、テーブルの中央に置かれているパンのかごに手を伸ばした。と、

「×××」

 女の思わぬ一言に、俺は食べかけていたスープを吹き出し、ランスはパンを喉に詰まらせた。野郎どもが一気に色めき立つ。いや・・・殺気か?

「×××・・・・?」

 今度は同じ言葉を疑問形で言ってきた。この言葉がこの女の中でどんな意味を持っているのかは全くの不明だが、同じ発音だとここでは到底人前では言えないほどの破廉恥なものになる。しかも、こんな女が口にするような言葉ではない。まぁ娼婦は言うだろうが・・・。

 女はうまそうにパンを食べていた。

「ジェ・・・ジェイド。そのに、ソレ言うの止めさせないと・・・」

「・・・だな」

 小さく息を吐いた。今の女の発言で、おそらくランスも他の兵たちも身体の一部が熱を持ち始めているのだろう。座っている姿に落ち着きがなくなっていた。

「・・・おい」

 トントンと女の肩に触れる。女はもぐもぐと口を動かしながら俺の方を向いた。

 あ、いや・・・・口を動かしてるのを見ると、また変な妄想をかき立てられる。

「もう喋るな。喋るの禁止だ」

 俺は人の口の前で人差し指を交差させてバツ印を作った。女はそれを理解したらしく、自分の口に手を当てるとすまなそうな顔をして大きく頷いた。

 これで、なんとか・・・なってなかった。

 俺とランスに突き刺さる視線と女に絡みつく異様な視線。

 目の前の参謀が何か言いたそうな顔をしている。

 ・・・・分かったよ。

 俺は立ち上がると、声を張り上げた。

「食ったらさっさと出ていけ!いいな?!」

「指揮官!それは無理ってもんですよぉ!」

「そうですよ!一人だけお楽しみなんて、ずるすぎます!!」

「ランス参謀も何とか仰ってくださいよぉ!」

 次々に湧き上がる不満の声。それも分からないわけではないが・・・。

 ランスを見やると、困ったような瞳で俺を見上げていた。

「・・・お前・・・まさか・・・?」

「僕も兵士たちに賛成」

 うそだろ?

 俺はまじまじとランスを見た。こいつがこんなことを言うのは本当に久しぶりだ。それなりにもてるし、それなりに遊んでいるはずなのだが・・・そう言えば最近はまとまった休暇もなく、訓練ばかりしているのも事実。仕方がない・・・か。

 俺は大きく肩を落とした。

「分かった。じゃあ、明日の早朝特訓は無しとする。今夜は各自十分に羽を伸ばすように。ただし!羽目を外しすぎるなよ!何か質問は?!」

『ございませんっ!!』

 兵士たちは見事な唱和の後、一斉に動き出した。行先は城の離れにある娼館か町の売春宿。妻帯者の者たちは家路へと急ぐのであろうが、それは俺の知ったことではない。

 がらりとした食堂を見渡す。女の一言で、ここまで動くか?

「・・・これでいいか?参謀殿」

「さすが!指揮官殿」

 満面の笑みのランス。この可愛らしい笑みに騙されてはいけない。この仮面の下では何を考えているか、付き合いの長い俺でも時々分からない時がある。

「兵士たちのやる気が下がったら訓練どころじゃなくなるからね」

「別の方のヤル気はかなり上がったけどな」

「ジェイド!」

 ランスはちらりと女を見た。女の前で下品なことを言うな、と目が物語っている。

 俺はテーブルに頬杖をついて笑った。

「気にすんな。どうせ何も分かっちゃいない。この女の一言で野郎どもが動いた、なんてな」

 俺とランスの視線に気づき、女は皿から顔を上げた。そして、少し慌てた様子で胸の前で手を合わすと、にっこりとほほ笑む。

「・・・もういいの?」

 ランスが半分ほど残った皿を指差した。女はランスの空になった皿と自分のとを見比べ、自分のそれをランスのほうへすすっと押した。

「あはは。僕に食べろって?もうお腹いっぱいだよ」

 ランスは自分の腹を軽く叩いた。それを女も真似る。どうやらもう十分らしい。

「じゃあ、そろそろ行くか」

「ん?部屋?どっちの?」

 じろりとランスを睨む。参謀は面白そうに笑っていた。

「この女に部屋を案内してやるだけだ。お前まで俺とこの女を―――」

「ジョーダンだって。でも、この可愛いじゃない。何と言うか・・・ほんわかしてるっていうか・・・ペットみたいっていうか・・・」

「・・・ペットねぇ〜・・・」

 苦笑する。どうやらランスも俺と同じように感じていたらしい。

 立ち上がる俺たちを見て、女もそれに倣った。自分の食器を手に持つと、女もそれを真似る。俺の一挙手一動を全て見られているようで恥ずかしかった。

「・・・貸せ」

 女の食器を半ばひったくるようにして、二人分の食器を返却口に持っていく。

 女が何かつぶやいていたが、やはり分からなかった。

「ついてこい。いいな?」

 女は俺の後をとことこついてくる。足首までの長いロープがふわりとなびいた。

「・・・ねぇ、ジェイド」

 食堂から、女の部屋がある客間へと向かう途中、女の少し後ろを歩いていたランスが口を開いた。

「このの名前、なんだろね」

馬女うまおんなとかでいいんじゃねーか?」

「そんな!かわいそうでしょ?!」

 そう言うランスの顔も笑っている。

「好きなように呼べばいいんじゃねーか?どうせ何もわかんねーんだし」

「ん・・・そうだけど・・・」

 顎に手をやるランス。そのまま女の前まで回ると、ランスは自分の胸に手をあてた。

「僕はランス。ランス=グレッグストン。言える?ランス」

「おいおい、言えるわけ―――」

 俺がそう言ったその時、

「ラ・・・」

 女が口を開いた。俺とランスは思わず顔を見合わせる。

「そう!ランス。言ってみて?ランス」

「・・・ラン・・・ス・・・?」

 参謀は顔を輝かせた。

 ・・・どうでもいいが、お前がこの女の世話してくれよ。俺なんかより、よっぽど適任だと思うけど。

 ランスは女に頷くと、自分の胸に当てていた手を俺へ向けた。

「次はこの人ね。ジェイド。言える?ジェイド」

「・・・・じゃ・・・」

「ジェイド」

「・・・・・じー・・・」

「ジェ・イ・ド」

「・・・じーじ」

「そう!言えたね!」

「言えてねーし!!」

 つっこむとランスは大笑いした。もしかして、もしかしなくても、ランスに遊ばれてるのか?!俺はっ?!

 キョトンとしている女に俺は自ら名乗ることにした。

「ジェイド=フォーリーだ。言ってみろ」

「ジェ・・・ど」

「ジェイド、だ」

「じぇーい・どぅー」

「・・・・辞めた」

 教えるのを諦めた俺を、女は「ランス、じーじ!じーじ!」と指さしていた。ランスはランスで、そんな女に「言えたね、上手上手」と拍手を送っていたりする。

「じーじ。じーじ」

 女は嬉しそうに、何度もそう言いながらぱちぱちと手を叩いていた。

 ・・・・うざい。

 俺は軽く切れた。

「『じーじ』って何度も言うな!俺はまだ25だ!アホ女!!」

「ジ・・・」

 突然の俺の態度に、女は固まりそして俯いた。泣きたいのを懸命に堪えているかのようだった。つくづく面倒くさい女だ。

「ちょっと!ジェイド、ひどいよ!一生懸命練習してるとこなのに!僕たちの言葉が話せたってだけでも喜ぶことなんじゃないの?!」

「ああ、そうかもな。良かった良かった」

 右手をひらひらさせて、俺は踵を返した。その背にランスの声がかかる。

「ちょっと!どこ行くのさ?!」

「気分転換に決まってんだろ。んなアホ女相手にやってられっかよ」

「ずるいよ!僕だって―――」

「そいつと部屋でナニでもしたらいいだろーが。じゃあな。馬姫さま」 

 ランスが何か叫んでいる。

 どうでも良い。俺はため息をついていた。

「保護するんじゃなかったな・・・」

 陛下や大臣たちの女見た時の驚愕の瞳。その中には一種異様な好奇心と興奮も混ざっていた。

 かつて、魔女は戦の道具とされ重宝された。国に一人でも魔女がいれば、戦力が大幅に飛躍する。しかし戦が終わると、その強大な力を人々は怖れ始め、魔女狩りという忌まわしいものが始まった。これにより、何百人という無駄な血が流され、それと共に魔女という存在自体もなくなったというのに・・・。

「・・・あの馬女・・・」

 また戦乱の世になるとでも言うのか。

 そうなれば、あの女はいろいろな人体実験に使われるかもしれない。ランスの情報によると、リーアム国には人には知られたくないような黒い噂が多々あるんだとか・・・。

「・・・俺の知ったことじゃねー、か」

 呟くと、俺は城の裏口へと回った。








お盆は風邪で寝て過ごしました><

インフルじゃなかっただけ、マシでしたが・・・。

皆さま、身体には十分気をつけましょう。


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