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刃鳴ノ太刀(ハナノタチ)  作者: いさなんだ
4/6

04

 そして、新十郎は1冊の本をカウンターの上に置く。

 「本当は私、腰に下げてる白木の刀かと思ったんだけど」

 ユキは腰の下げている白木の刀をまじまじと見つめている。

 どうやら彼女は本よりこちらの刀の方が興味あるようだ。実際、この刀の方がかなり希少価値があるかと自分も思う・・・。

 だが、鑑定の話を出した以上はあまりこちらの刀を気にされても困る。

 「刀はあとで。先に本の方をお願いします」

 「じゃあ、後でそっちも見せてね」

 ユキは本の上に手をかざす。すると、本が青い光に包まれ魔法陣が描かれる。

そして、10秒ほどすると光は消えて元の状態に戻る。

 「なるほど。結論から言うと、ある条件が整わないとこの本は使うことが出来ないみたいだね。その条件は全然わからなかったけど」

 新十朗が一言。

 「それって、下手したら一生使うことができないってことでは・・・・・?」

 「「・・・・・・・・・」」

 沈黙するユキとツバキ。

 そして、ユキが何かを思い出したかのように沈黙を破り一言。

「大丈夫だよ、・・・・きっと。その条件ってのは、今後必ず訪れると思うから」

「して、その根拠は?」

「私の勘ってことじゃ、不満かな?」

薄笑いを浮かべながらユキは語る。何かしらの自信があるのか、それとも・・・。

「とりあえず、その条件が揃うのを待つってことしかないんですね。何かはわからないけど」

「果報は寝て待て。っていうでしょ」

「同じ待つなら、人事を尽くして待ちますよ。寝て待つよりは有意義だと思いますしね」

 二人の会話にツバキが新十郎に一言。

「なら、差し当たっては今後のことを考えた方が良いぞ。あれだけ目立った後だからな」

「・・・・・そうですね。いろいろ目を付けられていそうですし」

「それと、本の鑑定終わったんだから、その刀を見せてよ」

目を輝かせながら、ユキは刀を見つめる。

新十郎は腰に差した刀を抜き、ユキの前に置く。

「では、さっそく」

 ユキは置かれた刀を手に取ろうとするが、刀に手が触れた瞬間、手がはじかれる。

「なぬ??」

 ユキは再度も試すが手がはじかれる。

「なんでじゃ~~!!」

 ユキは懲りずに手を差し出すが結果は何度やっても同じ。刀を手に取ることができない。そして新十郎を睨みつける。

「これ、鑑定しようと近くに手を置こうとしてもはじかれるって、契約かなんかしてあるの?」

「契約とか特別なことはしてませんよ。ただ、その刀自身に意志があるので人を選ぶってことは聞いてます」

ユキの顔が暗くなる。

「つまり、私は気に入られてないってこと・・・・?」

ユキは半泣き状態になりながら、刀を見つめる。

それを傍らで見ていたツバキが刀に触れようと手を伸ばす。するとユキとは違いあっさり手に取る。 

「あ・・・・、なんかすまん・・・・」

ユキを見ながらツバキは謝る。まあ、気持ちはなんとなくわかる。

「でも、刀は抜けないと思いますよ。多分」

そして、ツバキは刀を抜こうと試すが一向に抜けない。

「私も気に入られていないってことか?」

「そんなことはないです、多分。必要とされていない時に抜かれるのが嫌なだけだと思いますよ。自分も抜けませんし」

「なるほど。戦闘時や緊急時以外は抜けないってことか」

弱1名が納得いかない状況だが、とりあえず刀を手に取り腰に戻す。


「さて、これから寮に案内するわけだが、少し寄り道をする」



誤字脱字、文章的に不自然な点等ありましたら、ご指摘お願いいたします。


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